学校詳細
建学の精神、教育理念
「個性の尊重」「品性の陶冶(とうや)」「勤労の実践」
明治末期の画一的な教育や教育機会の不均等に疑問を持っていた創立者・中村春二は、「知育偏重ではなく、人格、学問、心身にバランスの取れた人間教育を実践したい」と1912年に同校の前身である成蹊実務学校を創立。「成蹊」という学園名は、「桃李不言下自成蹊」ということわざに由来。桃や李(すもも)は何も言わないけれど、美しい花を咲かせ、おいしい果実を実らせる。すると、それにひかれて人が集まり、樹木の下には自然と蹊(こみち)ができる。桃や李は人格者のたとえであり、徳を慕って人々が集まってくるような人になってほしいという創立者の願いが校名にこめられている。
教育の特色
本物に触れる教育
特定の目的に絞った学習をするのではなく、幅広い教養を身につけるリベラルアーツを実践。中学校では特に、「本物に触れる」教育に力を入れている。例えば理科は、中学生のうちから物理・化学・地学・生物の4つに分かれており、専門の教員が理科館(校内にある理科教育のための施設)を活用した実験実習を多く取り入れた授業を行っている。体育の授業は、日本陸上競技連盟の基準に準拠した8...
施設設備
緑豊かなキャンパスに充実した設備
約27万平方メートルの広大な敷地に、小学校から大学が集結。学園本館前と外周路をあわせて100本以上あるケヤキ並木は、1924年に学校が池袋から移転した際に創立者が生徒と一緒に移植したもの。ケヤキ並木は学園のシンボルであり、武蔵野市の天然記念物に指定されているほか、東京都「新東京百選」、環境省「残したい“日本の音風景100選”」にも選ばれている。緑豊かなキャンパスでは樹木の観察などのフィールドワークも実施でき、家庭科の授業では、竹林で筍堀りをして筍ご飯を作ることもある。理科館屋上の天体ドームを活用し、野外観察会を開いて天文気象部が解説したり、外部から講師を招いて講義を受けたり、月食などがあればオンラインで中継するなどしている。図書室の蔵書数は16万冊、登録すれば成蹊大学の情報図書館も利用可能。
学校行事
創立当初から続く伝統行事「夏の学校」
体育祭や文化祭は、生徒主体で実施。長野県で自然体験をする宿泊行事「夏の学校」(中1・中2)は、ヘルパーとして高校生が参加する中高一貫校の特色を活かしたプログラム。高校生が中学生にクイズを出したり、自然観察のやり方を教えるなど、縦のつながりを感じられる体験のほか、近年は長野県環境保全研究所を訪れて研究員から研究内容や研究者になった経緯を聞くなど、中2はキャリア教育...
部活動
恵まれた環境で活動
勉強と部活動の両方を頑張れる環境を整え、中学生は週に4日まで、高校生は週に5日まで、試験1週間前は活動停止という決まりの中でそれぞれ活動している。運動部は出場する大会が違うので、基本的に中高別々に活動。文化部は一緒に活動している部もあり、硬式テニス部や剣道部など、活動は別々にしているが合宿だけ一緒に行くという部活動もある。硬式テニス部は、インターハイ出場経験のある強豪。スキー部以外はキャンパス内に活動場所が全て揃っており、ラグビー部や野球部など、各部が恵まれた環境で練習できる。文化部で珍しいのは、中1から高3まで約50名からなるストリングス部(弦楽器のアンサンブル)。入部してから楽器を始める生徒も多く、楽器の貸し出しもしている。生物部(高校)も人気があり、例年50~60人の部員が集まる。勉強・部活動・行事を頑張ることを「三兎を追って三兎を得る」と例え、中学生は約9割、高校生は約8割の生徒が部活動に参加。
生徒会の活動としては、2011年から東北復興支援活動を続けている。被災地へ足を運び、被災者から貴重な話を聞いた経験を経て、文化祭で被災地の特産品を販売するなどの支援を継続している。
進路指導
国内外の幅広い分野に進学
中学校では、大学生や社会人になった卒業生から話を聞く機会を設け、自分の進路について考えるところからスタートする。探究学習の中でも、中3は自分と社会課題を結びつけて考え、10年後の社会で自分がどう貢献できるかという課題に個々で取り組んでいる。社会人の代表として保護者に話を聞いたり、起業した人の経験談を聞くなど、様々な道があることを知るために大人と接する機会を増やす...
その他
歴史ある国際理解教育
早い時期から世界に目を向けた教育を実施しており、長期留学(1年間)やターム留学(1学期間)、短期留学(2〜5週間程度)など、留学制度も充実。テン・スクールズの1校として全米に名を馳せているアメリカのセントポールズ校とは、1949年に交換留学制度を開始。留学を機に名門大学に進学し、世界的に活躍している卒業性も多い。オーストラリア・カウラ市の高校とは1970年から交...
制服
女子は伝統的なセーラー服
中学校、高校ともに男子は詰襟、女子はセーラー服。女子のスカーフは、中学校はえんじ色、高校は黒色で、中・高ともにセーラー服の襟には桃の刺繍がある。夏期の男子は、白ワイシャツに制服のズボン着用。中学校には指定のセーターもある。女子はスラックスも選択可。