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スクール特集(郁文館中学校の特色のある教育 #4)

2018年4月「高校生社長講座~起業塾~」がいよいよ開講!起業家セミナーを実施

渡邉美樹理事長の肝いりで新たに設けられた「高校生社長講座(通称・起業塾)」が本格的に始動。4月9日に「郁文館 夢達人ライブ」と銘打った記念セミナーが実施されました。

いよいよ始まる「起業塾」。3年間の授業スケジュールの説明とともに、人財育成と経営コンサルティングに実績のある日本創造教育研究所代表の田舞徳太郎氏による記念セミナーが行われました。

▶日本創造教育研究所 代表 田舞徳太郎氏

日本初!卒業単位に認定される高校生向け起業家教育がスタート

「起業塾」は、立候補制。1学年40人が対象です。単位に認定される授業カリキュラムとして、高校の3年間実施。実際の会社設立・運営を3年次のゴールに設定し、実際の投資ファンドとも連携します。この講座の学校としての最終的な目標は、アントレプレナーを育てて日本の起業環境を整備し、世界レベルに追いつき上回る後押しをすることです。

―起業家養成 3本の柱とは

実施内容の柱は、以下の3つ。

(1) 起業家精神の養成 -社長になるという「欲」・向上心の維持、問題解決への精神力-

(株)日本創造教育研究所と提携し、様々な業種で活躍される中小企業の起業家・経営者に講演を依頼。理念・起業までの過程を学習します。

(2) 洗練されたOff-JT -経営知識や理論の習得、ビジネスモデル選定-

実際の起業に向け、様々な経営知識を理解し、ビジネスモデルを選定するため、生徒自ら主体的に取り組むような形態をとり、展開します。
1. 渡邊美樹理事長特別講義「経営道」
→起業塾において、仮入塾期間に経営理念学習・経営知識の学習を導入として展開。

2. 各業界を代表する社長達の講話を通した業界研究(ケーススタディ学習)
→日本創造教育研究所との提携から、日本で活躍されている様々な起業家社長の講話を聞き、学びます(1年間に7業種)。

(3) 豊富なOJT ―実践力の養成―

多くのOJT機会を設けています。
・起業体験(高校1年生全員が参加。ただし、社長を経験できるのは起業塾に入塾した生徒のみ)
毎年10月に行われる本校文化祭において、株式会社の仕組みを学ぶ教育の一環として実施。生徒たちは株式会社に関する講義を聴講後、生徒のみで株式会社(模擬)を設立し、資金調達から販売活動、配当金計算等を行います。
・アントレプレナーシッププログラム
生徒が考えたビジネスプランを「模擬体験(学内出店)」だけではなく「実体験(学外出店)」を通じ、よりリアルに社会を体験します。

―3年間のスケジュール概案

3年生で、実際に株式会社を設立し、運営することを目標に設定しています。

夢達人ライブ 日本創造教育研究所 田舞代表による記念セミナー

24歳で起業、現在は日本創業教育研究所の代表をはじめ、各社の代表取締役を兼務する田舞徳太郎氏による起業家セミナーが実施されました。多くの赤字起業の再建を手掛け、空理空論ではない「リーダーシップの重要性」と「マネジメント能力の必要性」で経営者を育てています。

―すでに全員が自分の人生の「経営者」です

今日は会社を経営するすばらしさについて、みなさんにお話ししに来ました。「経営者」というと、今の自分から遠いことのように思うかも知れませんが、あなたたち全員がすでに「自分の人生の経営者」ということを忘れないでください。

生まれてきて自分の命をどう使うか、自分の人生をどう生きるか、それを考えて実行すること自体に「経営者」の視点が必要なのです。人生が赤字になるか黒字になるか、幸せに生きるか不幸せに生きるか、すべては自分の選択から生まれます。

子どもにお饅頭を1個渡して、「買い物から帰ってくるまで待てたら、もう1個あげる」と渡した場合、待てなかった子と待てた子では大きく人生が違うということを調べた研究結果があるそうです。

待てた子どもは「がまん強い」という特性があり、素晴らしい経営者になる可能性を秘めていると言うことが出来るでしょう。「がまんをする」というのは、困難があったときに乗り越える力にもなるのです。黒字の会社の社長はみんな必死に勉強を続けています。

経営の神様と言われた松下幸之助さんは、経営者に必要なのは「まじめ、誠実、思いやり、努力、勤勉、熱意」だと言いましたが、中でも熱意を重視したそうです。たくさん学んで、自分の能力を磨く熱意こそが、幸せを引き寄せる力になるからです。

―幸せを手に入れるには「You pay the price」

温暖な国シンガポールから初めて冬季オリンピックにスピードスケート競技に参加したシャイアン・ゴー選手。彼女は、国が作ったスケートリンクの会場に誰よりも早く来て練習していたそうです。

他の競技もありますから、リンクを使える時間は限られています。そのマイナスをどうカバーするか。ゴー選手は、誰よりも早くリンクに来ることでカバーしたのです。彼女は、子供たちから「練習で転びますか?」という素朴な質問を受けたときに「そうよ、転んだ分だけ上手になるの」と答えたそうです。

「You pay the price」という英語を知っていますか? 人間は、転んだ回数が多い分鍛えられ、味わいが生まれるのです。もちろん、スケートに限った話ではありません。それ相応の代償を払わないと幸せは手に入らないということです。

私は中学卒業を前に、父が経営する会社が倒産したため、大阪の寿司店に丁稚奉公しました。職人の世界は大変厳しいが、店長から「人間というのは、与えられた状況、環境の中で精一杯努力してこそ、次の道がひらける」と諭されました。

努力が実り、昭和45年大阪で『音羽鮨』を開店。外食ブームの影響もあり大繁盛。30店舗以上の飲食店を展開する過程で、企業の発展には人財の育成が不可欠という結論に至りました。

私は若い人に大いに期待しています。誰でもリーダーになれる能力が潜在的にあるはず。起業塾でこれから学ぶことを、将来、ぜひ実践してください。

▶渡邉理事長も加わって質疑応答が行われ、和やかな雰囲気の中「郁文館 夢達人ライブ」はエンディングを迎えました。

起業塾に入塾希望の高校1年生にインタビュー

今回、この起業塾に参加したいという希望を持つ2人の生徒にインタビューしました。

▶左:来栖 圭吾さん/右:西 真海さん 

―高校1年生 来栖 圭吾さん 

両親が医者であり社会福祉法人の経営者でもあるので、自然と自分も起業することがあたりまえだと思って育ってきました。世界に通用する、世の中のために役立つことをしていきたいと思っています。

将来は理工系の大学に進み、介護ロボットを開発したいと考えています。これからは高齢化が進み、介護にも人手だけではなくAIをはじめとする最新のテクノロジーが必要になってきます。そんな中、「人」と「機械」という異質なものの橋渡しとなるような仕事をしたいです。

そのためには、自分だけで考えを進めて頭でっかちになるのではなく、いろいろな人の意見に耳を傾けることが重要だと感じています。郁文館を選んだ理由として大きかったのもこの「起業塾」。より実践的な勉強ができると期待しています。

―高校1年生 西 真海さん

私の祖父は企業を経営するだけではなく、貧しい人に寄付をしたり、学校を設置したりする人でした。そんな姿を見てきて、自分も自立したい、人の役に立ちたいと思うようになりました。

これからは、AIが発達して、取って代わられる仕事が増えると聞いています。経済破綻も心配です。そんな時代にも柔軟に対応できる人材育成の仕事に興味を持っています。失業する人をなくし、社会に貢献できるような会社を作ることが目標です。

起業塾では、よりグローバルで実際に役に立つ知識を身に着けられると思っています。小学生の頃に世界にはたくさんの貧困者がいると知りました。AIの技術と人の能力がうまく活用でき、貧困のない世の中にしたいと思っています。

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