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スクール特集(仁川学院中学校の特色のある教育 #6)

英語で人とつながる楽しさを全生徒が実感できる環境を整える

仁川学院中学校・高等学校では、海外留学・短期研修と留学生の受け入れを二本柱に国際交流を展開する。その取り組みをこの夏にオーストラリア短期研修に参加した生徒たちの声を紹介する。

仁川学院中学校・高等学校の国際交流は、生徒が現地に赴く海外留学・短期研修と、海外にある姉妹提携校からの留学生の受け入れを二本柱とする。オーストラリア短期研修の立ち上げに携わり、2023年夏も現地に同行したスカーリー・ジェイ先生と、長期留学生の送り出し・受け入れを受け持った経験がある高3担任の竹中敏寛先生。両名に国際交流を経て、どのように生徒が変わるかについて語ってもらうと共に、海外研修に参加した生徒4名にインタビューした。

人とのつながりを築くことを主目的に、さまざまな国際交流を展開

仁川学院中学校・高等学校では、夏期休暇中に中1~高3の希望者を対象とした2週間のオーストラリア短期研修実施している。この短期研修の立ち上げを主導したスカーリー先生は、人間対人間のコミュニケーションの大切さを感じてもらうことが研修の主目的だと述べる。

「最近の子どもたちは仲良しの友達以外にあまり興味がなく、積極的に接しようとしません。この研修で知らない場所に行って、携帯を使わずに人と接して、人間らしい活動を共にすることがどれくらい気持ち良いことか、どれだけ自分にとってメリットがあるのかを実感してほしい。そう考え、企画しました」

2週間の短期研修は、3つのプログラムで構成されている。最初の2日間は自然体験。イルカの餌付けやデザートサファリでの砂滑り体験、地元スタッフの協力のもと行うクイズラリーなどを生徒たちは楽しむ。次の3日間はファームステイ。中高縦割りで4人の班を組み、班ごとに異なる農場で過ごす。日本とは違う大自然の中、先輩・後輩で助け合いながら動物のお世話や作物の手入れなどに取り組む。6日目以降は学校訪問プログラムで、姉妹提携校に通う子どもがいる家庭にホームステイしながら、授業に参加する。

▶︎スカーリー・ジェイ先生

「最初は生徒全員での観光・遊びのプログラム、次は4人班でファームステイ、最後は1人でホームステイと、皆で一緒に過ごせる安心感のあるプログラムからスタートして、少しずつ自信を付けられる構成です。寮ではなく1家庭1人のホームステイにもこだわりました。学校以外の場所でその国の人と一緒に過ごし文化に触れることも大事だと考えるからです」

現地で通う学校が一般的な語学学校ではなく、姉妹提携校であることもこの研修の特筆すべき点である。しかし、実際に現地の子が通う学校の授業レベルに我が子がついて行けるか不安を感じる保護者もいるだろう。その不安に対し、スカーリー先生は「姉妹提携校とは長期留学生の受け入れを双方向で行っており、信頼関係が築けています。それがあるからこそ、短期研修でも生徒のレベルに応じたプログラムを事前にリクエストできます。今年も生徒たちは最後までがんばって授業を受けていました」と説明する。

続けて、参加した生徒の様子について、スカーリー先生は次のように言及する。

「入学したばかりの中学1年生も行きました。限られた英語力でもなんとかなったと自信を持ったと言っていました。反対に、3年間も英語を毎日勉強しているのに、自分の英語力が本当に足りないと感じた高校生もいました。もっとがんばらないと、とこれからの勉強に向けてのひとつのモチベーションにもなったようです。正直な話、2週間で英語力が大きく伸びることはそんなにありません。でも気持ちが変わる大きなきっかけになります」

2023年のオーストラリア短期研修に参加し、長期留学を決断した生徒もいる。これも長期留学で通う学校の雰囲気を短期研修で実感できたことが大きいだろう。

また、同校では世界各国から留学生の受け入れもしており、イタリアなどの英語圏以外の国の生徒が来ることも珍しくない。そのことは留学や短期研修にいけない生徒にとって恩恵が大きいとスカーリー先生は指摘する。

「普段の定期テストで高得点を取れない子でも、自分の限られた英語力でコミュニケーションを取ろうとしますし、実際に取ることができます。完璧な英語でなくても、楽しい時間を過ごし、さまざまなことを学べ、友達にもなれると理解できます。そして、英語を母国語としない国からきた留学生でも英語をできて当たり前という感覚を持っていることを子どもたちは肌で感じることができます。それらは日本の英語教育ではなかなか得られないものです」

さまざまな取り組みを通して、人とつながることの楽しさ、そしてツールとしての英語の魅力を伝えていく環境を整えている同校。短期研修の参加希望者が多いため、今後より多くの人数に対応できるようコースを増やすことも検討しているのだとか。それと共に、留学生の受け入れも活発に行い、毎年留学生がいる状況を作りたいとスカーリー先生は意欲を見せる。

異国の文化を肌で感じる機会を全生徒に提供

2019年のオーストラリア短期研修同行のほか、担任として長期留学生の送り出し・受け入れを経験した竹中先生。教員としてさまざまな角度から国際交流に携わってきた経験を振り返って、生徒の変化を次のように話す。

「長期留学から帰ってきた生徒は飛躍的に英語力が伸びます。アメリカ長期留学に挑戦した播磨さんは、帰国後に受けた英検はほぼ満点でした。また、彼女は翻訳家を目指しており、英語力を高め、アメリカの文化を学ぶことを目的に留学したのですが、帰国後は日本についても学びたいと話すようになりました。これも異国の文化に身を置いたからこその変化だと思います」

このような変化は、オーストラリア短期研修に参加した生徒にも見られるそうだ。

「参加後は英語に対する意識が高くなり、難関大合格のために勉強するのではなく、異国で渡り合える語学力を身につけることを目的に据えるようになります。現地の学校に放り込まれ、ホストファミリーと昼夜を共にすることで、さまざまなことを肌で感じた結果であり、百聞は一見にしかずだと感じます」

竹中先生は留学に行かない生徒にも同様の刺激を感じてもらいたいと、オーストラリアからの長期留学生をクラスに受け入れた際には、日本の魅力を伝える3分間スピーチを毎日違う生徒にやってもらうなど、積極的に交流する機会を設定したという。生徒は伝わらない・聞き取れない悔しさを感じ、良い刺激を得られたのではないかと竹中先生は話す。

最後に、「本校の留学プログラムは留学先の単位を移行するシステムがあるので、元いた学年に合流することができます。短期研修は、普段の授業も受け持っている生まれも育ちもオーストラリアのネイティブ教員が企画し同行するので、安全面でも手厚く、日常の学校の延長線で行けるという側面もあります。私も親なので子どもを目の届く所に囲いたいという気持ちは分かります。でも、思い切って預けてもらえることによるプラス面は計り知れません。学校として安全策は万全を期していきますので、お子さんを信じてチャレンジさせてもらえればと思います」と竹中先生は語る。

▶︎高3担任 竹中敏寛先生

海外研修に参加した生徒へのインタビュー

アメリカ長期留学
播磨 菜摘さん(高3)

▶︎播磨 菜摘さん(高3)

異文化に触れ、将来の夢・翻訳家が新たなステージへ

私は海外映画を見るのが好きで、将来の夢は翻訳家です。翻訳家になるには、語学力はもちろん、さまざまな国の文化を知ることが大切。日本とは違う価値観の中で、語学を学び、視野を広げたいと考えていた時に長期留学プログラムがあることを知り、挑戦しました。留学前はスカーリー先生が週1回、英会話や現地の文化を学ぶ時間を設けてくださいました。

高2の夏から10ヶ月間、アメリカのアリゾナ州フェニックスで過ごし、現地の提携校に通いました。日本人は私だけで、最初は言葉も全然通じず、オールイングリッシュの授業にもついていけず、苦労しました。また、アメリカの学校は日本のようにホームクラスがなく、時間ごとに違うクラスに行って授業を受けるスタイルなので、友達を作るのも難しかったです。でも、初日に同じクラスだった子がいろいろ教えてくれて、その子から段々と交友関係の輪を広げていくことができました。友達とのやりとりでは、ネットでフレーズを調べ、どんどん使うようにしました。時には友達から「そういうのあまり使わないよ」「代わりにこう言うと良いよ」と教えてもらうこともあり、生きた英語が学べたと思います。

ホストファミリーは留学生の受け入れが私で50人目と経験豊富で、グランドキャニオンやラスベガスなど、有名な観光地にもよく連れて行ってもらいました。とても楽しかったですし、車で何時間も掛けて行くことが多かったので、アメリカの広大さと自然の豊かさを知り、日本とは全然違うのだと実感できたことも良かったです。

留学前に比べて英語もすらすら読めるようになり、聞くことにも抵抗が無くなりました。日本語を話す環境がなく自発的に英語を話している内に、英語力を上げることができたのかなと思います。英語力をキープするために、今は映画を英語字幕で見るようにしています。

留学を通して、日本についてしっかり勉強したいと思うようになりました。友達に日本のことを聞かれてもうまく答えられず、私は日本のことを知らないんだと感じたことがきっかけです。大学で語学力だけでなく日本の文化を深く学び、日本語の語彙力を増やすことで細やかなニュアンスの翻訳をできるようになりたいと思っています

オーストラリア短期研修
村澤 玲香さん(高2)

▶︎村澤 玲香さん(高2)

海外の方に気軽に話しかけられるようになりました。

海外に興味を持っていて、SNSなどでいろんな国の情報に触れるうちに、海外の方ともコミュニケーションが取れるようになりたいと参加しました。思い出に残っているのはホストファミリーと過ごし、現地の学校に通った1週間です。私はどんどん自分から行くタイプではないのですが、生徒のみなさんが気軽に話しかけてくれて、とても優しいなと感じ、居心地のよい時間を過ごせました。仁川学院の代表として、全校生徒の前で学校紹介のスピーチをした時はとても緊張しましたが、よい経験となりました。

ホストファミリーとは日本にいる間からメールでやりとりをしていて、週末には事前に話していた動物園に連れて行ってもらいました。カンガルーが放し飼いで、触れることができたのも楽しかったです。ブリスベンの町並みもとてもキレイで、日本では見られない景色がたくさん見られました。英語は発音がうまくできていないようで伝わらないことも多く、ほぼジェスチャーで伝えるような感じでした(笑)。それでも少し自信がついたおかげで、私の家に海外の方がよく泊まりに来るのですが、今まではあまり話さなかったその方々にも気軽に話しかけるようになりました。

オーストラリア短期研修
西村 彰悟さん(高1)

▶︎西村 彰悟さん(高1)

一歩踏み出すことで、自分の考え方がとても変わった!

オーストラリア短期研修では英語に触れられることに加え、短期間でさまざまな体験ができると聞いて参加しました。ファームステイ中は同級生4人班で、羊にえさやりをしたり、キャンプファイヤーやバーベキューをしたりするなど、とても楽しかったです。

ホームステイは1人だったのでホストファミリーとの会話は少し大変でしたが、分かりやすいように言い直してくれたり、自分でも身振り手振りや簡単な英語を使って、なんとか相手に伝えようと努力したりしました。意外に伝わったので助かりました。学校訪問で最初に自己紹介をした時に、たくさんの子が質問に来てくれて、とてもフレンドリーに接してくれたことが印象に残っています。

実は、研修には迷いながらの参加だったのですが、行ってみると不安や緊張よりも新しいことに対する興味がたくさん湧いてきました。勇気を持って一歩を踏み出してみることで自分の考え方がとても変わるんだと実感しました。今までは英語の勉強が少し難しいと感じていたのですが、帰ってきてからはもう少しがんばってみようとやる気が出てきました。

オーストラリア短期研修
柏原 乙葉さん(中2)

▶︎柏原 乙葉さん(中2)

日本では体験できない楽しい体験がいっぱいの2週間でした

私は家族で韓国に旅行した時、言葉や文化、食べ物の違いを感じ、日本以外の国に興味を持つようになりました。このプログラムは友達と一緒に行けるので、きっと楽しいだろうと思い、参加を決めました。ファームステイでポニーのえさやりなど、動物のお世話をさせてもらったのが一番楽しかったです。先輩と同級生の4人で同じファームに寝泊まりしたので、安心感のあるなか、ファームの方とも交流できました。分からない単語も多くて困ることもありましたが、もう一回言ってもらうなど試行錯誤している間に徐々に会話できるようになりました。

自然体験では、砂漠で砂滑りをしました。砂丘を登るのは大変でしたが、シートに乗って頭から砂の上を滑り下りるのはとても楽しかったです。本当に楽しいことがいっぱいで、日本では出来ないさまざまな体験ができるので、クラスメイトに来年参加することを薦めています。英語をテスト前だけでなく、常に勉強していきたいと思うようになりました。仁川学院にはネイティブの先生もいるので、気軽に話しかけていきたいです。

<取材を終えて>
仁川学院のオーストラリア短期研修では、航空券の手配などは旅行会社に依頼しているものの、基本的なプログラムの企画・運営はすべて教員が行っているという。ここまで学校が主体的に取り組んでいるケースはほとんどない。教員にとっても負担が大きいだろう。しかし、スカーリー先生は「この研修を通して、英語力を磨くだけでなく、人とつながる経験をしてもらいたいという確固たる目的が私たちにはあります。最高の結果を出すために自分たちのやり方で取り組みたいんですよね」と笑顔を見せる。
その熱い思いのもと、仁川学院の生徒のために考え抜かれたプログラムだからこそ、生徒は非常に密度の濃い時間を過ごすことができる。現地でのエピソードを話す時に見せてくれた生徒たちの笑顔が、それを証明していると感じた。

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