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スクール特集(目白研心中学校の特色のある教育 #3)

国際社会で活躍できる力を育成するために、さまざまな工夫を重ねた英語教育

グローバル教育をより発展させるために多彩なカリキュラムを組み、2018年度から英語スピーチ入試もスタートさせた目白研心の英語教育について取材しました。

2013年に創立90周年を迎えた歴史ある目白研心中学校・高等学校。2002年より3年間、文部科学省から英語教育の研究校スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクールに指定されました。グローバルな人材を育成し、国際社会で輝く人になるための教育を実践する同校の英語教育について、岩橋先生にお話しを伺いました。

「ACEプログラム」で英語4技能を徹底強化

「英語の目白研心」と言われるほど英語教育に力を入れている本校。いちばんの特徴は20数年の歴史ある目白研心独自の「ACEプログラム」(Active Communication in English)。「海外のテキストやオリジナルテキストを用いた外国人教師による授業と、日本人の英語教師による英文法の授業で構成されています。外国人教師からは、スピーキング、リーディングをはじめとする英語のコミュニケーション能力を高める内容を学び、中1からオールイングリッシュの授業を開始します。日本人教師からは英語の基礎である文法や、場面に応じた英語表現を学び、英語の4技能(話す・読む・書く・聞く)の力を底上げしていきます。また外国人教師と日本人教師は常にタッグを組んで情報を共有。高1の「Communication English I」の授業は、ひとつのテーマについて、日本人教師が日本の検定教科書を用いて授業を進め、外国人教師はそのレッスンに出てくる文法事項や表現を使ってスピーキングの練習をするなど、インプットとアウトプットを繰り返しています」と岩橋先生。英語の授業は、週7回(外国人教師3、日本人教師4)。英語のシャワーをあびることで、日本語と同じくらい英語が身近に感じられるカリキュラムになっています。

教室外で行う「英語体験型授業」

目白研心の英語教育は、通常の授業以外でも独自の行事を多く実施。1977年から行われている伝統の「中学英語スピーチコンテスト」、外国人教師が中心となって開催される「ACEハロウィンパーティ」、これに加えて、中2では成田近郊のホテルで行う英語勉強合宿「イングリッシュ・キャンプ」があり、校外の外国人講師を迎えて日常会話を学びます。その学びを活かせるのが中3で行く海外修学旅行。修得した英語をカナダで実践するのです。「海外修学旅行の目的は、学校で学んだ英語の成果を発揮すること。海外で、ホームステイ先の人々と英語で交流をすることは、自分の実力を知ることにつながります。帰国後、あまりうまくいかなかったという生徒もいますが、それもひとつの発見であり、学びです。それらの経験を経て、自分は将来、何になりたいのかが見えてくることもある。修学旅行での英語体験が、生徒に刺激を与え、将来につながるきっかけになればいいと思います」

中学、高校それぞれで英単語スキルを競うMVP

語彙力を強化するために定期的に行っているのが「MVP(Measure of Vocabulary Progress)」という英単語テスト。中学、高校それぞれ、学年やコースの枠組みを取り払って行います。「例えば中1の生徒が中3の生徒のスコアを上回るということもありますから、先輩を超えようと頑張ったり、後輩に負けないという気持ちが芽生えたり、語彙を増やしていくだけでなく、生徒同士、刺激を与え合えるのもMVPの魅力です。英語科以外の教師が参加することもあり、学校全体で取り組んでいます」。テキストは「キクタン中学英単語」を使用。「MVPがなかったら、ここまでキクタンを活用して勉強することはなかったかもしれないというほど打ち込んでいます」という生徒も多く、目白研心の英語教育の基盤となっています。

英語の対話力を重要視するSEC

2013年度から設置した「Super English Course(SEC)」は、中3から選択できるコースです。英語でのコミュニケーション能力を強化することを目的とし、iPadや電子黒板などのICT機器を活用しながら、生徒たちが自発的に英語で物を考え、発信していく機会を多く設けています。インプットするだけでなくアウトプットをして初めて生きた英語になることを生徒自身が自覚し、率先してディスカッション、コミュニケーションができるコースです。時事問題について話し合ったり、ニュースを英語で読み解いたり、生徒自身で記事を要約して発表するなど、グローバル社会で活躍できるスキルをしっかり学べるカリキュラムになっています。「今、社会で求められている人材は、世界の人々と対等にコミュニケーションを取り、議論し、多様な価値観を認め合う人間だと考えています。高校生のうちから海外の人たちとも臆することなくコミュニケーションが取れる能力を育むのがSECの狙いです」と岩橋先生。またSECでは、海外大学受験も視野に入れ、TOFEL iBT 80点、英検では準1級を目標として設定。加えて、中3で約3週間のカナダ語学研修、高2でニュージーランドに70日間留学というリアルな英語体験も必修で、これらの学習により、英語での対話力がレベルアップすることが期待できます。

目白研心の英語教育ついて生徒にインタビュー

ACEとSECの学習について、3人の生徒に話を伺いました。

▶︎写真左より:Oさん、Hさん、Kさん

Hさん 中学2年生
(帰国子女。英検準1級、英語は取り出し授業を受けている。)
Kさん 中学2年生
(英語スピーチコンテスト優勝者。小学生のときから英語塾で学んでいた。)
Oさん 中学3年生
(SECの生徒。将来は海外で働くことを希望している。)

―みなさんが英語に興味を持ったきっかけについて教えてください。

Hさん 私は父がアメリカ人で母が日本人で、0~6才までアメリカで生活していました。その後、日本に来て、日本の小学校に通っていましたが、英語を忘れないように家で父が教えてくれていたおかげで、この学校の入試に合格できました。

Kさん 私は小学校1~6年まで英語塾で勉強してきました。先に兄が通っていて楽しそうだったので私も通い始めたのですが、中学で本格的に英語の勉強をしたくなり、この学校に決めました。

Oさん 僕は両親の影響で海外に興味を持つようになりました。将来は海外で働けるくらいになった方がいいと言われて、英語教育が充実している目白研心に決めました。きっかけは、SECの授業見学です。楽しそうな雰囲気が気に入り「この学校に入るべきだ」と思いました。

―目白研心の英語授業について教えてください。

Hさん 英語の授業のうち週4時間、取り出し授業を受けています。いまは先生と1対1の授業で、先生が地球温暖化に熱心な先生なので、そういった社会問題なども含めて、オールイングリッシュで授業を受けています。日常会話のレベルを超えて、テーマを決めて英語で議論したりする内容で難しいです。わからない単語もたくさんありますが、調べて覚えて、それを使って会話することで英語力は上達していると思います。

K:ACEの授業はネイティブの先生から教わっています。教科書の会話文を生徒とペアを組んで音読したり、お互いに発音を確認しあったり、オールイングリッシュの授業で多くの会話を積み重ねていきます。英文法は日本人の英語の先生から教わっています。

O:中2まではACEで、ネイティブの先生のオールイングリッシュ授業と日本人の先生の英語の授業を受けてきましたが、中3でSECに進んでからは、コミュニケーションの学習が増えました。「スピーチ&ドラマ」で演劇のように体を動かして英語表現を学んだり、かなり難しくなりました。中2までの授業とは雰囲気がガラリと変わりましたが、とても楽しいです。最初の頃は英語のコミュニケーションに苦戦しましたが、だいぶ会話ができるようになったと思います。

―目白研心の魅力を教えてください。

Hさん 見学に来たとき、みんなの挨拶が元気よくて明るくていいなと思いました。入学して感じたのは、先輩後輩が仲良くて、学校が楽しいということです。

Kさん 入学したばかりの頃は、オールイングリッシュの授業を理解できなかったらどうしようと不安だったのですが、わからない生徒には単語を選んでわかりやすく教えてくれるなど、フォローがしっかりしていました。先生方はとてもやさしくて授業もわかりやすくて、この学校を選んで本当に良かったです。

Oさん グローバル教育が有名な学校だけど、この学校の良さは英語だけでなく、日本の文化も大切にしているところです。いろんな国の人と交流するようになると、それぞれに文化があり、お互いに情報交換することもあると思います。そういうときに困らないように、僕たちが日本の文化を学べるいろいろな取組みをしてくれています。校内には和室がありますし、僕が所属している剣道部や弓道部もあるんです。日本の文化や歴史をおろそかにしていないのが、この学校のよいところだと思います。

―英語の勉強でつまずいた経験はありますか?

Hさん 大きな挫折の経験はないのですが、私は単語を覚えるのが苦手なので、苦手な単語スペルはイラストにして覚えるようにしています。

Kさん 小学生のときから英語を学んできましたが、正直、苦手だったんです。でも兄が、私のリスニングの成績が良かったのを見て「筆記は練習すればできるようになるけど、リスニングはそう簡単にはいかないから、リスニングができる方がいいじゃないか」と言ってくれたんです。その言葉で自信がついて、頑張ろうと思えるようになりました。

Oさん わからなかったり、つまずいたりした経験はありますけど、もともと好きな教科で、英語をしっかり勉強したくてSECに進んだから、前向きな気持ちで乗り越えてこられたと思います。英語を嫌いにならないようにしよう、頑張ろうと思い続けたのかよかったのかもしれません。

―将来の夢を教えてください。

Hさん 歌手になることです。英語のボキャブラリーを増やしてパワフルな歌を作って自分で歌いたいです。アメリカの大学へ行き、そこから歌手を目指したいです。

Kさん まだ将来の夢はとくに定まっていないのですが、この学校は留学制度が整っているので、留学したいと思っています。中3になったらSECに進んで、カナダへ3週間の語学研修に行きたい。うまくいかないかもしれないけど、反省点を持ち帰って勉強をして、高2になったら、70日間の留学プログラムで再チャレンジしたいです。

Oさん この学校で海外でも通用する英語力をつけて進学し、大学卒業後は海外で就職したい。海外の映像関連の会社で働くのが夢です。

生徒たちの夢と目標を後押しする英語教育

学校側がどんなに英語教育を打ち出しても、生徒たちが英語に対して前向きになってくれなければ伸びていきません。その点、目白研心の生徒たちは、「英語の勉強がしたくてこの学校を選んだ」という生徒が多いとのこと。グローバルな人材を育てる目白研心の英語教育のメソッドが中学受験を希望するご家庭の保護者とお子さんの心を捉えているのでしょう。生徒たちがこの学校の英語教育のしくみを熟知して、「SECのコミュニケーション能力を伸ばす学習を一生懸命やりたい」「留学制度を利用したい」と積極的に活用しようと考え、レベルアップに前向きに取り組む姿勢が見えるのは、グローバルな人材を育てる目白研心の英語教育が着実に成功へ向かっている証だと感じられます。
「英検だけでなくTOEFLにも積極的に受験していくように勧めており、生徒たちはそれに応えてくれています。学校全体で英語を頑張ろうという取り組みをし、生徒たちが世界に羽ばたける人間になれるように導いていきます」と岩橋先生。目白研心の英語教育によるグローバル改革は確実に歩を進めています。

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