スクール特集(昭和女子大学附属昭和中学校の特色のある教育 #2)
生徒たちが企画・運営 2018年から新しい「昭和祭」がスタート
毎年、秋に開催されている昭和祭(文化祭)が、今年度から大幅にリニューアル。「新たな昭和祭の伝統をつくりたい」と語る生徒たちの熱い思いを取材しました。
子ども園から大学院までが参加する大規模な文化祭「昭和祭」。これまでは各クラスで研究発表を行っていた中学高校の催しが、今年度からエンターテイメントの要素を取り入れ、大きく変わります。「どのような昭和祭をつくっていきたいのか」、高2の企画メンバーに話を聞くとともに、教員の企画委員長である今村量生先生にリニューアルの経緯や生徒への期待などを語ってもらいました。
生徒たちの熱い思いが伝統行事を変えることへ
今年から同校の文化祭である「昭和祭」が大きく変わります。これまでクラス単位で取り組んでいた統一テーマによる研究発表は別に行うこととし、昭和祭は、もっと自由な催しにしようということになりました。どのような経緯で、変更されることになったのでしょうか。
「実は昨年の昭和祭の時も、企画を担当している生徒たち※から、もっと楽しめる文化祭をつくりたいというリクエストがありました。しかし、学校としての昭和祭の位置づけは、総合学習の一環であったため、研究発表を外すことはできませんでした」と、今村量生先生は言います。
そして、「高1だった企画の4人も、今年はまとめ役となりました。引き続きといいますか、昨年以上の熱意で『昭和祭を変えたい』と企画書も作成して言ってきます。その思いを汲みたいと私も教員の(昭和祭)企画委員長に手を挙げ、応援することにしました。また、本校はちょうど今、変革期であり、チャレンジをスローガンにあげ、様々な教育改革に取り組んでいます。そうしたタイミングもあり、学校も生徒たちのチャレンジ精神を尊重し、総合学習を昭和祭から外して、別個に実施することにしました。もちろん、これまでの研究発表も、とても意義がありましたので、発展的な解消と捉えています」
※昭和祭の企画は、高校1年生4人、2年生4人の8人で構成。高1から高2は、同じメンバーで継続する。
▶写真左からYさん、Sさん、Tさん、Nさん
活気のある昭和を発信し、ここから新たな伝統を作りたい
こうして、新しい文化祭に取り組むことになった同校。中心となって活動する企画の高2生に、現在(5月中頃)、取り組んでいることを聞いてみました。
Tさん(リーダー)
現在は、中2~高2の各クラスから企画書を出してもらっています。カフェや映画制作、劇、縁日(ゲーム)、お化け屋敷などがあがっていますね。企画が偏ってもいけないので、飲食は7クラスくらいにしようと考えています。また、統一テーマを作った方が、生徒の一体感が増すのではないかと思い、8人で「カラフル」というテーマを考えました。光彩をイメージしたこのテーマには、一人ひとりの個性、色を出していきたいという意味が込められています。
初めての試みの昭和祭ですが、何が大変でしょうか?
Sさん高1の時は、先輩がいてサポートをしてもらっていましたが、今度は私たちがリーダーシップを発揮しなくてはいけません。それに加えて、新しいことも決めていかなくてはならないので2倍大変です。
企画の仕事以外に、クラスの一員として催しに参加する楽しみなどを教えてください。
Nさんまだ決定してはいないのですが、私たちのクラスは、カフェをしようと考えています。大型テーマパークのアトラクションのようにしたい! みんなが楽しめることをやりたい!といろいろな案があがっています。
Sさん私のクラスもまだ途中段階ですが、話し合いの様子を見ていると、昨年と違った盛り上がりや、みんなの笑顔が見られます。企画を変えたことで、今まで積極的ではなかった人もどんどん意見を出してくれるのがうれしいです。
Yさん私たちのクラスもカフェが有力候補です。ただ、出されている案が自由過ぎて困惑している人もいて、一部の人だけが盛り上がるのではなく、みんなで楽しめるような企画にしたいと思っています。
新しい昭和祭をつくることへの意気込みを語ってください。
Nさん今年から研究発表という枠が外れ、生徒たちが挑戦したいことを積極的に行える環境が整いました。今までは、受験生や保護者の方々に、研究発表を通してでしか伝えられたかったものを「昭和って、こういう学校ですよ」という違う一面を見せられたらいいと思っています。SNSでも発信していく予定なので、多くの人に来ていただきたいです。(Twitter:昭和祭企画@showasai_jikkou )
Tさん今年の文化祭は、「活気のある昭和」を見せることができると思います。今までは、研究発表が昭和祭の伝統だったけれども、ここからまた新たな伝統を作っていきたい。エンターテイメントの要素が入り、他校と似た催しになってしまう点はありますが、その中でも、昭和女子ならではのオリジナルの伝統を作っていきたいと思っています。
Sさん新しいことを始めるのは大変なことも多いけれども、様々なことにチャレンジできるし、クラスの絆であったり、昭和の良いところを外部に発信できるいい機会になるのではないかと考えています。私は初等部から内部進学をしたのですが、小学生の時に昭和祭の案内係をした時も、お客様が静かに見ているだけで、楽しめる文化祭ではないなと感じていました。そんな長年の思いを、自分たちの手で変えていけるチャンスなので、がんばっていきたいです。
Yさん今までは企画が研究発表だったので、どちらかと言えば、若い人よりも上の年齢の方々に喜んでいただいていました。今年は一変して、アクティビティなど楽しい要素を盛り込みます。私たちの世代が楽しめる企画を考えるのは、簡単だと思うのですが、今度は若い人だけが楽しめる内容になってもいけない。伝統も大切にしながら、幅広い年代の人が楽しめる企画を考えたいと思っています。
学校の主役は生徒!彼女たちのチャレンジを応援したい
生徒たちの思いを受け、今村先生は「今年の昭和祭は、学校のイメージを一新するきっかけになるかもしれません」と話します。「本校は100年近くの伝統があり、それは誇るべきことですが、自己満足で終わってもいけないと感じています。文化祭を評価するのは、来ていただいた方々です。これまでは研究のテーマ決めも広報活動も教員が主導でやってきましたが、やはり学校の主役は生徒なので、生徒から学校の魅力を発信してもらいたいですね。とは言え、今年は0からのスタートなので、スムーズにいかないこともあるかもしれません。でも、それも1つの勉強です。そこを起点に、来年につなげていけばいい。
新しい昭和祭は、お客様も在校生も、そして教員も巻き込んで、一緒に楽しめるようにしたいですね。私たちは、企画の彼女たちのチャレンジに期待していますし、できる限り教員もバックアップしていきたいと思っています」
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