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デジタルパンフレット

スクール特集(郁文館中学校の特色のある教育 #11)

全員が異なる現地校に6週間留学!生徒が熱く語る「グローバルリーダー特進クラス」

グローバル社会で活躍するための"生き抜く力"を育む夢教育を行っている郁文館中学校。選べる4クラスの中から、「グローバルリーダー特進クラス」を取材した。

郁文館中学校では、「iP class【東大専科】」「グローバルリーダー(GL)特進クラス」「特進クラス」「進学クラス」の4つのクラスから学びのスタイルに合ったクラスを選択することができる。「グローバルリーダー(GL)特進クラス」の特色について、中3学年主任の古宇田哲史先生と中3の生徒2人に話を聞いた。

「グローバルリーダー(GL)特進クラス」の特色

郁文館夢学園のGL特進クラスは、日本の魅力を発信し、世界で活躍する人材の育成を目標として掲げている。

「これからの日本は、生産人口の減少などにより以前に比べて経済状況が厳しくなっている現状があります。だからといって、悲観的に考えているわけではありません。日本には、他国にはない魅力がたくさんあります。逆境にあっても日本という国に誇りを持ち、日本の魅力を発信して世界で活躍できるリーダーを育成するために、本校では『学力』『人間力』『グローバル力』を向上させる独自教育を行っています」(古宇田先生)

「GL特進クラス」には帰国生入試で受験した生徒もいるため、様々なバックグラウンドを持つ生徒同士が刺激し合える環境だという。

「中国、台湾、香港、ハワイ、フィリピン、バングラデシュなど、海外で生活した経験のある生徒も複数います。育ってきた環境が違うので、小学生の頃までの常識がそれぞれ違っていることも多いです。正しいと思っていることが違う場合は、価値観の衝突を中1で経験することになります。他者との考えの違いを知る機会が多いのも、このクラスの魅力の1つです。小学校までは自分の考えを中心に行動していた生徒も、他者の意見を尊重することの大切さを学びながら成長していきます。英語のレベルとしては、中学に入ってから本格的に英語を学びたいという生徒も広く受け入れています。入学時から英語が流暢に話せる生徒は10%~15%、小学校の習い事として英語を学んでいる生徒が25%ぐらい、ほとんど英語に触れてこなかった生徒が半数以上です。英語に慣れている生徒たちのなめらかなスピーキングを聞いていると、ほぼゼロから英語を学び始めた生徒も「自分もあのレベルになれる」と毎日刺激を受けることができます。一般的な中1は英検5級ぐらいを目指しますが、GL特進クラスでは中1で3級を目指そうとする生徒も多く、当たり前の概念が変わってくる環境で学んでいます」(古宇田先生)

中3学年主任 古宇田哲史先生

3学年の縦割りでディスカッションする「GLアッセンブリ」

「GL特進クラス」の特徴の1つは週に1回、中1から中3の全学年約120人で行う朝のホームルーム「GLアッセンブリ」だ。

「3年生がテーマを決めて内容を企画し、国内外の社会問題に焦点を当て、学年を問わず様々な意見を出し合う英語によるディスカッションを行っています。一般的には上級生や下級生と交流する機会は部活動がメインとなり、国際的な視野を広げるテーマについて縦割りで学ぶ機会がある学校は少ないでしょう。日本人は手を挙げて発言することにハードルの高さを感じることが多いですが、GLアッセンブリでは、意見交換の場ではもっとフランクに手を挙げるもので、もっと主体的に話すものだということを、ディスカッションを通して体験します」(古宇田先生)

アッセンブリが成立する背景には、推察力のあるリーダーシップを発揮できる生徒の存在が重要な役割を果たしていると古宇田先生は語る。

「GL特進クラスの生徒は、全員が異なる現地校に留学する1人1校6週間のニュージーランド留学が必須であることを知った上で入学しています。そのため、不安や恐怖心より知的好奇心が勝る生徒が多いのです。例えば委員長になりたいという生徒は、通常ならクラスに1人か2人だと思いますが、GL特進クラスだと10人ぐらい手が挙がります。積極的な仲間に刺激を受けながら中学3年間を過ごすため、3年生になるとクラス全員が自然にリーダーシップをとれるようになり、状況を推察しながら発言することができます。そうなると、先輩が後輩の面倒をみながら行う“生徒たち主体”のアッセンブリが成立できるのです」(古宇田先生)

▶郁文館中学校について(リンク:郁文館中学校|郁文館夢学園

厳しいルールの中で成長する6週間留学

「GL特進クラス」の特徴の2つ目は「ネイティブ教員」による授業で生きた英語を学ぶこと。そして3つ目は、「1人1校6週間のニュージーランド留学」である。

「本校では、ニュージーランド大使館とのつながりもあり、40校ぐらいの現地校を使って1人1校6週間の留学を実施しています。留学中には厳しいルールがあり、スマホやiPadは持って行くことができません。家族や友達と連絡を一切取らず、1人で一から人間関係を構築しなければなりません。ですから、多くの生徒が1週間ぐらいはホームシックになります。留学体験談を先輩達から聞いているため、留学に向けて英語力をつけておかないと大変だということを生徒たちもわかっています。ですから、留学前に英検準2級や2級を取るために頑張るなど、常に高い意識を持った中で、中3を迎えることができるのです」(古宇田先生)

6週間の留学を経験した生徒たちは、自己肯定感の著しい向上が見られるという。

「現地では日本人の友達に頼ることができないので、後で誰かに聞けばいいという考えは通用しません。1つ1つ自分で処理しなければならないので、物事を他人事ではなく自分ごととして考えて行動するようになります。帰国後も、例えば進路について考えるときなど、主体的に行動できるようになったと感じます。友達や家族のいない場所で、自分の力でやり切ったことは、自己肯定感の向上にもつながりますし、他者への感謝の気持ちや、相手を思いやる気持ちにもつながっていくのです」(古宇田先生)

2つの高校から選べる進路

同校は中高一貫校であるが、高校は「郁文館高等学校」と「郁文館グローバル高等学校」のどちらかを選ぶことができる。

「GL特進クラスから高校への進学については、7〜8割が郁文館グローバル高校、2〜3割が郁文館高校です。6週間の留学を経て、1年間の留学にチャレンジしてさらに語学力を伸ばしていきたいという場合は郁文館グローバル高校、英語力はもう最大限に上がっていて、やりたいことが明確な場合などは郁文館高校を選ぶ生徒もいます。生徒たちは中3で留学を経験した上で、1年間の留学が自分にとってどのようなメリットとデメリットがあるか考えて、どちらに進学するか決めています」(古宇田先生)

▶郁文館高校について(リンク:郁文館高等学校|郁文館夢学園
▶郁文館グローバル高校について(リンク:郁文館グローバル高等学校|郁文館夢学園

中3の生徒にインタビュー

北野心禄さん(グローバルリーダー特進クラス 中3)
大澤香奈さん(グローバルリーダー特進クラス 中3)

北野心禄さん(写真左)と大澤香奈さん(同右)

――郁文館中学校を受験しようと思った理由とGL特進クラスを選んだ理由を教えてください。

北野さん 学校説明会に来たら、先生方や生徒がみんな明るくて、こんな中学校に通いたいなと直感でビビっと来ました(笑)。入学前は英検級を持っていなかったのですが、人とコミュニケーションを取ることが好きだったので、英語でも会話をしてみたいという思いがだんだんと芽生えました。6週間の留学は厳しいですが、それだけ成長できそうだと思ってGL特進クラスを選びました。

大澤さん 家族で海外旅行へ行ったり、インターナショナルスクールの幼稚園に通っていたので、小さい頃から英語が好きでした。郁文館は、小4のときから留学したいと話していた私のために、母が見つけてくれました。理事長先生の考えやGL特進クラスは留学できること、SDGsを大事にしていることなどを知って、グローバル社会に貢献して輝きたいという目標が見えてきました。小学校ではリーダーシップを発揮してカリスマ性があると言われていたので(笑)、この学校なら私のよさを活かせると思って受験しました。

――「GLアッセンブリ」ではどのようなテーマでディスカッションをしますか?

大澤さん 中3のGLリーダーズ(16人)が中心となって進めていくGLアッセンブリでは、SDGsに関するニュースを取り上げ、私たちが今できることは何かについて、中学1~3年生のGL特進クラスの生徒全員でディスカッションしていきます。毎回テーマを変えて行っていて、テーマを決めるのはGLリーダーズです。例えば、2050年には多くの仕事をAIがするようになると言われています。そうなったとき、人間の仕事はどうなるか、映画に描かれているような世界が実現したらどうなるかをディスカッションしました。

北野さん どのテーマも正解というものはありませんが、議論することで問題解決の方法を考えたり、理解を深めることにつながります。アッセンブリでは、学年を越えた交流が盛んです。縦割りで6人ぐらいのグループに分かれて議論するので、先輩との信頼関係が生まれるなどのメリットも大きいです。

――中1はどのようにして英語のディスカッションに慣れていきますか?

北野さん 僕の場合は、入学前はほとんど英語に触れてこなかったので不安はありましたが、先輩が優しく教えてくれました。難しいところは日本語で説明してくれたり、「こう言えば伝わるよ」と具体的に教えてくれます。最初は戸惑いもありましたが、2学期ぐらいにはかなり慣れてきて、自然に発言もできるようになっていきました。中1から発言できるようになるのも、縦のつながりがあるからこそだと思います。

大澤さん 英語に慣れていない人もいることを考慮して、スライドには難しい単語に和訳がつけてあります。iPadで翻訳したり、グループ内にいる先輩がリードしてくれるので、心配はいりません。

――ネイティブの先生とはどのように接していますか?

北野さん 最初はまったく話せなかったのですが、言いたいことが通じたら「話せた!」という達成感がありました。英語はスポーツと似ていると思います。少しでも通じたら、次のステップを目指して自分からどんどんのめり込んでいきました。ステップアップの手助けをしてくれるのが、ネイティブの先生です。英語の授業だけでなく、副担任として教室に来たときや廊下ですれ違うときなど、この学校はネイティブの先生と話す機会が日常的にあるのがいいなと思います。

大澤さん 育った国や国籍は関係なく、生徒に寄り添う力は日本人の先生と同じだと思います。私たちのことをよく見てくれていて、ちょっとでも表情が違うと「どうしたの?」と聞いてくれます。英語で話すのが苦手だと気持ちがうまく伝わらないこともありますが、「伝わらなかったからもう話さない」とはならず、みんなどうしたら伝わるか調べて、次は伝わるように頑張ろうという気持ちになっていきます。その気持ちが成長につながっていると感じます。

――ニュージーランド留学中はどのように過ごしましたか?

北野さん 僕は1人で海外に行ったことがなかったのでとても緊張していましたが、一方でワクワク感もありました。親や友達と別れてステイ先に行くまでは緊張していたので、気持ちと向き合う余裕がなかったのですが、ホストファミリーの家で1人になった途端に寂しさで涙が出てきました。そして実感したのは、友達や親のありがたさです。3日目までは家族や友達に会いたくて辛かったですが、考え方を変えることにしました。「6週間しかない」と考えたら、自分から動かなければもったいないと思えたのです。現地校のクラスメートにもどんどん自分から話しかけて、ホストファミリーにも「○○に連れて行ってほしい」と自分からお願いしたりするようになったら、ホームシックから抜け出すことができました。気持ちを切り替えたらホームシックになっていた頃が懐かしいぐらい、すべてが楽しかったです。

大澤さん インターナショナルスクールに通っていた経験があったので、緊張はほとんどありませんでした。ホストファミリーはとても温かく迎えてくれて、私は一人っ子なので妹が2人いてとても嬉しかったです。ホームシックもなく、学校でもみんな歓迎してくれました。放課後は友達が遊びに誘ってくれて、週末はホストファミリーと外出して、毎日が本当に楽しかったです。ホストファザーは私が通う学校の先生だったので、車で送ってもらいながら学校の裏話なども聞いて、先生という立場の気持ちなども知ることができました。最終日はみんな「帰らないで!」「こっちに転校してきなよ」と言ってくれて、その日は号泣しました。専用車が迎えに来るまでクラスメートが全員いてくれて、みんなとハグして写真を撮ったことも、すべてが最高の経験だったと思えます。

オーストラリアの二人の「妹」と

――日本と違うなと感じたことはありますか?

大澤さん ニュージーランドの学生は、お店に行っても買い物はせずに、買いたい物リストを作って楽しんでいます。学生は、カフェに入っておしゃべりを楽しむ習慣もありません。物価が高いせいもあると思いますが、お金を使わずに街歩きをして楽しんでいました。また、日本と比べると、LGBTQへの理解が深いと感じます。同性が好きと言われたときに返す言葉やサポートなども、よい学びになりました。

――留学中に困ったことなどはありましたか?

北野さん ホストファミリーはとてもよくしてくれたのですが、当初は環境の変化もあり戸惑うことが多かったです。そんなときに、支えてくれたのは現地校の友達でした。国が違っても、友達を作れば助けてくれることがわかりました。日本に帰りたくないと思えるくらいよい友達に恵まれて、濃い時間を一緒に過ごしたので、別れるときはとても悲しかったです。

――現地校での授業はどうでしたか?

大澤さん 授業はわかりやすくて、ほぼ聞き取れたので楽しめました。私が通った学校はカトリック系だったので、宗教の授業があったのが珍しかったです。日本では数学と理科が苦手なのですが、ニュージーランドは進み方が日本より遅いので簡単に思える内容でした。現地校では電卓を使って計算するのですが、私が筆算していたら「すごい! どうやって計算したの?」とみんな聞いてきました。「電卓脳」といわれるようになったのが嬉しかったですが、帰国したら日本の数学や理科が辛いです(笑)。

――現地では言いたいことはどれくらい伝わりましたか?

北野さん ネイティブの先生と意思疎通できていたから現地でも大丈夫だと思っていましたが、いざ話してみると違っていました。アクセントが難しくて、1日目は友達から「Pardon?」と聞き返されることが多かったです。それでも、2週間ぐらい経ったらお互いの耳が慣れてきて、聞き返されることもなく意思疎通できるようになりました。

――帰国して成長したなと感じることはありますか?

大澤さん 自立心が身についたと思います。シスターたちのお世話をしたり、私の家と違って共働きの家庭だったので家事も手伝いました。自分がしてもらっていたことが当たり前ではないと気づいたので、親への感謝の気持ちが強くなりました。シスターは3歳と5歳だったので、15歳の姉ができて嬉しかったようです。夕食後のシャワー、本の読み聞かせ、歌を歌ってハグして寝るという彼女たちのルーティンの手伝いをシスターからお願いされたので、初日からマザーの代わりにやりました。本の読み聞かせは発音が悪くても興味津々で聞いてくれて、小さい子の心の広さや温かさ、純粋さを感じることができ、私も毎日楽しかったです。

北野さん 留学に行く前は心配性だったのですが、考えの最後に「なんとかなる」という言葉を付けるようにしたら、それ以上考えなくて済むようになりました。今は、ハプニングがあっても人生の一部だと思えます。悪い方向に考えなくなったので、積極的に行動できるようになり、積極的っていいなと思えるようになりました。ステイ先では家事も手伝ったりして、自立心も育まれたと思います。

――将来についてどう考えていますか?

大澤さん IELTS*は7.0以上を目指し、郁文館グローバル高校のオナーズ・クラスに進学したいです。今はまだ、グローバル社会に貢献したいという漠然とした夢ですが、グローバル高校で行う1人1校1年間留学の前にはもう少し明確にしたいと思っています。大学は、上智大学の総合グローバル学科が目標です。大学でも留学したいので、上智で学べることと海外で学べることの両方から成長できることが魅力的だと感じています。

*英語圏の国に留学、就労、移住を希望する人々の英語力を測定するグローバルな英語試験。IELTS7.0はTOEICに換算すると945~990点に相当。

北野さん 中2の後期に英検準2級を取得したので、今年中に2級を目指したいです。高校ではIELTSの7.0以上を目指します。検定試験を受けるのは大学受験のためというより、外国の人とたくさん話せるようになりたいので頑張っているという感じです。将来は、英語を話す職業に付きたいと思っています。英語を話すのは楽しいですし、英語は必ず役に立つのでやって損はありません。6週間留学を経験したからこそ、そう思えます。郁文館グローバル高校のリベラルアーツ・クラスに進学して、また留学したいと思っています。ニュージーランド留学で得た経験も踏まえ、チャレンジ精神を持って自分にしかできない経験がしたいです。

――受験生にメッセージをお願いします。

北野さん GL特進クラスに来れば、他校とは一線を画す経験ができると断言できます! 小学校へはあまり行きたくなかったので「早く週末になれ!」と思っていましたが、今は毎日が楽しくて時の流れが速く感じます。先生との距離が近すぎず遠すぎず、生徒と先生の間にある壁はほどよい薄さです。クラスのみんなが個性豊かで、いろんなタイプの人がいるからバランスが絶妙にいいと思います。 

大澤さん GL特進クラスでは、留学やアッセンブリなど他校ではできない素敵な経験ができます。失敗を恐れることなく何か1つでもチャレンジしたいという気持ちを持ったことがあるなら、ぜひ入ってほしいです! 

▶郁文館中学校 入試情報について(リンク:郁文館中学校 入試情報|郁文館夢学園

<取材を終えて>
今回話を聞いた2人の生徒たちからはどんどん言葉があふれてきて、学校生活のすべてを楽しんでいることが伝わった。ニュージーランド留学は、家族や友達と連絡もできない環境で6週間過ごすという厳しいルールがある。これほど厳しいルールがあるからこそ、成長も大きいのだろう。特に、英検級なしで入学した北野さんは、クラスメートに刺激を受けながら英語で会話をする楽しさを知り、留学を経てさらに大きく成長したと感じられた。

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