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三輪田学園中学校

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デジタルパンフレット

スクール特集(三輪田学園中学校の特色のある教育 #10)

大学1年生となった卒業生が振り返る「進路実現への道」

2023年度から法政大学との高大連携が本格的にスタートし、2023年度は18名が協定校推薦で法政大学に進学。3月に卒業した3名に、進路実現について聞いた。

2023年度は、18名が協定校推薦で法政大学に進学。法政大学への協定校推薦で受験する生徒や国立大学の学校推薦型選抜で受験する生徒が、どのようにして進路実現を目指したか、進路指導部長の藤田純平先生と学校説明会に登壇した卒業生3名に話を聞いた。

新たな高大連携もスタート

同校は、2023年度から法政大学との高大連携を本格的にスタート。協定校推薦制度により、15学部2名ずつ最大30名へ門戸が開かれている。

「高校3年生を対象として、高大連携講座も行っています。法政大学から先生にお越しいただき、大学での学びを体験できるオムニバス形式の講座です。協定校推薦の希望者以外も受講できるので、大学での学びを知る機会となります。12回の講座を受講する中で、各学部・学科で学ぶ内容がイメージしていたものと違ったと感じることもあるでしょう。それを踏まえた上で、どの学部・学科にするか、あるいは他の大学にするのか決めることで、ミスマッチを防ぐことにもつながります。導入初年度は高校の授業と同じ50分に凝縮していただいていましたが、やはり大学の授業は内容が濃いので、今年度から60分になりました。受講した生徒たちからも意見を聞いて、大学側とも協議を重ねてよりよい講座にしていきたいと考えています」(藤田先生)

協定校推薦制度を利用する場合でも、授業を基本として基礎学力を育成し、その上で様々な活動を通して人間力を育んでほしいと藤田先生は語る。

「協定校推薦のためだけの対策があるわけではなく、日頃の授業を大切にし、学校が用意しているプログラムなどにも積極的に参加し、自発的に学校生活を過ごすその先に、協定校推薦という選択肢もあるというイメージです。様々な活動に参加することは、自分の興味がどこにあるか気づくことにもつながります」(藤田先生)

2023年10月には東京女子大学、11月には津田塾大学とも高大連携協定を締結。指定校推薦(東京女子・津田塾)や高大連携科目等履修生制度(津田塾)、高校生向けのイベントへの優先応募(東京女子)など、新たな連携もスタートした。

「本校は、『誠のほかに道なし』を校訓に、伝統を守りながらも新しいことにチャレンジしていきます。連携プログラムなどを経験した卒業生からの意見も取り入れ、3大学との連携をより充実させ、質を高めていきたいと考えています」(藤田先生)

▶︎進路指導部長 藤田純平先生

学校説明会での卒業生による対談

9月21日に開催された学校説明会では卒業生3名が登壇し、受験生やその保護者から事前に受け付けた質問に答えた。

Yさん 法政大学人間環境学部人間環境学科1年(協定校推薦) 
Gさん 法政大学経営学部市場経営学科1年(協定校推薦)
Sさん お茶の水女子大学文教育学部言語文化学科1年(学校推薦型選抜)

▶︎写真右よりYさん、Gさん、Sさん

――三輪田学園を受験しようと思った理由を教えてください。

Yさん 入学してからちゃんと授業についていけるか心配だったので、数学の体験授業を受けました。もともと数学は苦手だったのですが、先生の教え方はとてもわかりやすく、新しい解き方も理解しやすかったです。この体験授業で安心できたので、三輪田学園を受験しました。

Gさん アクセスのよさや校風です。「誠のほかに道なし」という教育理念にもとづいた、穏やかで真面目な生徒たちの姿を見て、自分もこうなりたいと思って受験しました。

Sさん 6年間通うので、施設のよさも重要です。この環境で過ごせたら充実した6年間になるだろうと思えたので受験しました。

――入学してよかったことを教えてください。

Yさん チャレンジしようとする気持ちや計画的に行動する力が伸びたと思います。高1のときに、環境問題などの課題に対して、高校生ならではの解決策を考えて活動する「Blue Earth Project」に参加しました。この活動が今の学部を選択することにつながったので、チャレンジが大切だと実感しています。定期テストなどに向けてどんなプランでアプローチするかを考えながら勉強したことで、計画性も自然に身につきました。

Gさん 私も積極的にチャレンジできるようになったと思います。もともとはチャレンジすることは得意ではなかったのですが、先生方に優しく背中を押してもらいながら、少しずつチャレンジできるようになれました。自主的に物事を進める力もついたと思います。例えば、運動会では自分たちが競技するだけでなく、審判や運営も生徒がやるので、行事などを通して自主的に物事を進める力が身につきました。

Sさん 6年間の学校生活で、いろいろな体験ができたのがよかったです。苦手な分野に気づいたり、自分の好きなことを見つけられたり、視野を広げることができました。

――受験生へメッセージをお願いします。

Sさん 中高6年間でいろいろな体験をしてほしいです。辛いことや苦手なことがあっても、すべてに学びがあると思います。

Yさん 明るくて親身になって相談に乗ってくれる先生や友達が多く、優しさにあふれた環境で6年間過ごすことができます。

Gさん いろいろなことにチャレンジしやすい学校だと思います。今はあまりチャレンジが得意でなくても、三輪田学園には優しく背中を押してくれる先生や友人が多いので、安心してください。

卒業生3人にインタビュー

学校説明会に登壇した3人に、さらに詳しく進路実現などについて聞いた。

――どのように志望大学を絞り込みましたか?

Yさん 「Blue Earth Project」に参加して環境問題に触れたことがきっかけとなり、協定校でもあった法政大学の人間環境学部で学びたいと思うようになりました。人間環境学部は文理融合型の学部で、「Blue Earth Project」で経験したこととかなり重なる部分があります。

Gさん 私はバスケットボールクラブに所属していたのですが、中学生の頃に顧問の先生がゼミを主催して、部活のメンバーで商品企画をしたことがありました。企業との関わりも経験して、とても楽しかったのでマーケティングや商品開発に関心を持つようになったんです。4年間通うので校風も大切だと思い、オープンキャンパスではすれ違う人や学生の雰囲気なども見て、自分に合う大学を探しました。私は自分から質問をするのがあまり得意ではなかったので、法政大学のキャンパスでパンフレットを前にして少し戸惑っていました。そんな私に「質問があったら聞きますよ」と声をかけてくれた学生が経営学部の方だったのです。もともと関心があった学部でもあったので、法政大学の経営学部に決めました。

Sさん 中学に入学する前は英検級も取得していなかったのですが、中学から英語が好きになり、大学でも英語を学びたいと思うようになりました。三輪田学園はとても居心地がよくて、女子校という環境も自分に合っていたので、女子大がいいなと思ったのです。いろいろな大学を見た中で、お茶の水女子大学の言語文化学科は、言語を文化の側面など多方面から考えられるのが魅力的で、真面目な学生が多いので切磋琢磨できそうだと思いました。

――法政大学の協定校推薦についてはどのような対策をしましたか?

Yさん 協定校推薦では評定平均が大事になるので、日頃から学校の勉強を頑張り、一般選抜のための勉強もしていました。高大連携講座だけでなく、特別聴講制度の授業も受講しました。「データサイエンスA」は基礎的な内容だったので学校の勉強と両立しやすかったですが、「データサイエンスB」はかなり難しくて、テストも高校とは全然違って難易度が高かったです。授業時間も長かったですがオンデマンドだったので、集中力が切れたときは途中で止めながら受講しました。すでに大学の4単位分が取得できているので、少し安心感があります。

Gさん 興味があったのはマーケティングなので、文系に進むと理系のテーマについて知る機会はほとんどありません。高大連携講座では、初めて聞くような理系の講座を受けることができ、理系の面白さにも気づくことができました。入学してからも、環境問題などを扱う授業を取ってみようと思うなど、視野が広がったと思います。AIに関する講座では、文系の分野でも活用できることがたくさんあることがわかりました。もし連携講座を受けなかったら、AIがどんどん普及する中でも、AIに関する知識や関心もないままだったかもしれません。協定校推薦はやはり学校の成績が重要になるので、定期考査や小テストなどの1つ1つを大切にしました。

――学校推薦型選抜の対策について教えてください。

Sさん 中3の頃から勉強に弾みがついて、勉強するのが楽しくなり、テストの結果も付いてくるようになりました。高1のときにはお茶の水女子大学を受験したいと思っていましたが、学校推薦型で受験しようと思ったのは高3の4月頃です。1次が書類選考、2次が英作文(小論文)と面接なのですが、英語4技能の中で一番好きなのが英作文だったので、好きなことを活かせる学校推薦型で受けようと思いました。そう決めてからも、学校推薦型のために小論文や面接対策は行ったものの、主には日頃からしている勉強の延長線上に、学校推薦型の入試があったという感じです。

――志望理由書や論文、面接など、1対1の担当制の指導について教えてください。

Yさん 担当の先生とチャット機能でスケジュールを相談して、2ヶ月ぐらいのプランを立てました。何校も受験する人はもっと長いプランを組むなど、一人ひとりに合わせて計画を立ててもらえます。志望理由書を何回も添削してもらい、最終的には自分が思うようなものに仕上げることができました。

Gさん 私は面接の練習も自信につながりました。チャット機能で自由に相談できたのがよかったです。不安なことも質問して解消でき、「こうすれば大丈夫」などとアドバイスもいただけたので、当日も自信を持って面接に臨むことができました。

Sさん 志望理由書と英作文、面接の指導を受けました。英語の小論文は、どんなテーマがでるかわかりません。担当の先生にタイムリーな話題などからいろいろなテーマを出してもらって、書いたものを添削していただきました。試験当日の小論文は、準備してきたものと傾向が大きく違っていた上に、誰もが合格する保証のない試験なので心配でしたが、担当の先生に指導していただいたことや、授業の時に学んだことを活かせるとひらめくことができたことが、決め手になったと思います。面接ではネイティブの先生が1人いて英語の質問もされるので、三輪田学園のネイティブの先生が用意してくれた質疑応答集で集中的に練習しました。海外の大学で聞かれるレベルの質問で練習させていただいたため、回答に困ることはありませんでした。

――将来についてどのように考えていますか?

Yさん いろいろなことに興味を持つタイプなので明確にはまだ決めていませんが、海外の貧困地域に行ってみたいという思いがあります。青年海外協力隊などに参加して、アフリカの国へ行ってみたいです。アフリカはフランス語を使う国が多いので、大学で第二外国語としてフランス語を学んでいます。

Gさん 私もまだ道を1本に決めているわけではなく、いろいろなことに挑戦したいと思っているところです。心理にも興味があるので、視野を広げるためにいろいろな授業を取っています。三輪田学園のバスケットボールクラブでコーチをさせていただいているので、人を支える職業もいいなと思ったりしています。私の生活は三輪田学園を中心に回っている感じなので(笑)、三輪田学園からいろいろなものを得られていることに感謝しています。

Sさん 三輪田学園のキャリア教育の一環として、私は中3の職業インタビューで、英語の先生にインタビューをして、学校の先生っていいなと思うようになりました。大学では、一般の単位に加え、教員免許を取るための授業も履修しています。資格としてのみ教員免許を取る人もいる中で、私は英語の先生になりたいところまでのビジョンを持っているので、「こんな授業をしてみたい」「自分が授業するなら」というイメージを持ちながら授業を受けることができています。教職に関連する授業は1限と2限なので、朝早く大学へ行かなければなりませんが、私にとってはやりたいことに必要なことなので、苦にはなっていません。将来のビジョンを持って大学で学べているということは、大きな強みとなっていると思います。

――この学校のいいなと思うところを教えてください。

Yさん 三輪田学園は学習習慣を定着させることに力を入れているので、勉強のやり方なども学ぶことができます。数学に関してわからないところがたくさんあったのですが、わからない問題に付箋をつけて毎日放課後に質問していたら、数学の成績が伸びました。自分で計画的に学ぶ習慣は、大学でも活かされています。

Gさん 人を引っ張ることが苦手でしたが、バスケットボールクラブの部長を経験して、リーダー的な力がついたと思います。先生方は生徒に寄り添い、チャレンジをさせることで本人が気づいていない才能にも気づく機会を与えてくれます。私の場合、税に関する作文を書いて入賞することができたことで、自分の知らなかった才能を発見できました。チャレンジしたからこそ気づけたこともたくさんあり、やってみようという気持ちになれたのも先生方や友達のおかげだと思います。一人ひとりに寄り添った進路指導をしてもらえたので、自分にとってよい進路を実現できました。法政大学に通っているので、飯田橋駅や電車の中などで三輪田生が席を譲ったりするのを見て、誇らしいと感じています。いつ戻ってきても卒業生を温かく迎えてくれる校風も、入学前に思ったとおりでいいなと思います。

Sさん 女子校のよさは、他人の目を気にせずにのびのびと、自分のやりたいことに突き進めるところです。リーダーとしての力が伸ばせるのが、一番の魅力だと思います。高2ときには、評議委員(クラスの代表)をやりたい人がいなかったので、それなら自分がやってみようと思いました。共学だったら男子がやっていたかもしれませんが、女子校だと女子の誰かがやることになるのです。同じく高2の時に文化祭の部門長をさせていただいた時には、中1から高2までの5学年を引っ張る経験をして、リーダーとしての力を伸ばすことができました。運動会は学年対抗で行うので、学年で一丸となって盛り上がることができるのも、三輪田学園の魅力だと思います。また、大学でのビジョンを持った学びができるよう、キャリア教育が充実していることも魅力だと思います。

<取材を終えて>
協定校推薦は魅力的であるが、自分が希望する学部・学科を選ぶことが大切である。そのために、高大連携講座が重要な役割を果たしている。そして、法政大学への進学を希望する生徒以外にも、大学での学びを知るよい機会となるだろう。東京女子大や津田塾大との連携で、進路の選択肢が広がる点にも注目したい。

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