私立中学

共学校

とうきょうりっしょう

東京立正中学校

この学校をブックマークする

この学校の資料請求をする

デジタルパンフレット

スクール特集(東京立正中学校の特色のある教育 #3)

マイクロドローンレース同好会、始動!

学校の部活動(同好会)として先陣を切り、マイクロドローンレースチーム「ファルコンズ」が始動。設立の経緯や今後の目標について話を聞いた。

東京立正中学校・高等学校が「マイクロドローンレース同好会」を立ち上げ、7月から活動を開始した。設立の経緯や今後の目標について、校長の梅沢辰也先生と顧問の横澤武先生、そして高校生4人に話を聞いた。

目標は世界に挑戦

マイクロドローンとは、手のひらサイズの小型ドローン。機体に小さなカメラを搭載し、無線電波で飛ばした画像をゴーグルで見ながら飛行操作を行う。マイクロドローンレースは国際大会も多く開催されており、海外ではプロリーグも存在するほどの人気。日本でも一般のレースは存在するが、学校の部活動として本格的に活動しているチームはまだないという。

「昨年の10月頃に、ドローンレーサーとして活動している方とのご縁があり、いろいろな話を聞く機会がありました。海外では、日本より多くの若い人たちが国際大会などで活躍しています。個人の活動だけでなく学校の部活動としてチームができたら、日本のレベルを上げることができるし、若い世代も活躍できる場が広がるよね、という方向に話が進んでいきました。本格的にレースに参加している部活動はまだないそうなので、本校がマイクロドローンレース同好会を設立して、先陣を切ることになったのです」(梅沢校長先生)

技術的な面は、週一回レーサーとして活動している専門のコーチが指導に来てくれることになった。そこから、新しい部活動を設立するために動き出し、顧問になってくれる教員を探し、関心がありそうな生徒に声をかけ、人数が集まってきたら顧問会議にかけるなどしてようやく設立できたという。

「部活動を立ち上げるのは簡単ではありませんが、どこかの学校が始めないと何も始まらないので、本校が先陣を切りました。幸い生徒たちの反応もよく、やってみたいという生徒が何人かいたので、通常登校が再開した7月から活動をスタートさせることができたのです。もちろん、本校だけでは大会を開くこともできないので、他校にもアプローチしていきます。来年あたりには、中高生の大会を開催できたら嬉しいです。将来は海外への挑戦を目標としますが、まずは国内の大会に向けて、部員全員がアマチュア無線4級を取得することを目指します。ドローンから無線電波で飛ばした画像をゴーグルで見ながら飛行操作を行うので、アマチュア無線の資格が必要なのです。外部の資格がないと大会に参加できないという部活はほかにないので、それも面白いと思います」(梅沢校長先生)

新しいタイプの部活動への期待

ラジコンヘリコプターを飛ばすことが趣味だという横澤先生は、今年3月にマイクロドローンレース同好会の話を聞き、顧問になることを即決。その後、すぐにアマチュア無線4級の資格を取得したという。

「ラジコンヘリを飛ばすようになったのは、高校生ぐらいです。大学生になっても楽しんでいました。就職してからはなかなか時間がとれませんでしたが、市場や人気の傾向などについてはずっと関心は持ち続けています。ドローンレースについては、これから日本でも活発化してくると思っていたので、迷うことなく顧問になりました。調べてみたら、3月下旬にアマチュア無線4級の試験があり、校長にも内緒ですぐに取りました(笑)。試験は、勉強すれば中学生でも取れる内容だと思います」(横澤先生)

新型コロナウイルスの影響で7月からのスタートとなり、生徒たちがドローンを動かしたのはこの日で2回目。1回目はドローンを浮かせることもできなかったそうだが、2回目にはかなり慣れた様子で楽しそうにドローンを飛ばしていた。

「コーチのもとで技術指導を行い、アマチュア無線の資格取得に必要な座学は私が担当します。年内には資格を取得して、みんなが飛ばせるようになることが目標です。ドローンを組み立てている基盤や、モーターの回転数によってどの程度スピードが出るかなど、理系の頭も育てていけることも面白さの1つだと思います。とはいえ、まずは飛ばして『楽しい!』と思ってくれることが一番ですね。本校は、根性で戦うタイプの部が多いので(笑)、運動部と文化部の中間のような新しいタイプの部活動が誕生したことで、新たな可能性が広がることに期待しています」(横澤先生)

高校生4人にインタビュー

Kくん(高2) 部長 
Nくん(高2) 副部長

▶︎写真左から:Nくん、Kくん

――この同好会に入りたいと思った理由は?

Kくん 同好会を立ち上げるという話を聞いて、マイクロドローンレースについてインターネットで調べてみました。まだ歴史が浅く、活躍している人でもそれほど長くやっているわけではないようです。誰でもうまくなれそうだし、面白そうなので「立ち上げたいです!」と言いました。僕は高1までテニス部に入っていたのですが、膝のケガで運動部では活動できなくなってしまいました。マイクロドローンは、自分が走ったりすることはなく競い合えるのもいいなと思います。

Nくん 既存の運動部だと、どこの学校が強いか、すでにある程度決まっています。マイクロドローンレースはまだ部活動としての大会はないので、新たなジャンルを作れると思い、自分たちで開拓したいと思いました。

――実際に動かしてみた感想は?

Kくん 最初は難しいと感じましたが、2回目ですでにうまくできる人もいて、運動能力はあまり関係ないところが面白いと思います。まだ自由自在には動かせませんが、ちょっとずつ自分の思う方向に飛ばせるようになっていくのが楽しいです。

Nくん まだドローンに触れたことがない人が多い中、入部すれば誰でも気軽に飛ばすことができるのがいいと思います。やはり最初は難しかったですが、少しずつ飛ばせるようになっていくのが嬉しいです。教室でも練習できるので天候も関係なく、一人でも練習できます。運動部だとキツイ練習もありますが、これは体力を使わないので練習も楽しいです。

――今後の目標は?

Kくん 僕たちはこの1年しかありませんが、高1は2年間活動できます。「ドローン部といえば東京立正」と言われるように後輩たちを引っ張っていき、誇れる部になれるようにしていきたいです。

Nくん 僕たちも1年間は練習できますが、高1の方が長く活躍できます。僕たちもまだ経験はありませんが、大会について研究してアドバイスするなどして後輩を育てて、今後の活躍につなげられるようにしていきたいです。

Mさん(高1)
Rさん(高1)

▶︎写真左から:Rさん、Mさん

――この同好会に入りたいと思った理由は?

Rさん 好奇心です(笑)。ドローンを飛ばしてみたいなと思ったので入りました。

Mさん 小学生のときにドローンを体験する機会があり、1度だけやったことがあります。そのときは全然うまく飛ばせなかったのですが、とても楽しかったのでもっとやってみたいと思いました。

――実際に動かしてみた感想は?

Rさん 思っていたより難しくて、簡単には飛ばせません。まだ2回目ですが、少しでも浮かせることができたときが嬉しいです。

Mさん まだうまくできませんが、ほんのちょっとでも飛ばせることができたら嬉しいので、もっともっと練習してできるようになりたいです。

――今後の目標は?

Rさん 大会に出て結果も残していけば、部員ももっと増えていくと思うので、うまくなれるようにみんなで楽しく練習していけたらいいなと思います。

Mさん まだ女子が2人しかいないので、もっと増えてほしいです。女子がたくさん入ってくれたら、みんなでワイワイできる楽しさも加わると思います。これから入学してくる女子も入ってきてくれたら嬉しいです!

競技だけではないドローンの魅力

マイクロドローンにはプロペラガードがついているので、人にぶつかっても怪我をしないようになっており、室内でも練習できる。競技を楽しむだけでなく、様々な可能性がある点も新しい部活動として大きな魅力になると梅沢校長先生は語る。

「電子機器を用いて競技を行うeスポーツと似ている部分もありますが、ドローンは撮影もできることにより、学校の中でも様々な可能性が考えられます。例えば、ダンス部がプロモーションビデオを撮影したいといったら、ドローンで撮影してあげることができるでしょう。廊下を使うなどして、いろいろなシチュエーションが考えられます。体育祭のリレーなども、迫力のあるすごい映像が撮れると思います。競技とは別に、そういった楽しみ方ができることもマイクロドローンの魅力です」(梅沢校長先生)

そして、極めればプロになれる可能性があるというのも、大きな魅力がだという。

「プロリーグがあり、中学から始めてもプロになれる可能性が十分あります。今の時代、サッカーだと、中学校の部活動からではプロになるのは難しいでしょう。しかし、マイクロドローンならその可能性はおおいにあるのです。部活動を立ち上げようという話になったときから、生徒たちがプロリーグで活躍している姿を何度も想像しています(笑)。資格の勉強なども必要ですが、まずはドローンを飛ばす楽しさを知ってもらいたいですね。部活動としての基盤をつくるために高校生からスタートしましたが、来年度からは中学生も募集します。小学生向けの体験会を開催するので、興味があればぜひドローンに触れてみてください」(梅沢校長先生)

小学生対象の「ドローン体験会&説明会」開催決定!
8月22日(土)9:00~ 東京立正中学校にて

<取材を終えて>
マイクロドローンレースの競技人口は、世界と比べると日本ではまだ少ないが、一度触れるとその魅力にはまっていく人も多い。例えば、30代でマイクロドローンに出会い、2年ほどで日本代表チームのメンバーに選出され、現在は育児をしながら活動を続けている女性もいる。校長先生が話していたように、中学生から始めても世界を舞台に活躍できる可能性が十分にあるのだ。「飛ばすのは難しいけど、もっともっと練習して飛ばせるようになりたい!」と目を輝かせていた高校生たちを見ていたら、やはり「楽しい」と思えることが上達への原動力なのだと実感した。マイクロドローンに少しでも興味があれば、同校の体験会は絶好のチャンスである。ぜひ参加していただきたい。

  • この学校をもっと詳しく知る
  • スクール特集トップに戻る

この学校の