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東邦大学付属東邦中学校

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デジタルパンフレット

スクール特集(東邦大学付属東邦中学校の特色のある教育 #1)

部活を続けながら医学部・理系大学進学者を多数輩出する進路指導

高校3年まで運動部を続け、塾へ行く時間はあまりない生徒が、医学部に進学。独自の方針により成果をあげる東邦中学校・高等学校の教育スタイルとは?

伝統的に生徒の約7割が理系の大学を志望する東邦中学校・高等学校。

なかでも医歯薬系の志望者が多く、高い進学実績が学校の特色となっています。その教育は理系に偏るのではなく、全教科を学ぶリベアルアーツ型のカリキュラムによって、すべての生徒に幅広い教養を身につけさせます。進路指導においても、生徒一人ひとりの「こういう人生を歩みたい」という意志を尊重し、新たな「自分探しの旅」に向かわせることを目標に行います。

今回はカリキュラムや学習指導の特徴と、進路指導についてお話をうかがいました。

進路指導部長 小村 卓司先生のお話

高2まで共通カリキュラム

本校は東邦大学の付属校として創設されたことから、伝統的に医師や理系分野の志望者が多く集まります。創設当初は理数科の学校でした。現在はすべての生徒が幅広く学ぶリベラルアーツ型カリキュラムによる教育を行っています。

学校として理系に向かわせるような指導はしていません。中高時代は視野を広げることが大事です。カリキュラムは高校2年までほぼ全員共通。文系志望者も理数科目をしっかりと学び、理系志望者も現代文・古典をきちんと学びます。その過程で理系から文系に変わる生徒もいるし、それは自然なことですね。

どちらの志望にも対応できる教育を行い、国公立大学受験にも十分対応できるカリキュラムです。

進路指導部長 小村 卓司先生

「自分探し学習」で繰り広げるユニークな学び

学習指導のポイントは「自分探し」です。
教科ごとに「自分探し」につながる学習を展開し、生徒一人ひとりの可能性を広げます。

たとえば、国語科では「読書マラソン」を実施。中学1年から高校2年までマラソンノートに読書記録をつけます。読書によってさまざまな世界に触れることで視野を広げ、こころの成長をうながします。

中学の「数学トレーニングマラソン」や英語科の「レシテーションコンテスト」「英文絵日記」「リーディングマラソン」、社会科の「社会科博士号」なども自分探しの学習です。

「数学トレーニングマラソン」は希望者対象に教員手作りのプリント問題を毎日自宅で解くもので、翌日自分で数学研究室に提出するというシステムです。

「英文絵日記」は中学2・3年の夏休みの課題。英文による絵日記ですが、生徒は楽しみながら取り組んでいます。なかには芸術作品さながらの絵日記もありますよ。

「社会科博士号」も夏休みの課題です。中1は「歴史新聞」、中2は「国ポスター」、中3は「人権新聞」「平和レポート」を作成し、優秀作品は文化祭で展示、最優秀作品は「○○博士号」を授与します。

中学ではいろいろな職業を知り「自分探し」に役立てる

進路指導も「自分探し」がポイントであることに変わりありません。それぞれが自分のための進路を模索してほしいと思います。進路学習として、まず中学2年で職業研究に取り組みます。自分の関心のある職業について調べ、夏休み中にレポートにまとめるものです。

この時点で医師など理系分野への関心を示す生徒が多くいます。中学2・3年生を対象に、職業講話も開きます。講師は保護者にお願いしているのですが、学校の呼びかけに手を挙げてくださる保護者が多くいます。
職業は医師や弁護士、弁理士、また企業の営業マンなどさまざま。文系理系のバランスをみながら7人ほどお呼びします。
お父さんが多いですね。

パワーポイントなどを上手に使って、生徒を笑わせたりしながらすばらしい講話をしてくれますよ。

大学連携教育「学問体験講座」が充実

進路指導に結びつく学習として重視しているのが、東邦大学はじめ多くの大学との連携による「学問体験講座」です。中学生・高校生希望者対象に、教科書にとらわれない専門的な実験や講義を行うものです。年3回実施し、各回とも複数の講座を開講します。東邦大学との連携では、大学校舎で実験や講義を行います。

その一端をご紹介しましょう。

・薬の効き方を分子レベルでみる
・医薬品を合成してみよう(フェナセチンの合成)
・最新のiPS細胞研究と遺伝子診断、再生医療
・ロボットを作ってみよう-ロボット製作とプログラミング-
・身近な環境の分析-薄層クロマトグラフィーを用いた植物色素の分析-
・ナノの世界-フラーレンとナノチューブ-
・電気エネルギー体験!?-ステンレスに電波を流してパンを作ろう-
・電池って何!?-金属板とICでオルゴールづくり-
・爬虫類の姿、行動、生態
・「未来」への憧れと現実-星新一のショートショートを読む-
・1920年代、日本に生きた「ニート」たちの部屋-江戸川乱歩『屋根裏部屋の散歩者』を読む

他大学としては、東工大、早稲田大、慶應義塾大、清泉大などと連携し、それぞれの先生より魅力的なテーマで講義をしてもらっています。

高校生を引きつけるOB「進路ガイダンス」

高校の進路指導の重要な行事となっているのが、卒業生による「進路ガイダンス」です。

高校2・3年対象に開催し、毎年20人を超える卒業生を招いて、医学部、薬学・医療系、難関国公立大文・理、私立大文・理など進路別に8つのカテゴリーに分け、受験体験を話してもらいます。
この進路ガイダンスは大きな効果が見られますね。東大の後期試験に合格した卒業生が「後期までねばろう」と呼びかけたところ、実際にがんばる生徒が増え、そのあとも後期合格者が続きました。

このほか高校の主な進路学習として、東邦大、東大、一橋大、東工大などを訪問する大学見学会(高1)や、オープンキャンパス訪問なども行っています。

文武両道の校風がねばり強さを育む

本校では各学年70名程度が医師希望で、多くの生徒が国公立大および私立大医学部に合格しています。

その大きな理由は生徒のモチベーションの高さだと思います。本校の生徒は真面目で頑固です。学校としては成績のいい生徒は医学部へ、という進路指導は行っていません。それよりも医師としての心構えができているかが大事です。進路指導部では小論文や面接指導にも力を入れ、心構えや使命感を生徒自身に考えさせます。

小論文試験ではセカンドオピニオンについてなど専門的なテーマが多く、受験生の気持ちがしっかりと固まっていないと書けません。本校では部活と勉強を両立させるのも伝統で、基本的に授業だけで大学に合格させる方針をとっています。高校3年まで運動部を続けている生徒もいますよ。

去年は野球部の生徒が東工大に進学しました。そうすると後輩もそれに続くのですね。部活は試合などで土日も活動するし、塾へ行く時間はあまりありません。医学部をめざす生徒も塾に行かずに進学しています。本校の進路指導の方針は、自分で自分の道を探すことです。
そのためにこそ文理問わず幅広く学び、教養を高める。
そして自分の目標を見つけ、強い気持ちで取り組む。――こうした方針による教育の成果は出ていると考えます。

これからも東邦中学校・高等学校としての教育スタイルを貫いていきます。

高校3年生へのインタビュー

勉強は毎日5時間以上

将来の医師をめざす高校3年の男女2名に話を聞きました。
二人とも中学からの入学生。いよいよ受験の年を迎え、緊張感と強い意欲が二人から伝わってきました。

勉強は毎日5時間以上

(女子) この学校に入ったときから、医学部志望と決めていました。まわりの女子の友だちも医学部志望が多く、いいライバルです。クラスの女子15人中、5人は医学部をめざしています。あるいはもっといるかも?(笑)。競争するのは楽しいです。

(男子) ぼくも初めから医学部希望です。この学校は医学部の入試に対応した授業が多く、役立っています。外部模試は受けているけれど、塾には行っていません。学校の授業に専念すれば大丈夫だと思います。その結果は模試に出ています。
勉強は予習・復習両方やります。特に英語と数学。家では平日は5時間くらい勉強しています。

(女子) 私も基本は学校の授業です。プラス週1回、駿台の医学部クラスに通っています。これは刺激を受けるためです。
家での勉強は9割方数学に当てています。平日は5~6時間くらい、休日は10時間以上勉強しています。
卒業生による進路ガイダンスでは、勉強のしかたのアドバイスが役立ちましたね。不得意科目の勉強の合間に、休憩気分で得意科目の勉強を挟むといいと。私は数学が苦手だから、その合間に好きな英語の勉強を入れる。気分転換になります。

(男子) ぼくは小学校の算数が苦手だったけれど、東邦の数学はわかりやすい。先生が丁寧に教えてくれます。
卒業生の進路ガイダンスでは、息抜きに友だちと勉強の話をするといいと言われ、自分もクラスの友だちと入試問題の話とかしています。みんな気合いが入っていますよ。

めざす医師像

(女子) 医師をめざしたのは、産婦人科医である父の姿を見てきたからだと思います。医師という仕事がどれくらい激務なのかも私はよく知っています。
将来の医師像は二つあるんです。一つは発展途上国で医療に当たること……でも、これは親には秘密なんです(笑)。許してくれないだろうから。もう一つは、日本の田舎で小児科医になること……私が遠くに行ってほしくないだろうから、これも親は反対しそう(笑)。
小児科を考えたのは、10歳下の弟が生まれたことがきっかけでした。生まれてすぐ呼吸器の病気で入院してしまって。私はそれまで子どもが好きじゃなかったのに、弟が生まれたら急に子ども好きになったんです。

(男子) ぼくも父が外科医なので、子どものころからこの仕事を意識していました。父の職業を誇りにする気持ちがありますね。

(女子) それは私もあるな。

(男子) ぼくはなるべく広く深い知識をもった医師になりたい。現代は細かい専門分野に分かれていて、自分の分野しかわからない医師が多いと思います。ぼくは自分の専門でなくても、患者の話から病気を特定できる医師になりたい。
ぼく自身、かつて左脚のしびれの原因が動脈の病気によるものだとわかるまで何年もかかったという経験があります。ぼくは自分で患者をよく診て、自分で調べ、病気をつきとめたい。小児科にも興味があります。この先、福島第一原発事故の影響も子どもに出てくるかもしれません。そのとき役立つことができたらと思います。

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