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雲雀丘学園中学校

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スクール特集(雲雀丘学園中学校の特色のある教育 #10)

大学や社会での学びを中高時代に経験。なりたい自分から逆算して臨む受験

現役生の国公立大学合格率が4割を超える雲雀丘学園中学校・高等学校。大阪大学の総合型・学校推薦型選抜入試での合格者も2年連続、全国トップだ。躍進を支える同校の探究活動について聞いた。

2023年度大学入試では卒業生314名のうち国公立大学に128名が合格。現役生の国公立大学合格率は4割を超える。同値はこの10年で倍に伸びた。また現役での大学進学率が約9割と非常に高いのも雲雀丘学園中学校・高等学校の特徴だ。これらの実績のキーワードとなるのは探究活動だ。入試広報部長の今岡祐資先生に話を聞いた。

自分のやりたいことを第一に据えた進路選択を可能とする“探究論文”

同校では、約20年前から大学の先生を招いての体験授業を行う『One Day College』を実施するなど、探究活動に力を入れてきた。現在では週2時間の『探究』の授業のほか、大学や企業との連携講座『探究プロジェクト』、同校教員による特別講座『探究ゼミ』を3つの柱として探究活動を展開する。

充実した探究活動の中でも、特に高1の『探究総合』の授業で取り組む“探究論文”の重要性について、今岡先生は説く。

「中2~高1で実施する『探究』の授業では、高1の終わりに今までの活動の集大成として“探究論文”を作成します。テーマは各自で自由に設定してもらっています。取り組む中で、生徒は自分がどういうことを大学で学びたいかを見つけられることの意味は大きいですね」

“探究論文”では「オンライン授業と対面授業の集中度の関係性」「うまい棒から見る世界情勢」「教室の机といすの効果的な置き方」など、日常生活に端を発する疑問や興味をテーマに据えているものが多いという。なかには、なかなかテーマを見つけられない生徒もいるが、教員から具体的なテーマを提案することはないと今岡先生。

「自分から出てきたテーマでないと完走できませんから。教員は参加している探究プロジェクトや探究ゼミの内容、または日常生活で生徒が口にしていることなどから自分なりのテーマを導きだせるようサポートに徹します」

提出された“探究論文”の中でも特にしっかり書けているものは『One Day College』などでつながりがある大学の先生に送り、査読してもらうという。

「論文の内容について、大学の先生方からコメントが生徒に返ってきます。生徒にとって、大学の先生からリアクションがもらえることは学びへのモチベーションにつながりますし、高1の段階で大学の存在を意識できるようになります。それは大きなアドバンテージとなります」

この経験は高2での文理選択にも大きな影響を与える。今岡先生は「数学が苦手だから文系などという消極的な選択ではなく、自分の学びたいこと・やりたいことを第一に据えた選択を可能にします。自分から出てきた選択だからこそ、その責任も自分で取らないといけない。だからがんばろうという前向きな流れに自然と乗っていけます。それが受験勉強への迷いのなさを生み、昨今の大学合格実績につながっていると感じています」と話す。

▶︎入試広報部長 今岡祐資先生

総合型選抜・学校推薦型選抜で生きる探究活動の経験

探究活動が学校生活に根付いている同校では、それらの経験を生かし、多くの生徒が総合型選抜・学校推薦型選抜にのぞむ。2023年度の国公立大学合格者128名の内、24名はこれらの選抜入試の合格者だ。なかでも大阪大学の総合型・学校推薦型選抜合格者数は8名と2年連続で全国トップを誇る。

選抜入試では、志望理由書や面接など自己を表現する場が多く設けられている。その際、中高の6年間で培ったプレゼン能力が発揮されると今岡先生は指摘する。

「探究プロジェクトや探究ゼミでどんなにすばらしい学びをしても、それを効果的に表現できなければ面接はうまく運びません。高3生の面接練習を見ていると、今の生徒はプレゼン能力や自己表現が上手だなと感じます。特に本校は、探究活動や普段の授業でも発表する機会が非常に多い。このようなプレゼンテーション能力は、学校生活を通じて人前に立って話す経験を積み重ねてきたことにより培われたものです」

多くの発表の機会があるということは、他の生徒の発表を聞くことも多いということ。それもプレゼン能力の向上に貢献する。特に、年2回開催される『グローバル探究EXPO』では得るものが大きいと今岡先生はいう。

「『グローバル探究EXPO』では中1~高2の代表者が、前年度の探究プロジェクトや探究ゼミなどでの探究活動をポスターセッションやプレゼン形式で発表します。プレゼンが上手な生徒は、最初に問いかけから始めたり、途中で手を上げてもらったりするなど、観客を巻き込んだ発表をします。それを目にすることで『ああいう発表の仕方もあるんだな』と生徒は学び、自分の発表に生かすようになります。やはり教員が言うよりも同世代の生徒がしている姿から学ぶことは非常に多いようですね」。

また他の生徒の発表を目にすることで、探究活動への参加意欲が高まると今岡先生は続ける。

「希望制の探究プロジェクトやゼミをとる意欲がうちの子にあるのかと心配される保護者の方は多いです。実際、最初はクラブ活動に専念する生徒と探究活動に励む生徒で分かれます。しかし『グローバル探究EXPO』などで自分と同学年や年下が発表をしている姿から刺激を受けて、自然と興味を持つようになります。ある中3生は部活を引退して時間ができたので、興味があった探究プロジェクトに初めて参加したと話してくれました。人によって取る時期、取らない時期があっても良いと思います。探究ゼミは、昼休みに開催だったり単発参加可能だったりと、気軽に参加できるものも多くあるので、自分の学校生活のリズムに合わせて参加してくれていいと思います」

高3の1年間は大学入試に特化した授業・講習を設定

同校が設定した様々な取り組みを通して、生徒は自然と大学入試に対して前向きに取り組むようになっていく。それを後押しするため、同校では大学入試に向けての手厚いサポート体制も整えている。まず、総合型選抜・学校推薦型選抜対策では、受験予定の生徒一人ひとりに志望学部や研究内容に合わせて決められた担当の教員が付き、志望理由書の添削から面接の指導まで行う。

「志望理由書の添削は、多い生徒だと20回以上に及ぶこともあるので、1人の教員が同時期に見る生徒数をできるだけ抑え、担任とも連携を取りつつ綿密なサポートをしています。総合型選抜・学校推薦型選抜を突破して入学した生徒は、大学での学びのモチベーションが高いという調査結果も出ています。2023年大学入試では、学年の約3割の生徒が総合型選抜・学校推薦型選抜に挑戦しました。今後もますます増えると思いますが、しっかりとサポートしていきます」

その一方、高3では6時間目で授業が終わり、7・8時間目に大学入学共通テストや志望大学別講習を設定するなど、一般入試対策も万全に整える。

「高3の授業は大学入試に特化した内容となっており、大学入学共通テストの過去問や想定問題、国公立大学・難関私立大学の入試レベルの問題に取り組みます。放課後は大学入学共通テスト対策講座を中心に、京大・阪大レベルの数学や英語、関関同立対策など年30講座以上設定しています。12月からは大学入学共通テスト中心の対策となり、大学入学共通テスト後は二次試験対策を3月まで行うなど、国公立大学入試の後期日程まで指導します」

どの講座も希望制で、出席するかは生徒の自主性に任せているが、ほぼ全員が参加する。塾や予備校に行かず、学校の講習だけで大学受験に臨む生徒も多いという。また、講座の出席率が100%に近い理由には、大学入学共通テストの受験が全員必須となっていることも上げられる。

今岡先生は「本校には私立大学の指定校推薦枠も豊富にあり、他の推薦型選抜の合格者を含めると約1割の生徒が年内に進学先を決めます。それらの生徒も、大学入学後を見据え、年明けの講習に参加し大学入学共通テストを受験します。既に合格をもらっているのにがんばって勉強している生徒が同じ教室内にいることで、本番を控えている生徒はよりがんばろうという気持ちになるようです」と説明する。

【取材を終えて】

今岡先生に探究活動を活発に展開できる要因について聞いたところ『One Day College』から長い付き合いがある大学が多いこと、サントリーの支援を受けていること、多様な経歴を持つ人材が揃っていることの3つが返ってきた。

「各大学との付き合いは20年以上に及び、それが探究プロジェクトでの大学の研究室訪問などにつながっています。教職員な地道な努力により、様々な企業とのつながりも生まれています。アドベンチャーワールドとのコラボで生まれた探究プロジェクト『ジャイアントパンダからSDGsを考える』もその一例です。それらのつながりを生かし、グリコやアストラゼネカとのコラボなど、2023年度は30を超える探究プロジェクトを設けています。また本校には、入職前に別の職業に就いていた教員も少なくありません。私自身も放送業界から転職してきた身ですし、コンビニエンスストアの店長経験がある教員による『コンビニエンスストアの経営ゼミ』も今期初めて開講しました。年々探究活動は広がりを見せています。積み上げてきた歴史と人脈を基盤に、今後も新しい活動を開拓していきます」と今岡先生は熱く語る。

コロナ禍が落ち着いた2023年度は、海外研修もアイルランド・オーストラリアで再開し、新たに台湾研修も実施予定。加えて、ドイツにある姉妹校との交換留学の計画も進行中だとか。
自分のやりたいことを見つけ、自分で目標を設定し挑戦していく生徒を育てるため、意欲的に様々な機会を設定する同校の今後に、これからも注目したい。

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