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文化学園大学杉並中学校

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デジタルパンフレット

スクール特集(文化学園大学杉並中学校の特色のある教育 #12)

カナダの学びを取り入れ、英語初~上級者全員がレベルアップ!

ダブルディプロマ(DD)の草分け的存在で、ネイティブスピーカー教員主導の英語教育に定評のある文化学園大学杉並中学校・高等学校。入試広報部長の西田真志先生に話を聞いた。

中学生の半数近くが、カナダのカリキュラムを学習

2014年、カナダのブリティッシュ・コロンビア(BC)州の海外校として、日本で初めての認定校となった同校。現在、BC州の海外校は世界に46校あり、およそ7,000人の生徒がカナダのカリキュラムを学んでいるという。

2015年度、同校は、日本とカナダの2つの高校卒業資格を同時に取得できるDDコースを高校で始動。その後、中学にもDDの準備コースを設置し、英語上級者は1年次より、英語初心者も英検4級レベルの審査をクリアすれば、2年次からカナダのカリキュラムを学ぶことができる。

▶︎入試広報部長 西田真志先生

今年度、中学の新1年生は125人、うち25人がDD7に進み、英語上級者のアドバンスト7は6人、初級者のスターター7は94人だった。中学全体の生徒数は380人で、そのうちカナダのカリキュラムを学んでいる生徒は192人にのぼる。「中学生の半数近くが、カナダの授業を受けています。その中には、入学時に英語初心者だった中2、中3生が64人います。毎年、スタータークラスの35~50%の生徒が、2年次からカナダのカリキュラムを学び始めます」と西田先生は話す。

同校の英語教育の特色は、豊富な授業時間数と、ネイティブスピーカーの教員が授業を主導していることだ。一般的な私立中学校の英語の授業数は週6時間、そのうち2時間をネイティブスピーカーが受け持つケースが多い。それに対して同校は、英語初心者のスタータークラスで英語の授業が週9時間、そのうち7時間をネイティブの教員が担当している。また、英語上級者のアドバンストクラスは、週10時間の授業をすべてカナダの教員が行っている。カナダのカリキュラムを学ぶDD7は、理科(週2時間)と数学(週5時間)の授業も英語で行うため、全部で週17時間、年間では595時間、英語で学ぶ環境になっている。

カナダの授業はプロジェクト型の学習を実践

DD7〜9は、2か国のカリキュラムを学ぶため、週4時間、追加の授業が組まれている。「授業数が多いのは、生徒には負担かもしれませんが、高校のDDコースも、2年次から文系、理系に分かれて、国内、国外の大学進学を目指します。中学の段階で、進学の選択肢を狭めることなく、文系、理系両方をしっかり学ぶことが大切であるというのが、本校の考えです。そのため理数科目も、カナダだけでなく、日本のカリキュラムでも学ぶ時間割を設定しています」と西田先生は説明する。

カナダのカリキュラムは、授業スタイルや考え方のアプローチが日本とは異なり、それが魅力でもあると西田先生は言う。「カナダの授業はPBL(Project Based Learning)が主流で、個人で考えたり、グループワークをしたりしながら、生徒自ら課題を解決します。また、理数科目は日本の場合、大学入試を想定して演習を多く取り入れますが、カナダは入試形態が違うので、実体験、実社会に近い学習を行っています。たとえば中2では、自分たちでロボットを作って、体積や表面積を調べて提出したり、数学の統計学では、自分たちでテーマを設けて、先生や生徒にアンケートを取り、その割合をまとめてポスターにしたりしています。まさにアウトプット型の授業が行われています」

また、カナダの学びは、学年を越えて行われることも多いそうだ。「高校生が個人やグループで取り組んだプロジェクトごとにブースを構え、中学生が関心のあるところへ行ってプレゼンを聞くという機会を設けています。本校では『ギャラリーウォーク』と呼んでいて、発表する側、聞く側も少人数なので真剣さが増し、お互いによい勉強になります」

英語初心者も上級者も3年間で確実にレベルアップ

同校の中学生の英語力を英検取得率で見ると、2023年3月時点、英検2級以上を持つ生徒が、どの学年も30%を越えている。

次に1年間の伸び率を見てみると、昨年の中1生(現・中2生:生徒数146人)で、入学時に英検の級を持っていなかった生徒77人のうち、33人が1年終了時までに4級に合格、24人が3級に合格している。英検級なしだった生徒の3割が、1年間で3級を取得し、その割合は毎年上がっているという。一方、英語上級者も入学後に10人が準1級、2人が1級に合格している。

中学全体では、英検2級の取得者が95人、準1級は32人、1級が7人いて、準1級32人のうち、20人以上が入学後に合格、1級の7人は全員が入学してから合格している。

また、ベネッセ進研模試の結果によると、生徒たちは英語だけでなく、国語や数学の力も伸ばし、3科(国・数・英)の偏差値は3年間で10ポイント近く上がっているという。そして、高1の1月に行った同模試(3科)の1~5位は中学附属生であり、中学の英語上級者の多くが高校進学時にDDコースへと進んでいるそうだ。

大学進学の選択肢が多いDDコース

高校のDDコースは、2年次より日本のカリキュラムは文理選択となり、カナダのカリキュラムは1~3年まで理数科目を履修、高3は生物、物理、哲学の中から1科目を選ぶ選択授業がある。
「ELA(English Language Arts)の授業も、英語の勉強をするのではなく、それぞれのテーマに沿って、自分で調べ、考えたことを英語を介して学習するという方法です。高2ではメンタルヘルスについて、学んでいました。英語を使って、多岐に渡る学問を学んでいくのが、カナダのカリキュラムの面白さです」と、西田先生は言う。

また、同校のカナダの教員の中には、海外大学の進路指導も行う教員もいる。「BC州の教育省は、いろいろな国に海外校を置いて、人材育成を行っているので、教員も海外大学の情報を豊富に持っています。また、本校に在籍する15人のカナダの教員は、全員がBC州の教員資格を持っており、生徒指導も熱心です」

今年度のDDコースの卒業生(6期生)は、CEFRのB2(英検準1級レベル)の取得者が87%(26人/30人)を占める。全員が高校3年間で英語のレベルアップを図り、その英語力を活かし、国内外の大学に進学している。

DDコースでは、2つの国の高校卒業資格が得られるため、大学進学の選択肢も多い。「まず、国内大学と海外大学の両方の出願資格が得られます。また、国内大学にも、BC州の卒業資格で受けられる入試を行っているところがあり、ダブルの受験チャンスがあります」

これまでDD1~6期生155人が大学に進学。海外大学は64人、早慶上理IC・国立大学は39人、GMARCH・関関同立は47人という実績を出している。そして、国内大学の多くが総合型、推薦型の入試で合格し、海外大学はBC州の成績を使って進学するケースが多いという。

日本とカナダの良さを取り入れた教育を実践

今年度、高校進学時に中学附属生でDDコースを希望したのは49人。そのうち46人が合格した(接続率94%)。西田先生によると、「DD希望者の中の17人は、入学時はスタータークラスでした。結果、14人が合格し、英語初心者でも3年間でDDに接続できる力を付けています」と話す。

英語初心者が力を伸ばしている要因について、「授業の質、豊富な授業数と共に、こちらでスモールステップの目標を用意していることが大きいと考えています。中学に入学してから英語を学び、1年間で英検4級または3級を取得すれば、カナダのカリキュラムが学べる。中2で受けたカナダの授業が面白かったから、高校でもDDに進みたい。そのために中2で準2級、中3で2級合格を目指そう、というように、明確に目標が立てられます。なお、高校のDDの審査基準は、英検準2級~2級レベル、エッセイに関しては2級レベルが求められます」

現在、同校は日本のカリキュラムでも、アウトプットの授業を重視し、カナダのメソッドの勉強会を開くなど、参考にしているという。「少人数のプレゼンもその1つで、日本人教員の中にも『ギャラリーウォーク』を始めています。生徒たちがカナダのPBL型の授業に関心を持って学んでいることも、日本人教員の刺激になり、当然、生徒の英語力アップにもつながっています。今後はカナダと日本の教育、それぞれ良いところを取り入れ、ブラッシュアップをしながら、文大杉並ならではの教育を実践していきたいと考えています」

<取材を終えて>
同校のDDコースは、1期生13人でスタートした。9年目の今、内容も進化し、DDの英語力を満たす生徒の数も増えている。中学のDD準備コースから学んだ最初の生徒は、今年高校2年生になり、卒業時にはどのような力が備わり、どんな進路を歩むのか、今から楽しみだ。また、同校はカナダの学習スタイルを、日本の授業にも取り入れるなど、英語教育だけではない、新たなフェーズに入っていると感じた。

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