学校詳細
建学の精神、教育理念
「正直・親切・勤勉」
日米貿易の先駆者で、TOTO・ノリタケ・日本ガイシなどの創立者である森村市左衛門によって1910(明治43)年に創立された。建学の精神「独立自営」、校訓「正直・親切・勤勉」を掲げ、世界に伍す若者、社会の役に立つ人間の育成をめざしている。
教育の特色
グローバル人財の基盤をなす「言語技術(Language Arts)」
言語技術の特徴は、言葉を用いる様々な手法を生徒の参加と作文によって指導する点にある。それは、対話・物語・説明・論証に分類され、「問答ゲーム」を通して型に則って発信する方法を指導した後、大量の質問を浴びせて対象を分析的に捉え、自ら発問する能力を獲得させる。これを基盤に全ての授業がアクティブラーニング、すなわち思考し、発信する形式で行われる。「問答ゲーム」は、パラグラフ形式の文章である小論文や英語の記述方式に発展。この時必要なのが情報を空間的に配列する手法で、これは全体から部分に情報を組み立てる能力となる。文学も重要な要素で、そこには物語と絵・テクストの分析が含まれる。文学的教材や絵画を分析的批判的に考察することは深い教養の土台となる。こうした授業は全て議論で実施され、作文で完結される。その繰り返しの中で、生徒は国内のみならず、グローバルに通用する母語力を身につけていく。
グローバル社会をたくましく生き抜くための英語力
6年間の英語学習は、2年ずつ段階的にアプローチを発展させながら、「聞く・話す・読む・書く」の4技能を習得する。初期段階の中1・中2では、コミュニケーションの道具として、英語を使えるようになることを目指す「コミュニカティブアプローチ」。中3・高1からは、より論理的に英語で考え、意見を述べる力の獲得を目指す「ロジカルアプローチ」。高2・高3の最終段階では、批判的・分析的に物事を捉え、自らの考えを口頭で発表したり文章にまとめたりするなど、創造的で知的な英語の活用を目指す「クリティカル・アナリティカルアプローチ」。言語技術で学ぶ内容と合わせ、英語で論理的に自分の考えを述べるようになる。
もう1つの特徴として、中1・中2では、今までに英語に触れてきた時間と経験の差を踏まえ、New Treasureを使用し基礎から着実に学習を進めるルート(EJルート)と、海外のテキストUncoverを用いて全て英語で学習を進めるルート(EEルート)を選択できる。
答えのない問いに「自分なりの答え」を出す「課題解決(PBL)型授業」
中等部では、「未知の世界を知ろう」をテーマに、社会での活躍を見据えた様々なプログラムを、PBL形式で実施している。まず中1で行うのは「創立者・森村市左衛門研究」。市左衛門の生き方を通して、世界で活躍するとはどういうことなのか、どのように新しい道を切り拓くのか、自らの路を模索していくための基盤を作る。中2の「職業研究」では、各自興味のある職業について調査する過程で、グループワーク・発表を行う。中3では、「自由課題研究」において自ら問いを立て、課題解決にはどんな知識・調査が必要か、どのように発表したら理解してもらえるかを生徒主体で考える。同様のテーマを研究する生徒同士でディスカッションし、新しい切り口を発見しながら、論文にまとめる。
学びの可能性を広げ、社会で活きる力をつけるICT環境
社会で必要とされる力を自然と身につけるため、2in1PC(タブレット端末としてもノートパソコンとしても使えるパソコン)を利用している。授業や日々の連絡に加え、Microsoft Teamsによるオンライン授業や課題提出、資料の共有も可能。学内どこでもインターネットに接続できるようにWi-Fi環境を完備。各教室100名まで同時接続可能だ。また、Abobe Creative Cloudを導入し、クリエイティブな環境を整え、問題解決の手段にデジタルでの解決方法をプラス。より効果的なSTREAM教育につなげている。4名の「Microsoft認定教育イノベーター」がおり、生徒へのきめ細かい指導が可能。
施設設備
明るく開放的な校舎
2010年に完成した校舎は、大きな窓から光がふりそそぎ、木目とコンクリートのコントラストが美しい明るく開放的な作りとなっている。プロジェクターやスクリーン、音響設備も完備。広い閲覧コーナーを備えた図書館は蔵書約5万5千冊。自習室は朝7時30分から開放し予備校のサテライト講座なども完備している。校舎の中央部に位置し地下1階から地上3階まで吹き抜けのガレリア、明るく清潔感あるカフェテリア、学年集会や音楽会、講演会など多様に使用できるホールなど、機能的な教育環境が整っている。
部活動
新体操部は全国大会常連校
部活動が盛んで、各部とも外部大会で活躍している。なかでも新体操部は中高ともに全国大会常連校。ゴルフ部、テニス部、陸上競技部も関東大会、全国大会に出場。運動部はバスケットボール部、野球部、サッカー部など11。文化部は中高計90名の管弦楽部、ESS部、演劇部、囲碁将棋部、美術部など10。
進路指導
6年間の学びの成果
生徒の希望や適性を第一とし、その先の社会生活も見据えたきめ細やかな進路指導・進学指導を行っている。2021年度はコロナ禍においても多くの生徒が自分の目指す路への進学を決めた。難関大学だけでなく、医学系・芸術系といった進学先の幅広さも、歴史の長い同校の教育ならではの成果だ。そのような大学合格実績の背景には、自分の進路を早期から主体的に捉え、最後まで志を貫く姿勢、首都圏のみでなく、地方の国公立大学にも果敢にチャレンジしたことなど、上級生の活躍がロールモデルとなり引き継がていることがあげられる。一人一人の生徒が6年間トータルでどのように過ごしてきたか、大学合格は、その成果の1つであることを考えると、「6年間の過ごし方」は非常に重要なことだと捉えることができる。学業と部活動・学内外の課外活動の両立、行事への主体的な関り、多感な時期の友人関係からの学びなどから、「コンピテンシー」をいかに高めたか、「コンピテンシー」とはある役割の中で優秀な成果を発揮するための行動特性を指すが、具体的には、課題設定力・論理的思考力・困難な状況を乗り越える耐性・感情コントロール・寛容・表現力・柔軟性・共感力・傾聴力など、このようなコンピテンシーを高めるには、数々のTry & Errorを経験することが必要だと言われている。Try & Errorを恐れずに行うには、生徒が安心できる環境が担保されていることが大切。それが生徒の持つ潜在能力を引き出す環境だ。逆に言えば、潜在能力がどれほど高くても、その生徒にとって安心した環境で過ごせなければ伸び悩む、と言える。森村学園は「家庭的であたたかな校風」と創立当初から言われてきた。全校生徒の「コンピテンシー」を、あるアセスメントツールを用いて測定したところ、どの学年も「寛容」というコンピテンシーが高いという結果が出た。志願理由の統計を取り始めて以来、不動の1位である「生徒の雰囲気と校風」。昔も今も変わらぬ同校の大きな魅力の1つだ。
その他
「国際交流・多言語教育センター」が本格始動!
国際交流・多言語教育センターは、本校の国際交流関連プログラムを一括して企画・運営する組織だ。コロナ禍で海外への渡航に制限がある中、日本にいながらにして多元的な価値観に触れる機会や、日常に多文化が存在する空間を作り出していく。以下にその例を2つ示す。
(1)US Dual Diploma Program
通常授業に加え、放課後や週末にアメリカの名門校の授業をオンラインで受講し、2年後には日米二つの卒業証書を手にするという画期的なプログラムだ。全米トップ5%の18大学への推薦入学、英語圏の大学への進学、アメリカ大学給付型奨学金の受給資格の取得など、進学における大きなメリットがある。
(2)多言語・多文化講座
2020年度から、語学を得意とする本校教員が担当する、「多言語・多文化講座」がスタートした。これまで開講した講座は、アラビア語、フランス語、ロシア語、中国語、スペイン語、ポルトガル語、日本語日本文化・プログラミング言語など多種多様。受講登録したのべ300名の生徒たちは、言語の他にも食文化や日本との違い、先生の体験談などを通して異文化理解を深めている。
制服
伝統と気品に満ちたデザイン
100年を超える長い歴史の中に受け継がれ、いつの時代にも生徒に愛されている気品に満ちた同校自慢の制服だ。
夏服は男子が白いワイシャツにグレーのズボン、女子が白いセーラー服に紺のスカートと涼しげで爽やかな装いとなっている。