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スクール特集(目黒日本大学中学校の特色のある教育 #7)

生徒や保護者が受験生に伝えたくなる「目黒日大の魅力」

日本大学の準付属校となって6年目を迎えた目黒日本大学中学校。1期生が中心となって作り上げた「目黒日大の魅力」とは?

2019年に日本大学の準付属校となった目黒日本大学中学校は、2024年度に中高一貫生が6学年そろった。1期生を中心とした生徒、保護者、そして教員が作り上げてきた目黒日大の魅力と今後の展開について、広報部主任の天野正貴先生に話を聞いた。

試行からブラッシュアップへ

2019年度に1期生が入学し、今年度で中高一貫生が6学年そろった目黒日本大学中学校。高3となった1期生の成長を振り返り、7期生を迎えるにあたって教育内容をブラッシュアップしていくと、天野先生は語る。

「本校の高入生は、日大への進学を目指すN進学クラスと他大学への進学を目指す選抜クラスに分かれています。一方、中高一貫生は高入生とは混ざらず、基本的には他大学を目指すクラスのみです。高3の最終段階で日大を目指すという選択もできますが、もう少し早い段階で日大への進学を希望する生徒がいたり、学力のバラつきがあるなど、高3まで日大を目指す生徒と他大学を目指す生徒が同じクラスで学ぶデメリットも見えてきました。そこで、日大を目指したいという生徒は、高2からN進学クラスで徹底的に日大対策にシフトチェンジできるように、クラス編成や教育プログラムを変更する予定です。文系か理系を選択する時点で進学先に合わせてよりフレキシブルに対応できるように、高入生と混ぜたクラス編成も視野に入れて検討しています」(天野先生)

日大への内部進学希望者の合格率は、3年連続97%以上という実績を残している。令和3年度の卒業生と比較してGMARCHの進学率は167%、早慶上理は200%アップしており、初年度に比べて大幅に伸びた。しかし、この3年間は高入生の進学実績であり、今年度の高3が中高一貫生として初めての実績を出すことになる。

「中高一貫1期生は、学力にバラつきがある中でも、医学部や国立大を目指す生徒もいるので、どのような結果になるのか楽しみです。入学時の学力も年々上がってきており、教育プログラムやクラス編成のブラッシュアップにより、今後も実績を伸ばしていけると考えています。しかし、国立大や難関私大に行けたら、その生徒の人生は完璧というわけではないですし、希望の大学に合格することがゴールとは考えていません。結果が出た後にはまた新たなスタートがあり、常にその繰り返しなのです。今年度は高3を受け持っているので、成績の伸び悩みなどの相談を受けることも増えました。そんなときは私自身の大学受験を振り返って、失敗談なども話したりしています。当時、センター試験や一般入試を経験していたので、今の生徒たちの悩み、成績が中々上がらない苦しみがよく分かります」(天野先生)

新たな留学プログラム

同校では中3で全員短期留学(約1ヶ月)を経験するプログラムがあり、それを志望理由とする受験生も少なくない。2024年度からは新たな留学プログラムが加わり、海外体験の選択肢が増える。

「昨年度までは留学プログラムとして、オーストラリア短期留学(中3全員)、ニュージーランド中長期留学(高1・高2の希望者)、英国ケンブリッジ大学語学研修(高1・高2の選抜生徒)を実施していましたが、今年度からオーストラリア中長期留学(高1・高2の希望者)が新たに加わりました。中3で行く短期留学先との姉妹校提携が実現したので、いずれは交換留学もできるように交渉を進めていきます」(天野先生)

英国ケンブリッジ大学語学研修は、全国の日大付属校から選出された代表生徒(2~3名)が参加するプログラム(春夏の2回実施)。26校から集まる生徒たちが寮で生活し、日大の学術交流指定校であるケンブリッジ大学ペンブルック・カレッジで授業を受け、グループでのアクティビティーなどを通して、互いに刺激を与え合う。

「高入生も含めて、希望者は学内の選抜試験を受けるのですが、中高一貫生が毎回選抜されているという流れが続いています。例えば、昨年度のサマープログラムは2名とも中高一貫生、イースタープログラムは3人のうち2人が中高一貫生でした。中高一貫生は、週1回はネイティブ教員によるホームルームがあったり、中1からオンライン英会話を取り入れているなど、日頃の授業などで英語力が高められている成果の1つであると考えています」(天野先生)

オーストラリア短期留学

英国ケンブリッジ大学語学研修

メリハリのある学校生活

同校では2023年度から「目黒日大生として目指すべき姿」を学校ルーブリック(数値化)に示し、同校のホームページ上でも公開している。価値観の項目としては、共生・向上心・自尊心・社会寄与・克己心、スキルの項目として思考力・判断力・表現力・人間関係力という9項目を5つのレベルで自己評価する。

「各項目に関するアンケートを1学年の間に複数回実施しますが、文化祭や体育祭などの行事後には、共生や人間関係力など、クラスに対する貢献度についてタイムリーに振り返ることにしています。生徒が目的意識を持って動けるようになってきたと感じられる指標として、ルーブリックは重要な役割を果たしていると思います」(天野先生)

保護者が子どもを同校に入学させたいと思う理由として、生徒たちが生き生きとしている様子がよかった、気持ちのよい挨拶がよかったなどの声が多く聞かれるという。

「本校は行事が多く、フィールドワークにもたくさん出かけるなど、メリハリのある学校生活が生き生きとした様子につながっているのでしょう。中1は日本の伝統文化に関する探究活動の一環として浅草へフィールドワークに出かけたり、中2は目黒川で水質調査をしたり水の科学館へ行くなど、座学以外の学びも多く行っています。生徒たちがしっかりと挨拶できることは、日出時代から受け継いでいることの1つです。私は本校の教員になって15年ぐらいになりますが、当時から生徒たちは明るくて、何事にも前向きに取り組み、部活動や生徒会活動、芸能活動、習い事などで、充実した日々を過ごしていました。生き生きとした様子や挨拶などは、目黒日大になったからいきなりできるようになったわけではなく、日出時代に築き上げたベースがあるからこそ、保護者の皆さんにそう感じていただけるのだと思います」(天野先生)

生徒たちが学校生活を楽しんでいる背景には、教員同士の良好な関係もあるようだ。

「生徒から、『先生たちはいつも楽しそうですね』と言われることも多いです。教職希望の生徒から『教育実習に来て、目黒日大で働きたいです』と言われることもあり、嬉しく思っています。教員が楽しんでいれば、自然と授業も楽しくなるでしょう。本校には学食や広いグラウンドはないですが、限られた施設の中で、みんなでなんとかして楽しめるように、生徒たちも工夫しています」(天野先生)

昨年度は、中高一貫の生徒全員で「縦割りクイズラリー」を実施した。中高縦割りでチームを作って、校内や目黒区内の各所に設置されたクイズを解いていくというイベントだ。提案したのは1期生だったと、天野先生は振り返る。

「生徒たちが企画運営して、目黒地域を散策しながら、決めたスポットで教員がクイズを出して正解するとポイントがもらえるというゲームをして楽しみました。上級生が下級生の面倒を見るなど、縦の交流も深められたと思います。そして今年度は本校初の試みとして、中1から高1が参加した中高一貫行事をよみうりランドで実施しました。さすがに6学年だと多すぎるので、今年は高1がリーダーです。8〜9人のグループでよみうりランド内を散策し、昼食にはバーベキューで親睦を深めました。こういった縦割り行事などにより、本校独自のストーリーを確立させていきたいです」(天野先生)

林間学校

学校説明会を運営する生徒たちの「愛校心」

同校の学校説明会は、毎回、立候補した生徒たちが運営している。

「今年度は5月に第1回の学校説明会がありましたが、そのときは90人の生徒が手伝いたいと立候補しました。定期試験1週間前でも、手伝いたいと言ってくれたんです。なぜ手伝いたいか質問すると多くの生徒が、『去年、先輩たちが手伝っているのを見て、入学したら絶対自分もやろうと思っていました』と答えます。自分の勉強時間を削ってまで、受験生に自分の学校を紹介して、学校に貢献しようとする生徒が90人もいるというありがたい状況は、この1、2年で作り上げられたことではありません。日出時代から受け継いだものもあると思いますが、流れを作ってくれたのは1期生です。2期生はコロナの影響で対面の開催は出来ませんでしたが、ビデオレターを作るなど、できる範囲で行動してくれて、それが3期生につながりました。そこから4期生、5期生、そして6期生へと、先輩たちの背中を見て繋がってきたのだと思います」(天野先生)

学校説明会では、YouTubeによるライブ配信を2020年から続けている。現在は、その映像切り替えや音の調整、スタート出しなどを全て生徒が行っているという。

「教員は指導役として裏で見ていますが、もう教員はいらないくらいです。今年度から、個別相談でも生徒が直接、保護者や受験生から質問を受けるブースを作りました。金銭的なことなどは教員が対応しますが、制服のことや学校生活のことなど、受験生がフレンドリーに話しかけられると好評です」(天野先生)

体育館で行われる学校説明会

学校説明会の様子をライブ配信する生徒たち

保護者がパーソナリティーを務めるラジオ番組

目黒日大としてスタートして6年目を迎え、学校説明会をはじめとする様々な活動を通して、生徒や保護者から同校への愛を感じる学校になってきたと、天野先生は語る。

「生徒一人ひとりが、次の受験生のために何ができるのかと考えて協力してくれるような学校になってきました。生徒だけでなく、保護者の皆さんにも助けられています。私たち教員ももちろん、7期生を迎え入れるための準備もしていきますが、忘れてはいけないのは今の在校生を一番大切にすることです。その結果として、在校生の弟や妹も本校に入学させたいという問い合わせが多いことにもつながっているのだと思います」(天野先生)

今年度の新たな試みの1つとして、「すずかけの会(PTA)」のメンバーがパーソナリティーを務めるラジオ番組「目黒日大RADIO」をスタートさせ、ポッドキャストによる配信を行っている。

「受験生やその保護者は、実際に入学してみてどうかということが気になると思います。それに対して、在校生の保護者が答える形で『生の声』を届けたいという思いもあり、ラジオ番組を始めました。動画と違ってラジオなら運転中や調理中にも聞けますし、動画を見ることに疲れている人も多いと思い、ラジオがよいのではないかと考えたのです。第1回のゲストは私だったのですが、第2回は中1と中2の保護者をゲストに迎えて、受験体験を語っていただきます。どこの家庭でも、受験に関する悩みや不安などはあるものです。今の時期はどう過ごしていたか、夏休みの過ごし方や過去問はいつぐらいから始めたかなど、経験者の話はたいへん参考になるでしょう。第3回のゲストは、小野校長です。保護者から、普段は聞けないような質問をしてもらおうと思っています。第4回は、1期生の担任にこの6年間を振り返ってもらいます。ラストの第5回は、年内入試で進路が決まった生徒に出てもらう予定です。SpotifyやApple Podcastで気軽に聞くことができるので、学校選びの参考にぜひ聞いていただきたいです」(天野先生)

<取材を終えて>
「目黒日大RADIO」を聞いてみたが、保護者が楽しんで取り組んでいることが伝わってきた。保護者の話から、生徒たちも楽しく学校生活を送っていることがわかる。受験生のときに他校の学校説明会に参加した際の比較なども、保護者にとっては参考になるだろう。入学後のイメージをより具体的にするためにも役立つ内容なので、同校に関心を持った保護者の皆さんにはぜひ聞いてみていただきたい。

▶︎ポッドキャスト(Podcast)で「目黒日大RADIO」を視聴する

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