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女子校

おばやしせいしんじょしがくいん

小林聖心女子学院中学校

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デジタルパンフレット

スクール特集(小林聖心女子学院中学校の特色のある教育 #7)

指定校推薦で関関同立へ進学した社会人OGに聞く小林聖心ライフ

豊富な指定校推薦枠を活用し、幅広い大学への進学が可能な小林聖心女子学院。指定校推薦で関関同立に進学し、すでに社会で活躍している4名のOGに、小林聖心の魅力や教えについて聞いた。

キリスト教カトリックの女子校として、創立100周年を迎えた小林聖心女子学院。初代学院長マザー・マイヤーが残した「Big You, small i」の言葉を教えとして、他者を思いやる心、奉仕の精神を土台とした全人教育を通して、社会で自分らしく活躍できる女性を育成する。大学進学時には豊富な指定校推薦枠を活用できることも特徴のひとつだ。今回のインタビューでは、同制度を活用して関関同立に進学し、すでに社会で活躍している20代のOG4名が集まり、小林聖心での学びや楽しかったスクールライフ、自身の受験について語ってくれた。

▶︎写真左より:大山萌さん、高橋茜さん、佐治真理恵さん、中路久梨子さん

・大山萌さん 
(90回生(2018年卒業)/関西学院大学経済学部へ進学)
・高橋茜さん
(88回生(2016年卒業)/立命館大学文学部国際コミュニケーション学域へ進学)
・佐治真理恵さん 
(89回生(2017年卒業)/同志社大学文化情報学部文化情報学科へ進学)
・中路久梨子さん 
(88回生(2017年卒業)/関西大学総合情報学部へ進学)

自己紹介をかねて、現在の様子を教えてください。

大山さん…私は中学校から⼩林聖⼼⼥⼦学院へ⼊学しました。卒業後は指定校推薦で関⻄学院⼤学経済学部へ進学し、現在は銀⾏に勤務しています。関学を志望したのは、小林聖心と同じキリスト教の教えを⼤切する大学で学⽣⽣活を送りたいという思いと、⾃分が学んだ知識を⾃分のためだけに使うのではなく、他者のために献げるという考えで勉強に励んでいきたいという思いがあったことからです。また学部は、社会⼈として働いていく上での教養を身につけ、社会・経済がどのように回っているのかを学びたかったため経済学部を選びました。

高橋さん…小林聖心には小学校から12年間お世話になりました。指定校推薦で立命館大学文学部国際コミュニケーション学域に進学しました。小林聖心ではオーストラリアやサンディエゴに留学したり、英語スピーチコンテストにチャレンジするなど英語を積極的に学びました。大学でも英語圏地域の文化を中心に、英語を言語学として学びました。2020年に大学を卒業し、高炉メーカーである日本製鉄株式会社でグローバルスタッフとして勤めており、現在は大阪にある製鋼所で鉄道車両の台車の生産管理をしています。

佐治さん…小林聖心には小学校からお世話になり、卒業後は指定校推薦で同志社大学文化情報学部文化情報学科へ進学しました。大学では人間の様々な行動を統計学で分析するという身体認知科学を勉強しました。4回生では卒業研究を学会で発表させていただき、学生奨励賞を受賞しました。大学卒業後、住宅設備メーカーの営業として東京で働いています。

中路さん…小学校から12年間を小林聖心で過ごし、指定校推薦で関西大学総合情報学部に入学しました。物心ついた頃から、テレビ番組やアーティストのPVを見ることが好きで、映像業界に興味を持っていました。そのことを知った当時の担任の先生が、この学部の存在を教えて下さり、実践的に映像制作を学びたいと思い志望しました。

現在は東京でCM等の映像制作会社に入社し、プロダクションマネージャーとして日々奮闘しています。

指定校推薦制度での大学受験について教えてください

大山さん…高校生になった頃に指定校推薦での大学進学を考えるようになりました。その後、行きたい大学を絞っていきました。指定校推薦制度では充実した高校生活をもとに評価してもらえるので、自ずと学校行事にも積極的に参加できました。学院祭実行委員会のコミティー(実行委員)に参加するなど行事に忙しかったですが、高校2年では韓国体験学習で、姉妹校のソウル聖心へ行き、一週間ホームステイを体験することもできました。

高橋さん…私は高校3年のはじめくらいまでは一般入試での受験を考えていました。ただ生徒会活動を頑張っていたこともあって、大学受験のいろいろな入試の方法を知るうちに、自分が力を入れてきた活動を指定校推薦に活かしてもいいのではないかと思って変更しました。

立命館大学の文学部を選んだのは、オープンキャンパスに行ったこと、京都の大学に行きたかったこと、スピーチコンテストでビートルズをテーマにするなど、英語の歌やおとぎ話が大好きだったこともあって、そういった研究ができる専攻を選びました。

佐治さん…私も高2の冬ごろまでは受験勉強をしていました。この学部に行きたいという明確な方向性はなかったのですが、数学が好きだったので数Bまでは勉強していました。かといって理系志望というわけではなく、日本史や美術も好きで勉強を続けていました。そんな時に面談で担任の先生から同志社大学文化情報学部に数Bまで履修していないと受験資格が得られない学科があり、数学を使いながら文系の研究ができると聞いて魅力的に感じました。指定校推薦枠があるとのことだったので方針を変えました。

中路さん…私は母が東京の聖心女子大学出身のため、漠然と同じ大学に進学するのだろうと考えていました。しかし大学受験を意識する頃には関西に残りたい気持ちが強くなっており、また勉強も学校活動もがんばって進学した方がいいと考え、指定校推薦に切り替えました。学部に関しては迷っていたのですが、担任や進路指導の先生と話をするなかで、幼い時から映像が好きな気持ちを話をしたら、関大の総合情報学部を探してくださって薦めていただきました。

この時の先生の提案があったからこそ、現在の仕事につながっていることを思うと、ターニングポイントだったと思います。先生とフランクに話ができ、正直な気持ちを伝えられたこと、先生がそれを受け止めて進路を提案してくださったことで、自分らしい進学ができました。


指定校推薦制度を活用した大学受験とひと言に言っても、4人それぞれに違いがある。しかし、積極的に学校生活を送ったことが評価につながり、指定校推薦制度につながるという点では同じだ。

インタビューに同席してくださった入試広報の舟本美帆先生によると、「もともと本校は指定校推薦が多い学校です。今、6~7割が聖心女子大学や関関同立などの指定校推薦で進学、残り3割が一般入試で進学というイメージです。もちろん学年によって、聖心女子大学が多い学年があったり、理系や医学部が増える学年もあります。最近は海外へ進学する生徒も見られるようになりました。学校としては生徒が行きたい進路へ進学させてあげたい。一人ひとりに丁寧にヒアリングをして、自分らしい進路が選択できるようにサポートしています」と話してくださった。

小林聖心で学んだこと、大人になって感じる小林らしさ

中路さん…小林聖心時代を振り返ると、一番思い出深いのは体育祭です。あれほど何かに熱中できた自分をうらやましく思うくらいに、毎年本気で取り組み、仲間との絆を深めることができました。ほかにもたくさんの行事がありましたが、学校生活で切磋琢磨してともに成長した友人は心の拠り所であり、一生の宝物です。

小林聖心で学んだ“Big You, small i”の思いやりの精神は、心の中にずっとあります。社会人になれば、どんな仕事でもどんな人でも忙しい時などは気が立つこともあります。そういった時、相手の立場に立ってどのように動くのが最適か、意識することなく自然に行動できています。

また行事などではその都度に自分を振り返る習慣があります。今も仕事が一段落した時、自分のことを反省したり、どこがよかったのか考えたりしますが、これは小林聖心の12年間を通して身についた習慣ですね。

佐治さん…長い年月を共に過ごす中で、お互いに個性を認め合っていたと感じます。私は前に立って目立つことができる性格ではなかったですが、絵を描くのが好きでした。中学の時に学級通信を自由に書かせてもらい、卒業式では黒板アートをさせてもらいました。今でも鮮明に残る大切な思い出です。同じ趣味の人が固定で集まるのではなく、様々な個性を持った人たちを互いに認め合い、受け入れる雰囲気でした。

小林聖心での学びとして、もっとも実感するのは「自主性」です。聖心ではバザーや体育祭などの学校行事の企画や運営など、すべてが生徒に委ねられていました。椅子や机を教室から運び並べる設営も生徒で行い、自ら動いて物事を進めなければいけない機会が多くありました。周りを見て、足りていないことに対して、誰かが動くのを待つのではなく自分が動く行動力が鍛えられたと実感します。よい行事にしたいとの思いがあるため、意見が違って衝突をすることもありますが、それを乗り越え、行事を作り上げた時の達成感は、私の原動力になっています。今回のインタビューで改めて、社会人になっても自然と振り返りが継続できているのは、小林での習慣があったからと気づくことができました。

高橋さん…教育面では、とくに英語に特化されており、国際性を育むこともできます。私は学生時代にオーストラリアやサンディエゴへ留学に行ったり、姉妹校の生徒をホストファミリーとして迎え入れたりしました。英語力が向上しただけでなく、国際人として必要な知識を学ぶことができました。

また、英語スピーチコンテストの出場や、English Dayでの発表会を通して、英語で自分の考えを発信する力を身につけることができました。

今、社会人として、仕事ではしんどい場面もありますし、さまざまな考えの人がいて意見の相違から衝突するようなこともあります。中高時代の宗教の授業では「神様は乗り越えられない試練は与えない」といったことも学びました。厳しい時でもぐっとこらえて乗り越えていけるし、自分自身成長できると、ピンチをチャンスとして考えることができます。これは小林聖心の教えの一つだと思います。

今の会社では、3年目報告や5年目報告など、自分の成果を発表する機会がありますが、自分がやってきたことをすぐに言語化できるのは、小林聖心で続けてきた振り返りの習慣があってこそです。高炉メーカーは歴史が長いからか、業務において口頭伝承が多いです。これはマニュアルがないという問題点ともいえます。それに気づいてからは、自ら進んでマニュアル制作を行っています。これも小林聖心で鍛えられた書く力があってこそではないかと、今回、改めて思いました。

今、私がグローバル社員として企業から求められるのは、業務において自分の付加価値を見出すことです。会社のために結果を残しなさいと言われるなかで、言われたことをただやるだけではなく、自分の意見を言う、自ら発信するという姿勢は、小林聖心で身につけたリーダーシップが役に立っています。中高時代、「どのように学校をよくしていきたいか」と考え行動を続けましたが、その延長線上に「会社をよくするためには何をするべきか」があります。小林聖心でチャレンジを積み重ねてきたこともあって、社会でも堂々と行動できていると思います。

大山さん…小林聖心で学んだことのひとつに挙げられるのが「奉仕の心」です。学校⽣活の中で、釜ヶ崎への⽀援活動として帽⼦編みやフィリピン募⾦、児童養護施設での活動など、様々な奉仕活動を⾏ってきました。単に物やお⾦を集めるのではなく、⽀援先の社会的な背景を知り、時には現地に⾏き、⼦供達と触れ合う機会もあったことで、より社会の現状を学ぶことができました。それと同時に、⾃分の与えられた環境や両親、周りで⽀えて下さる⼈に感謝する⼼を忘れないようにしたいと思うようになりました。

2つ目は「主体的に行動する力」です。⼩林聖⼼では体育祭や合唱コンクールをはじめ、学院祭、English Dayなどの⾏事を通し、生徒が主体となって働く場⾯がたくさんありました。その中で、私は学院祭の実⾏委員コミティーの⼀員として活動していました。全学年の振り分けを考え、指揮を取ってまとめるのは初めての経験だったので、不安な気持ちがありました。想像していたよりも⼤変な仕事で、⾃分に務まるのかどうか⼼配でしたが、周りの仲間の⼒も借りながら無事に学院祭を終えることができ、今まで感じたことのない達成感と感動を味わうことができました。これらの経験を通し、何事にも与えられた仕事に責任感を持ち、⾃分から積極的に働きかけることの⼤切さを学ぶことができたと感じています。

「Big You, small i」の精神は、社会人になってことさら感じる場面が多いです。現在、金融機関で働いてますが、お客様との信頼関係を構築するために、どのように寄り添うか、お客様にとって何が最適かを考えながら仕事をしています。人のために働いて感謝の言葉をいただいた時に喜びを感じられる充実感は小林聖心で学んだこと。それが社会人になっても、自分のやりがいにつながっています。

最後に中学受験を考えている小学生と保護者の方にメッセージをお願いします。

佐治さん…小林聖心の魅力は、学校の敷地に足を踏み入れたら実感していただけると思います。紅葉や桜など四季折々に姿を変える自然豊かな学校までの坂道、立派な聖堂や伝統ある建物。また私は小林聖心に通うことで、人間として大きく成長させていただきました。一人ひとりが個人として尊重され、認められる環境は、私の人生においてかけがえのない時間だったと実感しています。実際に通うことで、他ではできない唯一無二の経験を沢山させていただきました。そしてなんといっても一番は、長い月日を共に過ごし、たくさんの行事を乗り越えることで強い絆で結ばれる、一生の仲間に出会えることです。一人でも多くの方に、小林聖心の魅力が伝わればうれしいです。

高橋さん…グローバル企業では高いTOEICの点数を持っているだけではなく、様々な地域の人と会話して新しいモノを作り出す人材が必要です。そういう意味で小林聖心の教育は英語に特化したカリキュラムがあり、英語で議論する、考えを述べる力を培うことができるため、今後社会で活躍したいと言う人にはぴったりな学校だと思います。また、小林聖心に通うことで、自分で考えて行事の準備を行う行動力と、キリスト教の考え方を学ぶことで見返りを求めず誰に対しても優しく接することができたと思います。学力だけでなく、人間性や品格を育てる環境があるので、ご興味ある方は進学をご検討ください。

中路さん…自然豊かな環境で学べることと、中高一貫校でかけがえのない仲間ができることが強みだと感じます。喧騒から離れた四季を感じられる小林聖心の坂道は、私たちを癒してくれました。また、中学生と高校生が共に活動する機会も多く、縦と横の関係がとても深いです。身近にお手本となる先輩がいることで、目標となり、時には助けにもなると思います。

大山さん…学校を卒業し、社会⼈になった今でも、⼩林聖⼼での楽しかった⽇々を思い起こします。緑豊かな⾃然の中で、のびのびと勉学に励むことができたのはとても贅沢な環境だったなと改めて感じます。中学校からの入学の場合、新しい学校への期待もある一方で、新しい環境に馴染めるかと不安な気持ちもあることと思います。私⾃⾝も⼊学する時は不安な気持ちでいっぱいでした。しかし、優しい友達に囲まれ、その輪を⾃然と広げることができたのでそんな不安もすぐに忘れてしまうほどでした。また、1学年はあやめ・ばら・ゆりの3クラス編成で、アットホームな雰囲気の中で学校⽣活を送ることができたのも良かったと感じています。

伝統ある⼩林聖⼼での教えは、社会に出てからも揺るがない⼼を確⽴し、今も⾃分の基盤
となっています。様々な情報が⾏き交う現代で、何が⼤切なのかをしっかりと⾃分で判断できるような⾃⽴した⼥性へと成⻑できる学校だと思います。⼈として成⻑する⼤事な6年間を⼩林聖⼼で過ごせたことは⾃分にとって⼤きな財産となっています。卒業してからも聖⼼⽣で良かったと、あの頃に戻りたいと⼼から思える素敵な学校です。是⾮、⼩林聖⼼でかけがえのない6年間を過ごして欲しいと願っております。

【取材を終えて】
生徒会活動などを積極的に取り組むことで、自然と高校生活が充実し、それが指定校推薦につながる自然な流れは、小林聖心の大学受験のスタンダードなスタイル。関西で人気の関関同立への推薦枠も多く、自分にあった学部が選びやすいのは大きな魅力に感じた。

インタビューを行った日は、ゴールデンウィーク中、卒業生が招かれる学院祭(Homecoming Day)。幅広い年代の卒業生が訪問し、かつての学友、恩師と和やかで楽しいひと時をすごしている姿が印象的だった。

今回のように、他学年の先輩と後輩が集まっても、同じ話題で盛り上がることができ、小林聖心女子学院は大きなファミリーのよう。先生と生徒同士とも、礼節を保ちながらも仲良し。学年ごとの結束力も強いという。体育祭や球技大会も学年対抗で本気で競い合うそうだ。学年ごとに結束し、勝敗で悔し涙を流すほど盛り上がる。彼女たちの品のある雰囲気とは裏腹に「がちんこ勝負です」と意気込み、かつての熱量を垣間見せてくださった。とはいえ写真撮影時には、さっと両手を前であわせるポートレートポーズを瞬時にくり出す華やかなオーラ。社会に出て自分らしく活躍する先輩方から、小林聖心女子学院が育む自立した女性らしさを感じたインタビューとなった。

【関連スクール特集】
昨年取材した「指定校推薦で関関同立へ進学したOGが語る小林聖心の教えと学び」も、あわせてお読みください。

▶︎指定校推薦で関関同立へ進学したOGが語る小林聖心の教えと学び

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