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雲雀丘学園中学校

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スクール特集(雲雀丘学園中学校の特色のある教育 #8)

多彩な探究活動の展開が、国公立大学の推薦入試合格者の増加につながる

「孝道(親孝行)」を大切に「やってみなはれ精神」で自ら挑戦する力を育む雲雀丘学園中学校。今回は、国公立大学推薦入試合格者増加の原動力となった探究の取り組みを中心に紹介する。

探究プロジェクトやワンデイカレッジをはじめ、学外とも連携し、探究活動に力を入れてきた雲雀丘学園中学校。2021年大学入試では、国公立大学の推薦入試合格者が大幅に増えるなど、その成果は着実に表れてきている。
コロナ休校中もオンラインで開講されたという探究ゼミ、「自分たちで作る研修旅行」、Cross Curriculum(クロスカリキュラム)など、今最も力を入れている探究の取り組みを中心に、入試広報部長の板倉宏明先生に話を聞いた。

国公立大学推薦入試合格者増加に表れる、探究活動の成果

3年連続、国公立大学への現役合格者数3桁を達成し、好調な合格実績を上げている雲雀丘学園。2021年大学入試では105名が現役で国公立大学の合格を手にした。現役合格者数と共に、注目したいのが国公立大学の推薦入試合格者の増加だ。2019年は7名、2020年は19名、2021年は29名が推薦入試合格と年々増加している。特に大阪大学への推薦入試合格は、全国でトップクラスの8名にのぼった。この実績について、板倉先生は「探究の取り組みが生きてきた結果ではないか」と分析する。

「今年度の推薦入試合格者29名は、中入生が14名、高入生が12名、浪人生が3名という内訳で、特に中入生が目立ちます。国公立大学の推薦入試ではエントリーシートのような自己推薦書・志望理由書の提出を求められる場合が多いのですが、これには今まで中高で何をやってきたか・大学で何をしたいかという定番の質問があります。いわゆる教科の勉強以外、中高で何もやってこなかった子は書くことがありません。当校の生徒、とりわけ中学校からの子は色んな探究のイベントに参加しているので、書くネタが豊富です。先日開催した中学入試報告会でも、卒業生が『中3の時に探究プロジェクトで鳥取大学に行って、骨肉腫の研究をしました』『海外研修に参加し、ボストンに行ってハーバード大学やMITの学生と議論しました』など色々と今までの経験を話してくれました。そういったことを生かして、推薦入試に29名が受かりました。当校の探究路線が進路にもつながっている。ありがたいなあと思います」

教科の枠も学年も超えて実施する探究ゼミで、様々な視点を磨く

雲雀丘学園中学校の探究は、探究的授業・探究プロジェクト・探究ゼミの3本柱で構成されている。探究ゼミは、2019年度から始まった取り組みで、教員が専門的な知識や技術を生かし、教科の枠を超えて行う特別授業だ。昼休みや放課後の空き時間を使って実施され、コロナ休校中もZoomやV-Cubeを使ってオンラインで開講したそうだ。対象学年を中1~高3と広く設定しているゼミが多く、生徒は自分が学びたいことを学年の枠を超えて自由に学ぶことができる。2020年度は全17講座、延べ400人近くの生徒が参加した。

全17講座の内、通年で定期的に開講したものは「経済を学ぶ」「法律を学ぶ」「日本の交通網」「教育を考える」「ビブリオバトル」「SDGs」の7講座。「法律を学ぶ」では『ヤングケアラー』『半沢直樹』など毎回違う時事ネタを取り上げ、それらを法や倫理の観点から考えてみたという。
単発講座のひとつ、朝日新聞阪神支局で開講された「表現の自由・報道について考える」では、1987年の同支局襲撃事件について支局長から話を聞いた後、言論の自由を守るにはどうしたら良いかを皆でディスカッションしたそうだ。現在、香港やミャンマーで起きている自由についての問題が他人事ではないということを生徒達が知るとても良い機会になったと板倉先生は話す。

「こういった自由参加の探究ゼミが出来るのも、当校のコースが1つしかないからだと思います。もしコースが分かれて、あなたは勉強、あなたはスポーツ、などとしてしまったら、子どものモチベーションもそうなってしまいます。皆同じコースだから、皆一緒にがんばろうとなるのだと思います」(板倉先生)

また、高3生で、国公立大学2次試験の準備をしつつ、2月の最終ゼミまで参加した生徒もいたとのこと。その生徒は、日本と海外の『繋ぎ目』になりたいと、色々な知識を吸収すべく、複数のゼミに積極的に参加していたという。知識や新しい視点だけでなく、夢に向かって楽しみながら学ぶ先輩の姿も、大きな糧となったことだろう。こういった学びの場でも縦の関係を作ることができるというのは、中高一貫校ならではの強みだ。

旅行も学びに。自分たちで作る研修旅行

文科省が推進する主体的な学び・深い学びを一歩進めるべく、新しいコース制「一貫探究」を導入したのが2019年のこと。2021年度に3年生となる第1期生で初めて挑戦する取り組みが「自分たちで作る研修旅行」だ。文字通り、生徒は研修旅行の目的地や行き帰りの交通手段、現地に行ってから何をするかなど、一から研修旅行の計画を練っていく。研修旅行の計画を練るにあたっての条件は「飛行機を使わないこと」「3泊4日」の2つだけ。一人ひとりが自分の研修旅行プランを立て、プレゼンを行った。先日、生徒の投票を経て最終的に催行する6つのプランが選出されたそうだ。この「自分たちで作る研修旅行」について板倉先生はこう述べる。

「今までも平和や環境といったテーマを持って研修旅行を行ってきました。今回の研修旅行のテーマは『自分たちで考えて、自分たちで作り上げる』。研修旅行を探究の教材にすることで、これまで学んだ知識や技量というものが発揮されます。自分たちで考え、自分たちで作り上げることで、研修旅行を自分のものにしていってほしい。だからこそ枠を決めるのではなく、生徒達の自由にしてもらわないと。先日の発表会でも、聞いたこともない神社やパワースポットなど、調べなければ出てこない観光地が出てきたり、逆に地理で学んだことを生かしたプランを提案したりする生徒もいました。この時期だから出来るものということを考えて作ったのでしょう。どれもオリジナリティを発揮したプランばかりで、旅行業者の方もこんなプランがあるのかとビックリしていました」

この後、生徒はどのプランに参加するかを選択。参加者で計画の微調整を行った後、10月下旬に6プランが一斉に旅に出るという。新たな挑戦に教員の不安も多いことだろう。しかし、研修旅行について笑顔で話す板倉先生の姿に、生徒のみならず教員も楽しみながら取り組んでいる様子が伝わってきた。

より深い学びを生むCross Curriculum

2021年度から、現在のグローバル教育をより進化させるべく、グローバル探究部が発足。次に挑戦しようとしていることが、CLIL(クリル)をさらに発展させたCross Curriculum(クロスカリキュラム)だ。CLILは英語と他教科とのコラボレーションだったが、Cross Curriculumは英語に限らず、様々な教科でタッグを組む。

本格的な導入に先駆けて、12月に災害をテーマに4講座が開講された。その一つ、中1対象の「社会×理科:疫病と大仏建立の関わり」は、奈良時代に流行した天然痘を生物学的観点と歴史的観点から考えるというもの。「疫病が猛威を振るったとき、ワクチンや薬がない奈良時代の人々はどうしたか」という問いかけから授業は展開された。生徒は大仏建立の背景にある感染症対策という一面を知ることで、コロナ禍の中、より実感を伴った学びを得られたに違いない。

「ついつい我々教員も教科という狭い枠組みで考えてしまいますが、世の中に出たら教科の枠はありません。目の前に起こる色んな問題を自分で切り開いていかないといけないし、答えがないのが世の中だと思います。年に数回、イベント的にそういう授業をスポットで入れていく予定です。色々な先生がああでもない、こうでもないと話し合って授業を作っています。そこで出てくる新しい学びが必ずあると思うんです。我々も準備は大変ですが、面白いです」(板倉先生)

放課後学習の新しい選択肢『Hibari-GYM』を導入

2020年度から、外部業者との連携で新たに始まった質問型自習室『Hibari-GYM』。設置するに至った理由を板倉先生はこう説明する。

「当校で塾に行っている生徒の割合は約3割。なぜ塾に行くか聞いた所、家ではなかなか勉強ができないという話が出てくるんですね。そこで、学校で勉強できる環境を整えてあげたいと、自習スペースを拡充してきました。自習スペースでは、中学生は18時まで、高校生は20時まで勉強することができます。しかし、労働時間の関係で我々は生徒の質問に20時まで答えることができません。自習中も質問したいという生徒のニーズに応えるため、外部業者に委託し、待機しているチューターにいつでも質問ができる『Hibari-GYM』を開設することにしました」

『Hibari-GYM』は、平日は20時まで、土曜やテスト期間中は18時まで開室しているほか、長期休みも朝9時30分~16時開室。クラブが終わった後に20時まで勉強するなど、自分の予定に合わせた利用が可能だ。
質問型とカリキュラム型の2種類があり、質問型は自分のペースで学びながら分からない問題があれば、待機しているチューターにいつでも質問することができる。カリキュラム型は、チューターから一対一での指導が受けられる個別指導スタイルだ。職員室には、教員が授業で使ったプリント類を入れる『Hibari-GYM』用のボックスが用意されていて、チューターがどのような授業が行われているか把握できるシステムを構築するなど、教員との連携も図られている。またチューターには卒業生も来ているため、教員も安心して任せられると板倉先生は話す。

<取材を終えて>
最後に、板倉先生は「二度とない青春なんだから、振り返って『楽しかったな』と思えるのが一番大切だと思うんですよね。雲雀に来て良かったな。そこで出来た友達、最高だなと思ってもらいたい。受験でも、最後までやってダメやったら納得いくと思うんですよ。だから、教員は生徒が納得できる6年間を打ち出さないといけない」と話す。

「生徒が納得できる6年間を」という思いの元に展開される雲雀丘学園中学校の教育。今回、紹介した以外にも台湾の中学校とのZoomでの交流や英語字幕ボランティアなど、コロナ禍の下でも、様々な取り組みが実施されている。

生徒達も上手に時間を使って、豊富に用意された取り組みに挑戦。色々な経験を通して、知識や考える力、新たな視点などを培い、物事を様々な角度から見て考えられる力・解のない問題に向き合う力を養う。それらの力は、これからの社会に何よりも求められるもの。だからこそ、同校の生徒は推薦入試の場でも評価され、推薦入試合格者が2年で3倍以上になるという結果が表れてきたのではないだろうか。
「色んな学びにワクワクしてもらいたい」と、これからも続く同校の挑戦に期待が高まる。

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