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2019/6/5(水)

偏差値だけに頼らない中学受験 生徒インタビューvol.7

国立音楽大学附属中学校 2年 Nさん

4歳からヴァイオリンを始めて、小学生でプロの奏者と共演

▶︎日本フィルハーモニー交響楽団のメンバーと弦楽四重奏曲を演奏。小学3年生で、ヴァイオリンは、まだ2分の1サイズでした。   ©️藤本崇

Nさんがヴァイオリンと出会ったのは4歳のとき。子どものためのオーケストラコンサートでの楽器体験でした。
「このとき初めてヴァイオリンに触らせてもらい、とても気に入ったので親に『買って買って』とせがんで、子ども用のヴァイオリンを買ってもらいました。4歳だったのであまり覚えていませんが、弾き方はめちゃくちゃで音も変だったと思います(笑)。それでも楽しく弾いていたので、ヴァイオリンを習うことになりました」

小学生になると、友だちと一緒に遊びに行けないときなどは、レッスンや練習は嫌だなと思うこともありました。そのような中で、プロの奏者と共演する機会が訪れます。小学3年生のとき、オーディションに合格して荻窪音楽祭で日本フィルハーモニー交響楽団のメンバーと弦楽四重奏曲を演奏。「日本フィルハーモニー交響楽団賞」も受賞しました。
「人前で演奏して褒めてもらえることが嬉しくて、練習を頑張ろうという気持ちになりました。荻窪音楽祭ではプロと一緒に演奏できて、とても楽しかったです。音が重なることの素晴らしさも感じることができました」

中学受験をしようと決めたのは、6年生の1学期。「音楽を本格的に学びたいと思い、音中KUNION講座に参加しました。国語と算数の授業や、ヴァイオリンの体験レッスンを受けたら、先生の教え方がわかりやすかったので、ここで学びたいと思いました」
試験科目には、実技のほかに国語・算数があるため、塾に通って国語と算数の受験勉強をスタート。11月には荻窪音楽祭で、日本フィルハーモニー交響楽団メンバーなどとオーケストラで参加し、第1ヴァイオリンをつとめることになっていました。夏から音楽祭の本番までは、受験とオーケストラのリハーサルを両立。「受験の当日は、国語が難しくて少し心配しましたが、合格できてホッとしました」
※「音中KUNION講座」は、音楽コースへの進学を希望している小学4~6年生、文理コースを希望している6年生のための受験準備講座。

個性豊かな友だちと刺激し合う日々

▶︎小学6年の時には、荻窪音楽祭に日本フィルハーモニー交響楽団などのメンバーとともに、オーケストラで参加。左から4人目、水色のドレスがNさんです。

「自由・自主・自律」という教育理念が気に入っているというNさん。入学後は、同じ志を持つ友だちから、多くの刺激を受けています。
「小学生のときも、ピアノを習っている友だちや同じヴァイオリンの先生に習っている友だちはいましたが、中学では声楽や楽器の種類も多くあり、いろいろな目標を持つ友だちと出会えました。友だちの演奏を聴く機会もあるので、よい刺激になります。自分の知らない世界を知ることができ、先生からいろいろな話を聞くことも、とても勉強になります」

実技のレッスンでは、先生からの指摘で気づけたことがありました。「右手に力が入ってしまうことを指摘されて、肩甲骨を意識するようにと言われました。なかなか直らなくて今もまだ少し力が入ってしまいますが、中学生のうちに気づけてよかったです」
音楽コースの「総合的な学習の時間」では、ソルフェージュや作曲の勉強もしています。友だちとの会話の中で、好きな作曲家や演奏家に関する話題もでるようになりました。
「好きな演奏家はイツァーク・パールマンです。小学生のとき、日本で開催されたコンサートで演奏を聴いて、すごいなと思いました。今もCDで演奏を聴いたりしています。ショパンやヴィエニャフスキなど、ポーランドの作曲家が好きなので、小6の夏休みには家族でポーランドへ行きました。ショパンの生家や行きつけのレストランを訪れ、ショパンがいつも座っていた席にも座れてとても嬉しかったです」

音楽と勉強、部活動など、充実した学校生活

▶︎ ショパンがよく通っていたレストラン「ホノラトカ」にて。ショパンがいつも座っていた席で。

部活動はGlee&ダンス部に所属して、クラシックとは違うジャンルの音楽を楽しんでいます。「踊るのも楽しいので好きです。今は、TWICE などK-POPの曲で踊っています」 
昨年度の卒業式では、在校生のアンサンブルで、チェロ奏者や高校生のヴィオラ奏者と一緒に演奏。Nさんたちが演奏する中で、卒業証書が一人ひとりに授与されました。
「演奏が揃ったときは、とても気持ちよかったです。合わせるのが好きなので、オーケストラに入ってみたいという気持ちもあります。将来は、音楽に関わる仕事がしたいです。ヴァイオリンが弾ける仕事ができたらいいなと思っているので、今は、年2回ある実技試験やトライアル(複数の教員からアドバイスを得る試験)に向けて頑張っています」

音楽以外では、小さいころから習っている英語が好きだというNさん。音楽だけでなく、勉強や部活動も頑張り、充実した学校生活を送っていることが伝わりました。