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仁川学院中学校

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スクール特集(仁川学院中学校の特色のある教育 #7)

先輩とも後輩とも先生とも距離が近い!縦割り活動がいっぱいの学校生活

「アカデミア」「カルティベーション」の2コース制を導入する仁川学院中学校。中3生・中2生の2名に、両コースの学びの特長や「仁川タイム」をはじめ、同校が注力する縦割り活動について話を聞いた。

仁川学院中学校が建学の精神に掲げる「和と善」とは、神からの贈り物としてのお互いを尊び、仲良くする「和」の心で「善」を分かち合うことに生きる喜びがあるとするもの。その精神を培うため、同校では伝統的に3学年合同の縦割り活動を多く設けてきた。中3生・中2生の2名と入試広報部長の亀井宏樹先生に、同校の学校生活について語ってもらった。

中3 アカデミアコース 工藤 蒼來さん
中2 カルティベーションコース 髙﨑 響叶さん

▶︎写真左より:工藤 蒼來さん、髙﨑 響叶さん

9割近い生徒が部活動に参加!

-仁川学院を選んだ理由を教えてください。

工藤さん:私は仁川学院の小学校から通っており、穏やかな雰囲気が気に入って、そのまま中学校に上がることにしました。

髙﨑さん:私は子どもの頃から水泳をしていて、まず仁川学院の設備の整った温水プールに惹かれました。また、先生方が一人ひとりに親身になって勉強を教えてくれ、部活動と学習の両立が出来そうと感じた所も仁川学院を選んだ理由です。

-お二人は部活動をされていますか?

髙﨑さん:私は水泳部に入りました。水泳部は月曜から土曜まで練習がある、運動部の中でも活発に活動している部です。中高合同で活動していて、高校の先輩方の熱意がすごいんです! それに感化されて、中学メンバーも皆、それぞれが目標とする大会に向かってがんばっています。

工藤さん:私は部活動をしていないのですが、同じアカデミアの3年生だと8~9割はしています。美術部や写真部など活動日数が少ない部に、行ける日だけ顔を出す形で所属している子もいますね。水泳部のように毎日活動がある部の子たちは、授業中に授業内容を理解しきろうと先生の説明を細かくノートに記すなどして、勉強との両立を図っています。

あらゆる教科で探究活動を行うアカデミアコース

-アカデミアコースの特長を教えてください。

工藤さん:探究の授業だけでなく、普通の教科でも色んなことに疑問を持って、それを解決しようとする姿勢を大切にするコースです。学習面では応用問題まで取り組みます。私が好きなのは、土曜日にある探究の授業。中1~2年では班ごとに、中3では自分の好きなテーマを探究します。

-工藤さんはどんなテーマに取り組んできたのですか?

工藤さん:中1~2では学校の校則について、どのように変わってきたのか、そのきっかけなどを調べました。初めて知ることばかりで楽しかったですし、学校のことがより好きになりました。制服や髪型について調べていく中で、LGBTQの人たちも過ごしやすい学校環境に興味を持つようなり、中3の探究ではそれをテーマに進めています。

-アカデミアコースの学習面でのサポートについて聞かせてください。

工藤さん:放課後にフォローアップという講座があります。この講座では、週2回ほどある数学と英語の小テストのやり直しや類題に取り組みます。小テストの合格基準に満たなかった生徒は必須ですが、合格していても理解を深めたいと参加する生徒もいます。

気軽に話し合える仲間がいっぱいのカルティベーションコース

-カルティベーションコースの特長を教えてください。

髙﨑さん:グループワークが多く、どの授業でも周りの人と話し合ったり、一緒に調べたりすることを良くします。私のクラスは皆元気で、気軽に話し合える雰囲気。何かうまく出来なくても、「大丈夫!」と言ってフォローしてくれる人が多いですね。

-カルティベーション・ウィークについて教えてください。

髙﨑さん:年3回あるカルティベーションコースのみの行事で、縦割り班で色んな活動に取り組みます。中1で参加したスタンプラリーでは、学校内の色んな所に立っている先生が出すクイズや課題に先輩方と挑戦し、とても仲良くなれました。7月には縦割り班での職場体験を予定しています。

-カルティベーションコースでは英語に力を入れていると聞いています。

髙﨑さん:英語の授業では、オンライン英会話に取り組んでいます。iPadに配信されたリストの中から課題を選んで、マンツーマンでネイティブの方とお話します。初めは緊張しましたが、最近では一度伝わらなくても、どうやったら伝わるかを考えて言い直すなど慣れてきました。分かりやすい単語も使ってもらえるので、笑顔で頑張っています。

縦割り活動で得られる目標となる人とコミュニケーション力

-学校独自の授業である仁川タイムについて教えてください。

工藤さん:毎週水曜日の5・6時間目にある、教科の授業とはまた違った学習ができる時間です。校舎裏の畑で野菜を育てたり農業系の学習をしたりする「仁川の森」のほか、野外活動の事前学習やダンスフェスティバルの練習をすることもあります。どちらも学年・コース混合の縦割り班で行います。私は植物にあまり詳しくなかったので、「仁川の森」での園芸活動は、最初は戸惑いました。でも年ごとに植えるものが変わって、こういう風に生るんだなと学んでいく内に楽しくなってきました。

髙﨑さん:私は、今年はトマトを植えました。実は虫が苦手だったのですが、「仁川の森」で畑に虫はいるものと習い、実際に水やりしている時によく飛んで来たりするので慣れてきました(笑)。収穫した作物は文化祭で売ったり、近隣の子ども食堂に寄付したり、家に持ち帰ったりします。父や母も喜んでくれますし、食べる時も自分で育てた作物だと思うと嬉しいです。

-ダンスフェスティバルはどのような行事ですか?

髙﨑さん:縦割り班で行うダンスの発表会です。3年生が中心となってダンスの振り付けを考え、下級生は先輩から教えてもらいます。毎年6月にあり、今年は先日終わりました。今年も先輩総動員で一人ひとりに丁寧に教えてくれたので、苦手な子でも本番までには踊れるようになっていました。踊るだけでなく、アナウンス係など、運営面での仕事もするので、仁川学院らしい“生徒全員で作り上げる行事”だと思います。

工藤さん:1・2年生の時の班長はとても親身になって教えてくれるだけでなく、普段の学校生活の悩みも聞いてくれるなど、仲良くなろうと歩み寄ってくれる方でした。その先輩みたいになりたいと、今年は班長に立候補しました。ただ、教える側になってみると後輩をサポートするのも難しく、不安になることも多くありました。班の担当の先生や学年団の先生からアドバイスをたくさんもらって乗り越えました。良い後輩にも恵まれ、納得がいく本番を迎えることができました。

-縦割り活動の魅力とは?

工藤さん:目標となる人に出会えることや、色んな立場の人とやりとりしないといけないので、自然とコミュニケーション能力が磨かれることです。私は昔から弁護士など法律関係の職に就きたいと考えており、そのためにも縦割り活動の経験はとても活きてくると思います。

髙﨑さん:縦割り活動を通して、人それぞれに色々な考えがあることを知り、それが自分の強みや弱みへの理解を深めることにもつながったと感じています。私は人見知りな所があるのですが、縦割り活動で人と関わる楽しさを知って、将来は人と関わる仕事に就きたいと考えるようになりました。

-お二人が仁川学院で学ぶ中で成長したと感じる点を教えてください。

工藤さん:小学生の頃は、学級委員長などの前に立つ役割には立候補することはありませんでした。でも仁川学院に入学して、周りの人を見て「やってみようかな」と思って手を挙げられるようになりました。これも、目標となる先輩がたくさんいて、手を挙げる人を支えてくれる人がたくさんいる環境のおかげです。

髙﨑さん:仁川学院には一つの目標にまっすぐ向き合うことを良しとする雰囲気があります。ダンスフェスティバルなどで、やりたいと思ったことに向き合い、皆と支え合うことで達成する先輩方の姿を見ることで、私も何事も中途半端で終わらせず、頑張って最後までやり遂げようと思うようになりました。

-最後に、受験生へのメッセージをお願いします。

工藤さん:3学年の縦割り活動を仁川学院ほど、たくさんしている学校は多分あまりないと思います。学年・コースも違う人と関わることが多く、困った時に色んな人に助けてもらえるのは魅力のひとつ。またアカデミアコースでは普段からコツコツ勉強している人が多く、自分への刺激にもなります。文化祭はとても楽しく、「仁川の森」の収穫物も売っているので、ぜひ見に来てください。

髙﨑さん:仁川学院は設備だけでなく、先生や先輩、大学生のメンターさんなどに勉強面・生活面で分からない所を気軽に聞ける環境も整っています。部活動と勉強も両立しやすいし、自分のしたいことに取り組みながら学校生活を送ることができます。私がおすすめの行事は運動会。クラブ対抗リレーでは美術部なら絵を描きながら走るなど、とても盛り上がります。仁川学院の何でも楽しもうとする雰囲気を感じられる行事です。

入試広報部長 亀井 宏樹先生のお話

本校の特色として縦割り活動が非常に多いことが挙げられます。「仁川タイム」以外にも、野外活動を始めとする様々な行事を毎年3学年合同で行っています。中1で何もわからず先輩たちの指示に従っていた子たちが、中2になってまた先輩たちの姿を見て経験を積んで、中3で指導役になる。同じ経験でも、学年が上がることで見え方も変わってきます。段階を踏んで人との関わり方が学べるのは縦割り活動の良い点です。

また、縦割り活動の班は半年に1回入れ替えるほか、行事によっても組み方を変えます。色んな教員が色んな形で縦割り活動に関わっていくので、生徒は授業担当以外の教員でも、顔や名前、担当教科などを把握できます。このことが、本校の教員と生徒の距離が近いと言われる理由のひとつでしょう。高校に内部進学後も、中学棟の職員室に立ち寄って談笑している生徒をよく見かけますね。

<取材を終えて>
今回の取材では、仁川学院では先輩が優しく後輩を導いている様子が強く伝わってきた。お二人によると、テスト前には先輩による勉強スケジュールのチェックやテクニックのアドバイスなども受けられるのだとか。同じ悩みを乗り越えてきた先輩からのアドバイスが、すんなりと受け入れられるのは、自然なことなのだろう。

輝くようなロールモデルを身近に持つことは、自ら学び動こうとする姿勢を育むもの。充実した縦割り活動を長年にわたり積み重ねていることは、仁川学院の大きな魅力だと感じた。

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