スクール特集(昭和女子大学附属昭和中学校の特色のある教育 #16)
生徒が語る“昭和女子の今”2023(高校3年生編)
生徒の生の声を通して、学校の様子をご紹介。今回は高校3年生が、これまでの学校生活を振り返り、頑張ってきたことや大変だったこと、成長したと思うことなどを語ってくれた。
▶︎写真左より:Yさん、Tさん、Sさん
お話を聞いた高校3年生(6年生)
Yさん
Tさん
Sさん
学校生活で印象に残っていること、頑張ったこと
-5年間の学校生活の中で、最も印象に残っていることは何ですか?
Yさん 高2の国内研修旅行です。行先は選択制で、私は北陸コースを選びました。東京では感じられない自然や、永平寺の神聖な空気に触れたことなどが印象に残っています。私たちの学年はコロナの影響で、いろいろなイベントが中止になり、中2のボストン研修も行くことができませんでした。久しぶりの宿泊行事だったので、とても楽しく、いい思い出になりました。
Tさん この学校は、昭和祭(文化祭)や体育祭などの行事を生徒主体で開催し、私も何度か運営に関わりました。特に高2はリーダー学年なので、責任があり思い入れも強かったです。その年の昭和祭は、実行委員として受付を担当、体育祭はクラブが放送部なので実況やプログラム紹介をしました。台本も1から作り直し、下級生をまとめながら、計画的に進めていくのは大変でしたが、やり遂げた時は達成感でいっぱいでした。
Sさん Yさんと同じで、国内研修旅行が印象に残っています。私は沖縄コースを選び、沖縄戦、SDGs、海洋問題というように、毎日違うテーマで学習をしました。また、民泊体験をしたり、自由行動で美ら海水族館などに行ったりしました。待ち望んでいた宿泊行事が再開し、みんなが楽しもうという気持ちにあふれていた4日間でした。
―打ち込んできたこと、頑張ってきたことはありますか?
Yさん 中3から演劇部に所属し、裏方の仕事を頑張りました。最初の年は先輩がいない中で、いろいろなことに挑戦しては失敗し、そこから学ぶことも多かったです。裏方ではあったけれど、部員たちに感謝されたり、昭和祭で劇を観た他の部員の保護者から、褒められた時は嬉しかったです。
Tさん 勉強面では、自分の学習スタイルを確立するために、努力をしてきました。先生にアドバイスをもらったり、自分なりに工夫をしながら確立し、学習習慣も定着しました。そのおかげで今は、安定した成績がとれるようになりました。
Sさん 高2のリーダー学年の年に、体育祭で審判係を務めました。審判は勝敗に大きく関わるので、責任というプレッシャーがあり、また後輩も指導しなくてはならないので、自分自身もルールをきちんと理解する必要があります。放課後などを利用して、何度も練習をするうちに、学年を越えて団結していく中で、1つのことを成し遂げる楽しさを経験することができました。
学校生活で苦労したこと、成長したこと
―苦労したこと、辛かった思い出はありますか?
Yさん コロナ禍で自宅待機となり、長い間オンライン授業が続きました。最初は、「学校に行かなくていいんだ」と喜んでいましたが、友だちに会えないのが辛かったし、オンライン授業は、先生に質問をしたくてもメールなどの手段では、伝えたいことも伝えきれず、途中からは早く学校へ行きたかったです。また、生活のリズムも崩れてしまったので、登校が再開して、元に戻すのに苦労しました。
Tさん 私は何かと何かを両立するというのに、悩む時期がありました。たとえば勉強と部活だったり、高2の時は委員会も、体育祭や昭和祭の係もやって、バランスがとれなくなりました。それまで私は、自分でやって物事を完成させる完璧を目指すタイプでしたが、結局、1人で抱え込んでいっぱいいっぱいになり、先生に相談をしたら「人に頼ったり、任せることも大切だ」と言われました。最初は難しかったけれどだんだんできるようになり、悩みも解消しました。
Sさん 最近、大学の受験勉強を本格的にやるようになりました。その勉強と日々の予習・復習、年に4回ある定期考査の勉強、この3つを同時にやることが大変です。今は、休み時間に英単語を暗記するなど時間を有効に使うことと、復習してわからないところは、すぐに先生に聞くことを意識してやっています。
辛かったのは、コロナ禍で、部活の水泳の練習が1年半以上できなかったことです。その間、辞めてしまう子もいたけれど、6年間続ければ達成感もあるだろうと、友だちと支え合いながら今も部活を頑張っています。
―自分の中で成長したと思うことはありますか?
Yさん 自己表現力が付いたと思います。もともと人前で話すのが得意ではなかったけれど、感話(体験したこと、考えたこと、感じたことを3分にまとめてスピーチ)や授業でのプレゼン、総合探求の発表などを通して、苦手を克服しました。また、発表後は、いろいろな人の意見や評価を聞く機会があり、そこで自分を客観視することができました。私は、プレゼンの資料が見やすいと言われ「情報の整理が得意なタイプかも……」と自分の強みを知ることができました。
Tさん 高校1,2年の総合探究の時間に「ジェンダー」についてグループで研究しました。調べているうちに、自分が当たり前に思っていたことが他の人にはそうでないこと、無意識に偏見をしてしまっていたことなどに気づきました。もっと自分事として捉え、他者を尊重する気持ちを大切にしたいと思うようになりました。また、その研究発表を全校生徒の前でする機会があり、人によってはとっつきにくい「ジェンダー」の問題をいかにわかりやすく伝えるか、みんなで考えました。プレゼンテーションの力も磨かれたと思います。
Sさん 同じく総合探究の時間で、私たちのグループはフードロス問題に着目し、「フードドライブ*」をテーマに調べ、活動しました。具体的には、フードドライブを広く知ってもらうために、ポスターを作って世田谷区役所などに貼ったり、食品回収のボランティアに参加したりしました。地域の課題解決に少しでも貢献でき、行動力が付いたことなどが成長した部分かなと思います。
*フードドライブ…家庭で余っている食品を集めて、地域の福祉施設や団体、フードバンクの団体などに寄付する活動
▶︎左:中学3年生時(3年前)、右:高校3年生時(現在)の写真
これから挑戦したいこと、卒業後の進路
-これから挑戦したいことはありますか?
Yさん 遠い将来になりますが、いつか起業をしたいと思っています。どういう会社を作るかは明確ではありませんが、日本のポップカルチャーを世界に広めたり、架け橋になるような会社を作りたいです。日本のアニメや漫画は海外でも有名ですが、ポップカルチャーも知られるようになって、観光など経済を回すことにつながればよいと考えています。
Tさん まずは大学受験に、真剣にチャレンジしたいです。大学で人生が決まるわけではないけれど、受験に向けて努力したことは、必ず何かの成果になると思うので、この1年間は勝負だと思っています。挑戦する気持ちを大事に、“ここでいい”ではなくて、“ここがいい”という大学に進学したいです。
Sさん 高校の時にできなかったこと、たとえば留学をしたり、ボランティア活動も少しだけだったので、もっと地域の方と協働して取り組みたいです。いろいろな国に行くのが夢なので、英検やTOEICの勉強も大学時代に頑張りたいです。
-目指している進路を教えてください。
Yさん 大学の経営学部か商学部に進学して、マーケティングを学びたいです。語学も世界につながるために必要なので、英語以外に中国語やスペイン語も勉強しようと思っています。
Tさん 国際系の大学に進学したいと考えています。大学に入学したら、留学をしたり、国も地域のことまで勉強して、世界を広く深く学びたいです。将来的には商社や外資系の会社で、世界の人々とつながる仕事がしたいです。
Sさん 私の目標は看護師になることです。祖母が看護師で、幼い頃からその姿に憧れていました。病気やケガで苦しんでいる患者さんを支えられる、笑顔にできる看護師になりたいです。この学校はプレゼンをする機会が多くあります。私は、緊張してしまうのですが、場数を踏むことで緊張にも慣れてきました。学校で身につけたコミュニケーション力を活かして、患者さんとも積極的にコミュニケーションをとり、安心感を与えられる看護師を目指したいです。
―最後に、受験生へ学校の魅力など、メッセージを送ってください。
Yさん 中高一貫校なので、6年間、自分のやりたいことができ、また、やりたいことが見つかる学校です。また昭和には、体育祭で高2が披露する「棍棒体操」というものがあります。簡単そうだと思っていましたが、実際にやってみると難しく、朝や放課後も練習を繰り返しました。そうするうちに、学年の絆も深まっていって……。受け継がれる伝統があるというのも、素敵なことだと思います。
Tさん 自分の興味あることや、いろいろな経験ができる環境が整っています。コースも本科、スーパーサイエンス、グローバル留学があり、幅広い学びの中から自分のやりたいことを見つけることもできるし、1つのことに集中して取り組むこともできます。幅広い学びも、追及した勉強もできる学校です。
Sさん 宿泊行事や海外研修をはじめたくさんの行事があり、昭和祭などは大学と一緒に開催するので、大学のことも知ることができます。また、体育祭や昭和祭、総合探究の学習など、生徒が主体的に活動する機会が多く、そうした体験を積み重ねて成長できる学校です。
<取材を終えて>
今の高3は、新型コロナの影響で、最も行事の中止が多く、部活など、やりたいことも満足にできなかった学年だという。その間、友だちや仲間と支え合い、行事や部活などが再開した時は、全力で取り組んだのだろう。困難を乗り越えたたくましさを、彼女たちに感じた。
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