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大妻嵐山中学校

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スクール特集(大妻嵐山中学校の特色のある教育 #6)

楽しみながら学んで“生きた英語”を習得

全員参加のEnglish Festivalやブリティッシュヒルズでの英会話合宿など、多彩な取り組みを行う大妻嵐山の英語教育。非日常の体験が学習とどう結びついているのか先生と生徒に取材した。

1年間の集大成として行われるEnglish Festival

まず大妻嵐山の英語教育の特徴について英語科の藤井真穂先生、教頭の松原慎二先生に話を伺った。

藤井先生:
「大妻嵐山では毎年2月に行われるEnglish Festivalに向けていろんな活動をしていきます。例えば、授業中にプレゼンの機会を設けたり、オンラインで週1回ネイティブの講師と英会話の練習をしたり。また7月のEnglish Campや中2は福島県のブリティッシュヒルズで2泊3日の英会話合宿もあります」

大妻嵐山の特色のひとつとして知られるEnglish Festival(過去の取材記事はこちら)は全員参加のイベントで、学年ごとに英語劇やプレゼンが行われる。中1は短編の小さな劇に取り組み、中2になると1時間にも及ぶ作品に挑戦。中3になると自分たちでプレゼンや劇をつくるようになり、身近な先輩たちの発表を見て「私ももっと上手くなりたい」と大きな刺激になっているようだ。

藤井先生:
「English Festivalを通して英語力が身につくだけではなく、一人ひとりが自分の役割をどう果たしていくか責任感のようなものも育ちます。また英語が苦手な子もいますので、できるだけ楽しく、いろんなかたちでアプローチを工夫しながら毎年取り組んでいます」と1年間の集大成とも言うべきイベントにかける情熱が伺える。

松原先生:
「英語は文法的なことももちろん大事だとは思いますが、藤井先生が言った通り楽しく英語を学びながら“生きた英語”が使えるようになるということを大事にしています。ただ英語を話すだけではなく、気持ちを込めて英語が使えるということもそうですし、English Festivalで劇に取り組んでいるのもそのためです。これからの時代は英語を使ってコミュニケーションをとる場面がますます増えると思うので、中学校段階ではどんな場面でも怖がらずに英語を使ってコミュニケーションがとれるようになることを目標にしています」

舞台で人前に立つだけではなく不慣れな英語の台詞を覚えて役を演じることは想像以上に勇気のいることで、やり遂げた後の達成感や充足感は確かな自信につながるだろう。

英語科 藤井真穂先生

教頭 松原慎二先生

非日常の体験を通して成長するブリティッシュヒルズの英会話合宿

次に中2で体験するブリティッシュヒルズでの英会話合宿について詳しくお話を伺った。

藤井先生:
「中2の9月になると、福島県のブリティッシュヒルズで2泊3日の英会話合宿があります。今年はAll about Me、Calligraphy、Dreamcatchers、Cooking Scones、Culture & Mannersといったレッスンを受講しましたが、すべて英語で授業が行われるため、困ったことや質問があっても英語で話さなければなりません。日本語の助けがない中で、自分たちでその状況をどう乗り越えていくか、そういったことも楽しみながらよく頑張っていたなと思います」

授業以外の時間では買い物をしたり、道具を借りて体育館でバドミントンをしたり。生徒たち自身が「やりたい」と思ったことについて英語を使いながら積極的に行動している姿も見られたそうだ。

「ブリティッシュヒルズに滞在している間は、いろんな場面で英語を使う機会がありますので、英語が苦手な子も自分なりに一生懸命コミュニケーションをとろうとしていたのが良かったと思います」と藤井先生。

松原先生:
「ブリティッシュヒルズでは食事がビュッフェ形式で提供されるんですけど、料理をとりながらスタッフの方に「これは何ですか?」とおしゃべりしている生徒もいて、授業とはまた違ったコミュニケーションを楽しんでいる様子でした。英語をより身近なものとして体験できたんじゃないかなと思います」と今年の合宿を振り返る。

例年、合宿から帰ってきた後に英語をより積極的に話すようになる生徒もいるそう。ブリティッシュヒルズでの英会話合宿という非日常の体験がもたらす学習効果は計り知れない。

社会貢献できるレベルまで英語力を身につけさせたい

最後に英語学習についての思いを藤井先生に語っていただいた。

藤井先生:
「英語は机の上だけじゃなくて使えるってことが一番大事かなと思っています。できることなら社会貢献できるようなところまで生徒の英語力を身につけさせてあげたいと思いながら日々指導しています。先日、オリンピックが開催されたときにボランティアをやってみたいという生徒もいましたし、海外に興味があって留学をしてみたいという生徒もいます」

高校に進学すると希望者を対象に海外研修や留学プログラムもあるそうで、英語を学ぶだけではなく国際性や豊かな感覚を身につけられる多彩な学習機会に恵まれている。また、大学進学を見据えて英検はもちろん、多様化する入試に合わせてさまざまな検定試験にも取り組んでいる。

藤井先生:
「数年前までは、英検に特化して取り組んでいました。ただ、最近は英検だけではなく、他の検定試験にも取り組むようにしています。まず、中学校ではスタンダードな英検に取り組み、高校に進んでから他のさまざまな検定試験に挑戦します。ちなみに、高校では英検準1級を目指して取り組んでいます」

日本語と同じように英語を使えるという実体験

続いて、中学2年生の多田愛菜さんに、英会話合宿の様子やEnglish Festivalなどについて話を伺った。

多田さん:
「9月にブリティッシュヒルズの英会話合宿に行ってきました。英語でチェックインをしたり、簡単な会話をしたり。日本語と同じように英語を使えるんだなっていうことがわかりました。強く感じたのは、実際に英語を使っている人は、いつも笑顔で話しているなっていうことです。自分も笑顔を意識して、楽しい気持ちで英語が使いたいと思いました」

同校に入学するまでは、小学校の授業で英語に触れる程度で、英語に対してあまり親しみを感じていなかったとのこと。英語を話す人がいつも笑顔という視点は、英語を学び始めた多田さんにとって大きな発見で、コミュニケーションにおける本質を捉えているようにも感じられる。

多田さん:
「今は、英語の授業がすごく楽しいです。先生が授業にゲームを取り入れてくださるんですけど、楽しみながら英語でコミュニケーションをとれるところが、とても楽しいです。藤井先生は、なかなか覚えるのが難しい文法の勉強でも、独特のリズムを使って楽しく教えてくれたりします。例えば、to不定詞なら『タータタ、ターター、何?』って私たちに問いかけてくださるので、そのリズムと一緒にto不定詞を覚えてしまいました」

週1回のオンライン英会話も回数を重ねるなかで、自分なりに課題を設定して試行錯誤しているようだ。

多田さん:
「中1の時には、どうしよう、身振り手振りを使わないと伝わらないなっていう時期もありました。でも、今は振り返りシートを使って自分なりの目標を立てられるようになったので、会話のキャッチボールもできるようになり、楽しめるようになってきました」

多田愛菜さん(中2)

英語を身近に感じることができるようになったEnglish Festival

続いてEnglish Festivalについても話しを伺った。

多田さん:
「英語で劇をすると聞いたときは、セリフも読めないし、難しくて正直ちょっと無理かなって思いました。でも、本番が近づくにつれ、全員完璧にセリフを言えるようになりましたし、私も練習を通して、英語を身近に感じることができるようになりました。すごく良い経験になったと思います」

中1の英語劇ではじめて演じたのは「Snow White(白雪姫)」の鏡役。クイーンが鏡に語りかける「鏡よ鏡、世界で一番美しい人は誰?」という大事な場面を任されたようだ。

多田さん:
「ミラーは正直者の役で、白雪姫の味方でもクイーンの味方でもない中立的な立場です。その雰囲気を出すのに工夫しました。English Festivalで特に大変なのは、セリフをただ読むように語るのではなく、感情を通して伝えなければならないところです。外部の先生も見に来てくださり、難しい場面で盛り上げてくれたりして、会場全体の一体感が生まれ、とても楽しかったです」

入学してはじめて見た先輩たちの劇についてはどのような印象を抱いたのだろうか。

多田さん:
「中1よりもさらにレベルの高い難解な劇なんですけど、セリフだけに引っ張られるのではなく、舞台で演じる自分たちの動きを通して表現しているところがすごく印象的でした。先輩たちの作品は「Beauty and the Beast(美女と野獣)」で、主人公のベルがひとりで独唱するシーンがすごくかっこ良かったのを覚えています」

今後の目標について伺うと、「かたちに残るものとして英語検定を取っておきたい」と。中学校卒業までに準2級取得を目指しているそうだ。

「大妻嵐山にはエネルギッシュで面白い先生も多いし、みんな自分からいろんなことに挑戦していくところが好きです!」と、充実した学校生活について語っていただいた。

〈取材を終えて〉
English Festivalも英会話合宿も学生時代ならではのキラキラした取り組みで、非日常の体験を通して楽しく学ぶ同校の英語教育に魅力を感じた取材だった。中学校に入学してから本格的に英語を学び始めた多田さんも、さまざまな経験が自信につながっている様子も見られ、後輩にとっての良いお手本になっているに違いない。

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