スクール特集(武蔵野東中学校の特色のある教育 #2)
自立心を養う教育を実践!15歳で夢にチャレンジする生徒を育成
校内指導だけで万全といえる独自の学習システム、力を注いでいる学校行事・部活動、「生命科」の授業など、学習と生活の両面から全人格的に伸ばす武蔵野東中学校の中身の濃い3年間教育とは?
自立心を養う教育を実践し、15歳で夢にチャレンジする生徒を育成
小金井市の閑静な住宅街にキャンパスを構え、学習と生活の両面から、子どもたちを全人格的に伸ばす教育を行っている武蔵野東中学校。生徒7人に対して教員が1人という手厚い環境のもと、生徒たちは伸び伸びと、勉強や部活動などに励んでいます。
また、併設の普通高校を持たない同校は、高校受験のためのシステムを万全に整え、毎年、難関校をはじめ、高い進学実績を打ち出しています。
過去3年間の主な高校合格実績
過去3年間の主な高校合格実績
※ 受験者数 2015年度56名 2016年度64名 2017年度60名 3年間合計 180名
<国立>
筑波大学附属 2名 お茶の水女子大学附属 1名
東京工業高等専門 1名
<都立>
日比谷 5名 西 1名
国立 6名 戸山 1名
八王子東 2名 新宿 2名
国際 3名 国分寺 1名
駒場 4名 武蔵野北 3名
武蔵 6名 調布北 2名
<私立>
早稲田大学高等学院 2名 早稲田実業学校 2名
早稲田大学本庄高等学院 2名 明治大学付属明治 3名
慶應義塾 3名 慶應義塾志木 1名
国際基督教大学 5名 渋谷教育学園幕張 1名
豊島岡女子学園 1名 桐朋 4名
中央大学附属 3名 中央大学杉並 2名
中央大学 1名 立教新座 4名
青山学院 3名 国学院大学久我山 3名
ほか多数
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本校は、少人数の習熟度別授業を実施し、一人ひとりにきめ細かな学習指導をすることで、生徒全体の学力向上を図っています。その1つの指標となるのが英語力。中学3年生の97%が英検3級以上を、65%が準2級以上を取得。大学中級程度の準1級を取得している生徒も5%います。
また、部活動や学校行事の主体的な取り組みを推奨し、自分や自分をとりまく世界について考える「生命科」の授業を行うなど、人格教育にも力を注いでいます。そんな武蔵野東中学校の教育の特色を取材しました。
自ら学ぶ力を養い、学習を発展させる
自分の学習方法を身につける「自主学習プランノート」
武蔵野東中学校の教育目標の柱は、「自己決定力のある生徒の育成」です。卒業後の進路を決め、チャレンジしていくには、精神的な自立が必要だからです。そういう意味において、生徒が自ら学ぶ力を身につけることは、とても重要です。
そこで同校は、オリジナルの「自主学習プランノート」を作成し、自分で学習プランを立て、実行する方法を取り入れました。具体的な使い方として、はじめに1週間の学習スケジュールをノートに書き込みます。そして毎日、自分の立てたプランが達成できたか、どこが不足していたかなどを振り返り、翌朝、担任にノートを提出。先生は、一人ひとりの学習状況を確認し、コメントを記入して、放課後に返却します。こうしたやり取りを続けることで、生徒たちは、家庭学習の習慣や、能動的に学ぶ姿勢、自分に合った学習方法を身につけていきます。
卒業生のなかには、この「プランノート」を学校に買いにきて、大学受験に活用している人も多数いるそうです。
オリジナルの「自主学習プランノート」
教科の先生に提出する「自主学習ノート」
「自主学習プランノート」と対になるのが、授業用ノートとは別の「自主学習ノート」です。生徒は5教科分の家庭学習ノートを用意し、予習や復習、小テストの勉強、副教材の演習などをノートに書いて、毎朝、教科担当に提出します。先生は、その日のうちにノートを見て、学習の内容や進み具合などをチェック。評価や解き方のアドバイス、この先、取り組んだほうがよい課題などを書いたりします。
研修会で自分の学習方法を振り返る
学習習慣を身につける「プランノート」ですが、最初から上手に使いこなすのは大変です。そこで学校は、生徒たちが取り組みやすいように、全教科の学習の仕方や、プランノートの記入例などを記載した「学習の手引きとシラバス」(生徒用と保護者用がある)をつくっています。また、プラン立ての方法については、1年生の5月に行われる清里山荘合宿で徹底して学びます。
さらに、友達や先輩のノートを閲覧して、学び合いをする「自主学習プランノート研究会」を実施。3年生は1年生のノートに対して、アドバイスをしてあげます。こうして生徒たちは、自分なりの学習方法を確立していきます。
習熟度別・少人数制の学習指導 高校受験の対策も万全!
武蔵野東中学校では、習熟度別・少人数制の学習指導を実践しています。1学年の生徒数は約60名(1クラス30名が2クラス)で、1、2年生は英語と数学、3年では5教科を、理解度に合わせた3つのグループに編成して、授業を行っています。
学習の進度はやや速めで、英語は2年で、国語と数学は3年の1学期、理科と社会は3年の2学期前半までに、3年分の学習内容を終わらせます。それ以降は、演習を中心とした授業を行い、高校受験に向けて準備をします。
3年生になると入試対策として、週に3回、放課後に2時間、全員参加の「特別進学学習」を実施しています。英語、数学、国語の3教科を軸に、弱点を補強したり、過去問の分析、個々の志望校対策まで、徹底的に学習を指導します。また、毎月の模試や、長期休暇の講習も行っています。
このように、高校受験においては、校内指導だけで万全といえるシステムを整えています。また、「プランノート」を通して、家庭学習にも意欲的に取り組んでいるので、生徒は基本的に塾に通う必要はありません。実際、生徒の大半が、学校の指導だけで高校を受験し、上記のような良い結果を出しています。
好奇心や探究心を育む「研究活動」
自学自習を推進する同校では、1、2年全員が参加する「研究活動」にも取り組んでいます。生徒一人ひとりの興味・関心が、活動のスタート地点。それを自分のテーマに据えて、興味の対象を調べていくと、新たな発見や疑問が出てきます。そこで終わらせず、自分なりに仮説を立てたり実証したりして、さらに追求をしていく。それが「研究活動」の目指すところです。
このように生徒たちは、テーマを決定してから、展示・発表まで、半年以上をかけて、研究に取り組み、その過程のなかで、探求心や考察力を培っていきます。また、資料の価値の検討や、資料収集の仕方、引用の方法などを学ぶことで、今後必要になってくるレポート作成力や、プレゼンテーション能力も向上。在学中だけでなく、中学卒業後の学習につながる学びとなっています。
自分を見つめ直し、生命と世界を考える「生命科」の授業
「自分の存在の重さを知り、他人の命の重さも感じることのできる生徒」を育成したい。そんな願いを込め、同校では、人格教育の一貫として、「生命科」という独自の授業を設置。全学年、週1時間の授業では、友達や家族など、身近な人とのつながりから、将来観、世界で起きている事象など、幅広いテーマについて正面から向き合い、発表や意見交換をします。
3年間で扱う内容は、「友愛、生命・命の尊厳、将来観、福祉、国際理解、平和、死生観」。最新の出来事などもまじえ、生徒の心に響く題材を取り入れながら毎回が生きた授業となって進められています。決まった答えのない事柄について、生徒と先生が共に考えを深め、心を耕す有意義な時間です。心が大きく成長し、これからの長い人生を歩む中学生の時期だからこそ、大切にしたい学びであると、学校は考えています。
「生命科」の授業
生徒が主体的に取り組む 部活動・学校行事
また、生徒たちは学習だけでなく、部活動や学校行事にも熱心に取り組んでいます。クラブの参加率は、ほぼ100%。平日の活動は、平日は午後4時過ぎから5時半ぐらいまでと短い時間ですが、どのクラブも効率よく練習をしています。昨年は、陸上競技部が全国大会女子リレー3位入賞、体操競技部が全国大会鉄棒3位入賞、ダンス部が全国コンクールで4位入賞と、全国レベル大会で好成績を収めました。
さらに学園祭やスポーツ大会などの学校行事は、実行委員会を中心に、生徒主体で企画、運営をして、毎年、盛り上がりをみせています。
このように、3年間、中身の濃い教育を実践している武蔵野東中学校。15歳で、夢の実現に向かってチャレンジする生徒が育っています 。
生徒が主体的に取り組む 部活動
この学校のスクール特集
高い進学実績を築く、少人数・習熟度別授業を基本とした独自の教育
公開日:2016/1/25