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スクール特集(昭和学院中学校の特色のある教育 #7)

100人の有志で実行委員会を組織! 生徒が主役となって活躍した文化祭

昭和学院中学校・高等学校の桜和祭(文化祭)が、今年も9月に開催された。今回は以前にも増して、生徒が主体となって企画・運営に取り組み、その様子などを担当教員に聞いた。

中学はコース、高校はクラス別に企画を実施

今年度、第43回目となる「桜和祭」が、9月20日、21日の2日間にわたって開催された。
今年のスローガンは、「百花繚乱~個性の花よ咲き誇れ~」。展示や発表、模擬店など、どれも生徒一人ひとりの個性と努力が詰まり、その花々が咲き誇る瞬間を楽しんでほしい、という思いを込めたそうだ。また、今年は例年と異なり、実行委員会を有志のみで組織し、生徒主体を全面に押し出して企画や運営を行ったという。その経緯を、桜和祭準備委員長の手島勇太先生は次のように語る。

「以前、本校の文化祭は、実行委員こそ生徒がやっていたものの、テーマについては『アカデミックな内容にする』『発表を中心に行う』などと主に教員が決めていました。ここ何年かで徐々に生徒主体へと移ってきましたが、それでも学校の意向を加えたり、また、実行委員の選出もクラスから何名というやり方で、仕方なく参加している生徒もいました。昨年の準備委員長だった先生から『文化祭を成功させるには、自分から積極的に関わりたいという生徒が実行委員をするべき』というアドバイスを受け、今年初めて有志を募ることにしたのです」

桜和祭準備委員長になった先生は、翌年、準備副委員長となり、前年の反省点などを申し送りする。そして今年、実行委員に手を挙げた生徒は約100名。その中から高2の2人の女子生徒が共同で実行委員長を務めることになった。

桜和祭は、中学校はIA(インターナショナルアカデミー)、TA(トップグレードアカデミー)、AA(アドバンストアカデミー)、GA(ジェネラルアカデミー)、SA(サイエンスアカデミー)の各コース1~3年の縦割りで、高校は1、2年各クラスで出し物を企画する。内容が重ならないように事前に企画書を提出するが、今年はお化け屋敷など「ホラー」のジャンルが多かったそうだ。他には脱出ゲームや迷路、的当て、カジノゲームなどの「体験型」、ティーカップなど乗り物の「アトラクション」、喫茶や駄菓子屋など「飲食」の模擬店が出店された。

「ここ数年は、従来のような展示・発表を中心としたものではなく、エンターテイメントに振り切って、みんなで楽しもうという内容になっています。一方で、研究や探究学習の発表は、2月の『探究フェスティバル』で行っています。文化祭の出し物は、生徒がゼロからつくり上げていきます。中学校はコースの縦割りなので、学年を越えたつながりが育まれ、また、3年生はリーダーとしての自覚も芽生えます。本校は中高一貫校なので、中3でも上級生という意識はそれほどないでしょうが、文化祭では中学の最高学年として下級生を率いていかなくてはなりません。他方、高校はクラス単位なので、クラスメートの絆や団結力が強まります」(手島先生)

▶︎桜和祭準備委員長 手島勇太先生

▶︎弦楽部

▶︎バトン部

文化部は活動の成果を披露、生徒会本部は恒例の催しも

桜和祭では、コースやクラスの出し物の他に文化部が展示や発表をして、日頃の活動の成果を披露している。今年は、吹奏楽部と新体操部のコラボ演出も行われた。ちなみに新体操部には、日本代表「フェアリージャパン」のメンバーとして今年の世界新体操選手権大会に出場し、団体総合で金メダルを獲得した高校3年生も所属しているという。

▶︎吹奏楽部と新体操部のコラボレーション

また、生徒会本部がメインアリーナで「中夜祭」を主催。軽音楽部の演奏、抽選会、有志による発表、ダンス部によるパフォーマンスが行われ、毎回、とても盛り上がる企画になっている。手島先生によると「有志の発表は、あらかじめオーディションがあります。今年は、先生と生徒が一緒にダンスをするグループも選ばれていましたね」と話す。

他にも生徒会企画として、腕相撲とのど自慢の大会が2日間にわたり、吹き抜けスペースで開催された。「こちらも伝統の人気企画です。本校には、世界アームレスリング選手権第3位(男子ジュニア60㎏級ライトハンドの部)の高校3年生がいて、彼は腕相撲大会の本選には参加せず、エキシビジョンマッチで優勝者と対決。相手を一瞬で倒し、世界の実力を見せてくれました。実は昨年まで、腕相撲は教員がずっと優勝していたんですよ。スローガンの『百花繚乱』ではないですが、昭和学院は、さまざまな個性が集まっている学校だと言えますね」

実行委員を代々、引き継ぎ、より良い文化祭を目指す

▶︎ダンス部

手島先生は、今年の文化祭について「生徒主体を全面的に打ち出したので、生徒のアイデアから生まれたものもあります。その1つが案内のリーフレットです。模擬店のマップやタイムテーブルが記されているのはとても便利でした。見やすさ、持ちやすさから三つ折りにしたのも実行委員のアイデアです」と生徒たちを称える。

「一方、スケジュールが遅れがちだったことは反省するべき点です。文化部の発表が行われるメインステージには、毎回、大きなパネルを作るのですが、当初の予定の夏休み中に終えることができませんでした。ホームページやインスタグラムなどSNSによる告知も9月に入ってからと、少し遅かったですね。どこまでを生徒に委ねるか、その匙加減は難しいのですが、7月に文化祭の案内をしている学校もあったので、広報のリーダーに教えるべきだったかもしれません」

文化祭当日は、大きな混乱や事故もなく「生徒みなが楽しめたイベントになったのではないでしょうか」と手島先生は振り返る。「実行委員長も最後の挨拶で『がんばって良かった』と言っていましたので、達成感があったのではないでしょうか。もちろん改善すべき点もたくさんありますが、それも込みでの文化祭ですし、そこから学ぶこともたくさんあります」

「歴代の実行委員長も、生徒主導で文化祭をやりたかっただろうし、準備委員長の先生もその思いを汲み取って、マイナーチェンジをしていたと思います。それが昨年くらいから流れが変わり始め、今年、大きく飛躍しました。そう感じているところではありますが、今年の文化祭の本当の評価は、来年、有志で集まってくる実行委員数に表れると考えています。実は、有志の実行委員は、今回、高1が40人と一番多く、高2は4人しかいませんでした。来年、高2の実行委員が増えたら成果があったと言えるでしょう。既に『来年もやりたい』と言っている高校1年生もいるので、期待したいですね。こういう学校行事の仕事は、単発で終わらず引き継いでいくことでより良いものになっていくと思います。私も今年の経験を来年につなげていけるよう協力と支援をしていきます」

43回目にして初めて、有志のみの実行委員でつくり上げた「桜和祭」。同校にとって新しいスタイルの文化祭が、これからどう発展していくのか、楽しみである。

<取材を終えて>
文化祭のスタイルは学校ごとに異なるが、同校の場合は、生徒主体であっても学校の制約もあったようだ。実行委員に手を挙げたのが、高2は4人しかいなかったことからも、昨年の様子が伺える。高1の実行委員40人の中には、外部入学生も多かったはずだ。しかし、今年は全面的に生徒に任せるようになり、新しい文化祭の元年になった。実行委員の引継ぎが行われば、失敗も次につながる糧になるだろうし、2年目、3年目と進化をしていくのではないだろうか。

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