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仁川学院中学校

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スクール特集(仁川学院中学校の特色のある教育 #2)

人間力と知力を育み、それぞれの能力を伸ばす新コース制

2019年度より新コースがスタートした仁川学院中学校。「探究型、協働型、体験型」の学びを重視した新コースについてレポートし、各コースの生徒の声を合わせて紹介する。

兵庫県西宮市、阪神間らしい閑静な住宅街にある仁川学院中学校は伝統ある共学のミッション校。「和と善」の建学の精神の下、伝統的に異学年との縦割りの活動を重視し、のびのびとした教育環境を大切にしてきた。偏差値重視の教育から、基本的な学力に加え、個の豊かな経験を基盤とした思考力や判断力が知性として求められるようになった今、同校が一貫してきた人間教育への評価は高まっている。

2019年度からは2つの新コースがスタート。学問的な探究を意識した幅広い学習プログラムを展開し、質の高い学力を身に着けるための『アカデミア(Academia)コース』としっかりとした基礎学力の構築と個性を磨き、自分にあった進路を選択するための『カルティベーション(Cultivation)コース』だ。新しい学力観に基づいた特色教育を展開し、6カ年教育だからこそできる充実したプログラムについて、入試広報副部長の山本幸治先生に話を聞いた。

より学問的な探究を行う『アカデミアコース』

『アカデミアコース』は「アカデミア」が“学究的な世界”を意味するとおり、より学問的な探究を意識し、幅広い学習プログラムで質の高い学力を身に着けることが目的だ。自ら学ぶ「自学」の姿勢を大切にしており、少人数で一人ひとりを丁寧に導いている。

同コース他学年の生徒と一緒に活動をすることも多く、学習へ気持ちを瞬時に切り替え、集中して学ぶ先輩たちの姿に下級生は自然と影響を受けるという。夏休みにはコース全体で、学習合宿を2泊3日で実施、黙々と集中して自習に励む先輩の姿勢は、ここでも後輩へと継承される。

体験的なプログラムも重視されており、土曜日に3学年合同で行われる「探究」は、自ら課題を見つけて答えを導くことを学ぶ授業。今年度は生徒たちによってテーマが「水」に決定され、近くの武庫川の水を採取して調べるフィールドワークや外部講師による講演などを実施。興味を拡げ、理解を深めている。

日常にある事象をについて、自ら興味を持って、答えを導くことは、今、求められている思考力や判断力を養うことに直結する。生徒と教師が一緒になって、教材そのものをクリエイトするなかに真の学びがあると山本先生は説明された。

学年を越えて、集中して勉強するアカデミアコース

アカデミアコース2年生のI.Mさんに学校生活について話を聞いた。

「仁川学院中学校を受験する時、レベルが高い環境の方が勉強はしっかりできると思い、アカデミアコースを選びました。このコースの生徒には勉強する時の切替えが早く、勉強に集中して取り組む雰囲気があります。1年生の夏休みに参加した学習合宿では、先輩方がパッと切替えて自習に集中する様子を見て影響を受けました。小学生の時は英語があまり好きではありませんでしたが、中学に入ってから、先生の授業がわかりやすく、単語や文法も丁寧に教えてくださるので、好きになりました。今は将来、英語を活かせるようもっとがんばろうと思えるほど好きです。数学が少し苦手なので、放課後の補習などで先生に個別に指導していただくなどしてフォローしてもらっています。普段から生徒と先生の距離が近いため、質問もしやすいです。」と話してくれた。

アカデミアコースは、少人数で全員が集中して授業に取り組んでいる様子が伝わる。

個性を尊び、魅力を引き出すカルティベーションコース

一方のカルティベーションコースは、より生徒一人ひとりの個性や能力を自由に伸ばせる環境だ。「カルティベーション」とは“耕す・育てる”という意味。基礎学力からしっかりと養い、個性を磨き、自分に合った進路選択を見出すことを目的としている。

基礎基本を徹底して鍛えるなかでは、自学自習の習慣を身に着けることを重視。日々の宿題や小テスト、間違い直しや再テストなどスモールステップで着実に学力を育む。

またグループワークや他学年との活動を積極的に展開。お互いの意見を尊重する中でコミュニケーション力を身につける中で、それぞれが自然と活躍の場を持てるようになる。

夏休み前には、全学年でプログラムに取り組む「カルティベーションウィーク」を実施。学年を越えて生徒をグループに分け、コミュニケーション力を養うプログラムにチャレンジする。今年度は“マシュマロチャレンジ”を実施。グループで知恵を絞り、パスタを使って、マシュマロをどれだけ高くできるかを競った。ほかにもディベートなどグループで取り組めるプログラムでコミュニケーション力を養っている。毎年、生徒と教師が一緒になって発案し、興味深い取り組みが行われるため生徒たちも楽しみにしていると話してくださった。

個性を活かして、全員が輝けるカルティベーションコース

カルティベーションコース2年生S.Mさんに話を聞いた。

「仁川学院中学校の近くに住んでおり、いつも笑顔で登下校をしている生徒の雰囲気を見て、楽しそうな学校だなと感じていました。実際に入学してみると、とくにカルティベーションコースは男子女子関係なく仲が良く、元気があると感じました。それぞれに個性を活かして、授業や行事、クラブや委員会など学校生活のなかで活躍できる場を持っているので、入学当初はおとなしい雰囲気だった生徒もどんどん活発になってきたように思います。私は放送委員なのですが、学校行事などでアナウンスを担当させてもらえる機会が多く、自分の自信につながっています。学校全体として、何でも積極的に参加する雰囲気があります。勉強は基礎基本をしっかりと教えてくれます。私自身、小学生の時は勉強に苦手意識がありましたが、中学に入って、先生方の授業が興味深く、勉強に対する思いや姿勢が変わった実感があります。英語や社会が好きなので、好きな教科を伸ばしていきたいです」と話してくれた。

カルティベーションコース全体の何ごとにも積極的に取り組む姿勢が、結果として勉強に対しても前向きな気持ちを育んでいるように感じられた。

学年を越えた活動、体験を重視する「仁川タイム」

仁川学院中学校では、学年を越えた学校全体でのプログラムが多いことが特長だ。そのひとつに毎週金曜6~7時間目に実施している「仁川タイム」がある。2年前、敷地内の芝生広場だった場所を農作物や花を育てられる畑に整備、自然や命の尊さを実感するとともに、理科的視点からの観察にとどまらず、様々な教科の要素を盛り込んだ園芸プロジェクトとして中学全員で取り組んでいる。

取材時は夏野菜の栽培がひと段落し、花の寄せ植えを企画している時期。植物が成長して寄せ植えが完成するところをイメージして、背が高くなるものや広がるもの、また下に伸びるものなどどんなものを育てるか、予算の中で計画を立てたと生徒が話をしてくれた。先輩と後輩、教員も一緒になって畑が大切にする中で、心の豊かさや優しさを養い、信頼関係が育まれている。

また育てた植物は美術の教材に使われるなど、教科横断の取り組みにも積極的だ。畑を通して、さらにプログラムを発展させる取り組みが盛んだ。

学校全体での宿泊プログラム「野外活動」

学年を越えて、縦割り活動が盛んな仁川学院中学校で、とくに生徒が楽しみにしているのが、5月に全校で実施される宿泊研修「野外活動」だ。海のプログラムをメインに実施され、学年を越えて、寝食をともにするなかで交流を深める。毎年、3年生が中心となって研修を運営し、入学したばかりの1年生は先輩たちと自然と仲良くなれるプログラムとなっている。

また夜には、6月に校内で実施されるダンスフェスティバルの集中練習が行われるとのこと。このダンスフェスティバルも毎年恒例の人気行事で、生徒たちは自分たちで振り付けを考え、熱心に練習に励んで本番を迎える。生徒が何事にも素直に一生懸命取り組めるのも同校の特長のひとつ。学年を越えた活動の中で、先輩が一生懸命に取り組む姿をよき手本として、後輩も行動することが、伝統的に続けられているのだという。

丁寧なフォローアップ体制と充実した学校生活

今回、話を聞いた生徒のI.Mさんは美術部、S.Mさんは聖歌・合唱同好会に所属し、活動している。山本先生は「勉強はもちろんですが、勉強以外にも没頭できるものがあれば学校生活はより充実する。」と話され、学校として部活動に入ることをすすめているそうだ。また部活動のほかにも生徒会や学外での習いごとなど、各自が有意義に放課後を活用している。こういった勉強以外での活動が結果的に人間的成長につながり、将来の進路選択にも生きると話してくださった。

部活に励むためにも、やはり日ごろの勉強は基本。学習面でのつまずきをできるだけなくすようフォローアップ体制も手厚い。放課後の補習や自習のためのラーニングスペース、再テストなどつまずきや取りこぼしがないようにケアができるのも、少人数で一人ひとりに目が行き届くから。また先生と生徒との距離が近く、質問しやすく、自学自習しやすい環境であることは、インタビューした生徒も話してくれたとおりだ。

<取材を終えて>
中高6年間の最終的な目標である進路選択のために必要な、学力の向上や人間的な成長において、まずは学校生活が楽しく、充実した毎日が送ることが基本で、とくに中学3年間では重視されるポイントになる。
その点において仁川学院中学では、学力の向上はもちろんのこと、幅広い体験や経験から、自ら課題を探して答えを導くプログラムが充実しており、学校生活における異学年や教師との深い交流を通して、子どもたちは人間的に成長する。
同校の生徒は学年を越えて仲良く、全員の顔と名前がわかり、性格までわかるほどだと聞いた。生徒たちは穏やかで明るく、生徒と教員の信頼関係も深い。キリスト教カトリックの教えにもとづく教育が行われる学校だからこそとのことだが、6年間で培われる豊かで充実した時間の証だろう。
高校に進学すると、それぞれのコースはさらに分けられ、早くから具体的に進路を考えることが可能になる。そこでは中学時代のさまざまな体験的な経験が活かされ、その延長線上に偏差値偏重ではない、将来の目標に適した進路選択が可能となる。
新大学入試制度では、思考力や判断力といった偏差値では図りづらい能力が問われ、多様化が予想されている。中学受験においても、学力の向上はもちろん、それぞれの適性にあった進路が叶えられる教育システムを持った学校選びが大切になってくるはずだ。

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