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目黒日本大学中学校

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デジタルパンフレット

スクール特集(目黒日本大学中学校の特色のある教育 #3)

問題解決力を育成する「探究」と問題を考える心を育てる「道徳」

目黒日本大学中学校・高等学校は「問題解決力」「進路実現力」「相互理解力」が教育の三本柱。これを支える探究と道徳の授業について、中学統括主任の本間裕之先生と中学1年の生徒2名に話を聞いた。

生徒が自ら課題を見つけ解決していく力を育む「探究」授業

目黒日本大学中学校・高等学校となって4年目。年々、受験倍率が上がり、人気校として存在感を示している。同校の教育は、知識重視型ではなく、「問題解決力」「進路実現力」「相互理解力」が三本柱。自ら課題・問題を見つけ、解決する力、学習して身に付いた能力を自身の将来の目標に繋げる力、クラブ活動・委員会・行事を通して生徒同士で意見交換をし、協力しあえるコミュニケーション力。これらの力を身につけるための礎となるのが、「探究学習」と「道徳」の授業だ。

「2021年度から文部科学省が決定した新しい学習指導要領において『生きる力を育む』ことを重要視するようになりました。総合的な学習の時間は、探究的な見方、考え方を働かせて、横断的・総合的な学習を通して、課題を解決し、自己の生き方を考えていく能力の育成を目標としているのですが、本校では、日出学園時代から探究学習を行っており、そこで蓄積してきたノウハウを、目黒日本大学の中高6年間の学習へと繋げ、新たに構築しています」と本間先生は語る。

まず中学1年では「日本の伝統と文化」について探究していく。
「インターネットや書物で調べた結果を知識として頭に詰め込むのではなく、浅草や鎌倉のフィールドワークを通して、体験したり、話しを聞いたりする学習を経て、テーマについて多角的に考える力を養います。個々の生徒の研究を持ち寄り、グループで話し合い、発表へと繋げていきます」(本間先生)
中学2年では、理科的探究として、環境や自然について調査。フィールドワークは目黒川や多摩川、9月の林間学校での現地の川で水質調査を行い、グループディベート、発表へと進めていく。このように中学1年で日本文化、2年で自然と環境、そして中学3年では海外に目を向ける。
「1月にオーストラリア研修を予定しています。昨年の中学3年生はコロナウィルス感染拡大のために実施できなかったのですが、高1で希望者を募って実現させる予定です。中学3年の探究は3年間の集大成。各学年で学んできたテーマを基に英語でプレゼンテーションをします」と本間先生。

教師はあくまでサポートに徹し、生徒がテーマを見つけ、調査し、自らアポイントメントを取って取材も行う。昨年度、中学1年のあるグループは和菓子をテーマに掲げ、鎌倉の和菓子店に取材依頼をし、和菓子の作り方などさまざまな調査をしてきたそうだ。また中学2年は、夏休みに科学技術館、科学未来館を見学する予定。すずかけ祭(文化祭)では、各学年、グループで研究テーマに沿ったポスターを作成して発表。投票により上位になったグループは研究成果の発表も行う。生徒たちが探究テーマをしっかり見つめ、各々がテーマに沿った取材やまとめ学習ができるように、学校側はしっかり導いている。

▶︎中学統括主任 本間裕之先生

さまざまな事柄に対して自分の意見を持てるように育成する「道徳」授業

道徳の授業は、毎週木曜日、探究学習と2コマ連続で授業を行っている。「月に1回は道徳の教科書に沿った授業を行うほか、学年全体でテーマを決めて話し合うプレゼンテーションの授業も行っています。テーマは身近なことから、社会問題などさまざまです。例えばSNSの使い方、いじめ問題など。テストはありませんが、道徳の授業で話したテーマについてポートフォリオに自分の意見を記述するなど、授業で扱ったテーマについて、自分の考えをアウトプットさせるように指導しています」
今後、外部の有識者の方を招くなど、道徳の授業にもさまざまな工夫をしていきたいと語る本間先生。
「道徳の授業は、ひとつの答えがあるわけではありません。生徒たちは今後、答えの出ない事柄に対して、自分で選択をし、自分なりの答えが出せる人物になってほしい。探究や道徳の授業での学びが、生徒たちの主体性を育み、将来の礎になるように指導していきたいと考えています」

生徒インタビュー

1年生と2年生に探究学習と道徳の授業について、自身が学習していることや目黒日大の魅力について聞いた。

お話しを聞いた生徒
Nさん(中2・バスケットボール部)
Eさん(中1・イラストクリエーション部)

―探究の授業について、それぞれいま研究していることを教えてください。

Nさん: 2年生は、環境や自然について研究するのですが、僕の班はプラスチックゴミについて調べています。班の中でリサーチ係、プレゼンテーション用のアニメーションを作成する係、台本を書く係などに分かれています。僕は調査をメインにするリサーチ係です。どうすればプラスチックゴミを削減できるのかなどインターネットで調査中ですが、ネットで調べるだけではわからないことが多いので、夏休みには同じ班のクラスメイトと一緒に取材に行く予定です。

プラスチックゴミについては、小学生のときから、僕たちの生活や環境にどんな影響があるんだろうと考えていました。僕は、プラスチック袋が有料化される前から、買い物するときにはエコバッグを持って行っていました。

Eさん:私は、日本の伝統文化の中から剣道をテーマに選びました。班で話し合った結果、ひとりのクラスメイトが「剣道はどうだろう」と提案をして、それに決まりました。いまは剣道の歴史を調べています。インターネットや図書館の本で調査中なのですが、剣道について知らないことが多かったので、今の剣道と昔の剣道の違いや、竹刀についてなど、調べるほどにいろいろなことがわかって面白いです。

▶︎Nさん

―道徳の授業は、身近なことから社会問題についてテーマになっているようですが、授業について感じたことを教えてください。

Nさん:最近、SNSの使い方について道徳の授業でやりましたが、SNSは危険だと感じています。僕はLINEをしますが、ビックリマークを使うなど、できるだけ感情が伝わる工夫をしています。道徳の授業は、他人の考えていることを知ることができ「ああ、そういう考えもあるのか」と、すごく刺激になります。

Eさん:道徳の授業は、人の考えを知ることができるところが面白いです。最近「外出したとき、障がい者の方が困っているのを見かけたら、どうするか」というテーマをやりました。私はとにかく助けてあげようと思いましたが、約束をしている親友を待たせるのは申し訳ないから、障がい者の方は他の方に助けてもらえるようにお願いをするという意見もあり、いろいろな考えがあるんだなと勉強になりました。

▶︎Eさん

―道徳の授業で取り上げてほしいテーマなど、ありますか?

Nさん:僕は、いじめ問題は大切だと思っているので、多く取り上げてほしいです。周りの友達がどのように考えているのか意見交換する場が必要と考えます。

Eさん:道徳の授業では、席が近くの人とテーマについて話すことは多いのですが、近くの席の人と話すだけではなく、他の人とも話したり、もっといろいろな意見を聞きたいです。

―目黒日本大学中学校を選んだ理由について教えてください。

Nさん:校舎が綺麗だし、説明会で先輩たちが「楽しい学校だよ」と言っていたので、それが決め手になりました。勉強は大変だけど充実しています。将来、大学は建築学部に進学したいので、頑張ります!

Eさん:私は将来、英語関連の仕事に就きたいと思っているので、ネイティブの先生から英語を学べて、留学するチャンスもあるこの学校を選びました。いまオンライン英会話もやっていますし、ネイティブの先生の授業も受けられているのでとても充実しています。将来はディズニーリゾートのキャストになって、海外から来るゲストの方を英会話でおもてなしできるようになりたいです。

―『中学受験スタディ』は、受験校選びをしている小学生やその保護者の方向けのメディアです。目黒日本大学中学校の一番の魅力はどこにあるのでしょうか?

Nさん:生徒の挨拶がすごくいいと思います。先輩たちが立ち止まって「こんにちは」と挨拶しているのを見て、僕もちゃんと挨拶しなくては! と思い、挨拶をきちんとできるようになりました。

Eさん:英語が好きな人におすすめです。ネイティブの先生が教えてくれるので、英語を深く学べます。それに、教室が先輩と同じフロアなので、交流が盛んです。先輩後輩が仲良くなりやすいのも魅力だと思います。とても明るくて楽しい学校です。

<取材を終えて>
目黒日本大学中学校の教育方針にピタリと重なる探究の授業を取材させていただいたが、生徒たちはタブレットを使用し、インターネットで調べながらも、班で積極的に話し合う姿が多く見られた。コミュニケーション力の育成に力を入れる同校の教えが、生徒たちに根付いている印象だ。道徳の授業は、学年全体授業。SNSの問題点について、生徒たちに考えさせ、発言をする場を与えていた。その場で考えたことをみんなの前で言葉にするのは難しいが、挙手をして発言をする生徒もおり、興味の高さがうかがえた。
生徒インタビューでは、それぞれに部活の話も聞いたが、Nさんはバスケ部、Sさんはイラストクリエーション部で、学業と部活を両立させて頑張っているようだ。とにかく二人から「学校が楽しい!」という様子がダイレクトに伝わってきた。校内ですれ違う生徒たちが、立ち止まってハキハキと「こんにちは!」と挨拶をする姿は気持ちよく、教育内容の充実さに加え、明るく前向きな雰囲気も、この学校を人気校へと押し上げている要因ではないかと感じた。

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