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東京成徳大学中学校

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スクール特集(東京成徳大学中学校の特色のある教育 #4)

生徒一人ひとりの進路を高校の先生全員で対応!充実の進学サポート

東京成徳大学中学・高等学校では、生徒の進路探究から多様な大学入試の指導まで、先生がチームとなって対応している。同校の進学サポートについて、進路指導部部長の吉川直樹先生に話を聞いた。

面談を大切にした進路指導。豊富な指定校推薦枠も魅力

同校は、生徒が変化の激しい社会を生き抜くために、「創造性」「主体性」「チャレンジ精神」を備えた「Distinguished Learner(自律した学習者)」の育成を教育目標に設定している。そして、進学を自分の未来に向かう重要なステップと位置づけ、手厚くサポートをしている。それは、「○○大学に進学させる」というものではなく、生徒が主体性をもって進路を見出せるよう、一人ひとりの希望を実現できるようバックアップをするというのが、同校の進学サポートの特色だ。

吉川先生は、進学をサポートするうえで重視しているのが面談だと語る。「本校は高2、高3に、担任と進路指導部の教員による『W担任制』を設けています。近年は、入試の形態や大学の学部・学科も多様化しているので、担任だけではカバーできないこともあるからです。

そして1学期の期末試験が終わると、1か月以上にわたって進路面談を実施しています。メインは高3ですが、高2、高1からの申し込みもあります。それぞれの生徒に応じた内容で話し合いをし、進路が定まらない生徒には、その子の好きなこと、やりたいことを引き出すような声がけをしています。そこで、たとえば『建築に興味がある』ことがわかれば、本校の指定校推薦枠の中から建築学部のある大学を示し、まずはオープンキャンパスに行くようにアドバイスをします。指定校推薦という具体的なものがあると、進学に対する真剣みが増します。もちろん推薦ありきではなく、他のタイプの入試のほうが向いていたり、違う大学を見てそちらを選ぶ場合もあるだろうし、本人の希望を聞きながら一緒に受検の対策を考えていきます」

なお、同校の卒業生は高等部と併せて500名以上おり、これに対して指定校推薦入学枠は約1320名分(2023年度、高3生に対する4年制大学の入学枠)と倍以上あり、例年、多くの生徒がこの制度を利用しているという。

▶︎進路指導部部長 吉川直樹先生

指定校推薦入学枠の内訳

慶應義塾・東京理科・学習院・青山学院・立教・中央・法政・立命館
約22名分

日本・東洋・駒澤・専修・成城・神奈川・明治学院
約40名分

大東文化・東海・亜細亜・帝京・国士舘・拓殖・東京経済
約60名分

芝浦工業・東京都市・工学院・東京電機・東京農業
約65名分

東京女子・日本女子・大妻女子・昭和女子
約25名分

歯学部・看護学部・薬学部
約70名分

海外大学(Arizona State University(米国))など
約50名分

指定校推薦大学の一覧は2024年4月の情報です。

進路の探究と連動する海外留学や探究学習プログラム

同校は、6月と11月の中間試験後に約1週間を使って定期面談を行い、同時にこの期間は進路指導週間にもなっている。「大学の講師による出張講座を開いたり、卒業生や社会人に講話をしてもらうなど、キャリア教育を行っています。中でも、さまざまな職業の社会人を15~20名招き、各グループに分かれて話を聞く『キャリア・インタビュー』は、生徒にとって進路を考える大きなきっかけになっていると感じます」と吉川先生は言う。

また同校は、生徒の主体的な学びを重視し、プレゼンテーションなどアウトプット型の授業を実践し、校外学習や海外留学のプログラムにも取り組んでいる。さらに高1で、多岐にわたる専門分野から興味のあるテーマを一つ選んで学びを深める「Diversity Seminar(ダイバーシティ・ゼミナール)」、高2では個人研究の一環として、「実地踏査型研修旅行」を行うなど、独自の探究型学習を展開している。このような教育活動は、「自律した学習者」を育てるとともに、自ら進路を探究する力も養っている。

実際、ある卒業生は、高1の国語の授業で文学作品についてレポートを書き、自身の声でナレーションを入れるビデオを制作。そうした表現活動が自分の得意分野であることに気づき、高2の個人研究では、九州の駅弁を作っている会社の協力を得て、地方創生をテーマに論文を作成。それを総合型選抜に応用し、慶應義塾大学に進学した。

また、学校の留学制度を利用してカナダに1年間留学し、帰国後はネイティブの先生のサポートを受けて、イギリスのサセックス大学に進学した卒業生もいる。

吉川先生によると、近年は海外大学の進学を希望する生徒が増えており、3年前に50の海外大学と指定校推薦の協定を締結。これにより一定の英語力と評定平均があれば、スムーズに進学することが可能になった。「また、欧米の大学は指定校推薦で出願をしても、他大学と併願することができます。まだ、そういう例はありませんが、今後は国内大学と並行して受験する生徒も出てくるでしょう。指定校推薦を使わない場合も、海外留学のエージェントを交えて面談をしたり、エッセーライティングやスピーキングの指導をするなど、全面的にサポートをしています」。今年度は3名の生徒が海外大学に進学し、うち2名が指定校枠を利用したそうだ。

海外大学の指定校推薦枠
北米英 26校(アメリカ:13校、カナダ:4校、イギリス:9校)
オセアニア 21校(オーストラリア:13校、ニュージーランド:8校)
アジア 3校 (マレーシア:2校、シンガポール:1校)

指定校推薦大学の一覧は2024年4月の情報です。

複数の視点による調査書の作成や、出願の検討会を実施

同校は中高一貫校の強みを生かし、高1までに基本的な学習をほぼ終えて、文系、理系に分かれる高2以降は、進路に合わせた学びができるようなカリキュラムを編成している。「高3では、総合型選抜に必要な小論文も選択制の授業に取り入れています。ここ数年、大学の入試が多様化しており、本校でも推薦や総合型選抜で進学する生徒が6割を超えています」と、吉川先生は受験の傾向を話す。

「もちろん、3割の生徒は一般選抜を受けるので、長期休暇を利用した講習会や、個別補習を行うなど、最後まで学習支援をしています。ちなみに、浪人生と面談をすることもあるんですよ。そこで志望校を確認し、必要であれば、学校の講習会で使用している問題集を代金だけもらって渡してあげています」

また、同校は先に述べたように、進学サポートをするうえでW担任制をとっているが、「実質的には高校の教員全員で指導に関わっています」と、吉川先生は言う。「大学へ提出する調査書は担任が書きますが、高1、高2の先生も内容を見て、『この子は○○の活動をがんばっていたよ』と助言をしたりします。特に若い先生などは、高1や高2で進学指導をすることで、高3の担任になった時にその経験を活かすことができますね。

そのほか、指定校推薦など年内入試を受ける生徒には、その子に合った教員を割り振って、小論文や面接、英語などの指導をしてもらいます。ときには部活動の顧問や、中学校の先生が担当することもあります。一般選抜で受験する生徒には、いつ、どこの大学を受けるのか、試験科目は何で、どこを重点的に勉強すべきか、そのために冬期講習ではこれをやろう、というように細かく詰めていきます。また、大学の出願の際も、進路指導部の先生が全員集まって検討会を開いています」

このように同校は、多様な大学入試に対して、また、目の前にいる生徒一人ひとりの進路に対して、先生がチームとなって対策をしている。まさに面倒見の良い学校である。

<取材を終えて>
同校は、大学入試の多様化の流れに対応し、海外大学も希望者が増えてきたから指定校推薦を設けるなど、常に生徒第一で進学をサポートしている。しかも、そのサポートを多くの先生で担っていることが、シンプルに「手厚くて良いな」と思う。生徒にも先生が自分の進路に向き合ってくれていることが伝わっているだろう。

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