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東海大学菅生高等学校中等部

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デジタルパンフレット

スクール特集(東海大学菅生高等学校中等部の特色のある教育 #3)

付属校約5000名内100番以内で医学部推薦!新設「医学・難関大コース」の魅力

東海大学医学部と国公私立大医学部および難関大への現役合格を目指す「医学・難関大コース」について、校長先生のインタビューと授業レポートをお届けする。

東海大学菅生高等学校中等部は2021年に、中高一貫6年間の「医学・難関大コース」をスタートさせた。東海大学医学部を始め、国公私立大医学部および難関大への現役合格を目指す新コースは、文理ともしっかり学ばせる多彩な学習プログラムで、世界に羽ばたく人材を育成している。もうひとつは「総合進学コース」。勉強だけでなく、クラブ活動も頑張りたい生徒に向けたコースで、クラブ活動が全国レベルの強豪校である同校ならではのコースといえるだろう。今回は「医学・難関大コース」を新設した同校の下平孝富校長先生に、設立の背景、学習プログラムのe-kagaku、放課後学習のsugao20について話を聞いた。

初等学校・中等部・高等学校の小中高12年一貫教育

2021年度の入試から「医学・難関大コース」を設けて募集を開始、4月から新コースが始動した東海大学菅生高等学校中等部。特進クラスが「医学・難関大コース」に生まれ変わった背景には、下平校長先生の特色ある教育を強く打ち出したいという思いがあった。
「私が本校の校長に着任したのは2019年。中等部、高等学校ともに特進クラス・コースはありましたが、中等部の特進クラスの生徒が必ずしも高等学校の特進コースに進むわけではなく、実にもったいないというか、中高の特進がうまく相互機能していない印象がありました。中学生は大人への第一歩を踏み出す大切な時期ですから、これを何とかしないといけない。2年間、議論を重ねた結果、中高6年間の学びがしっかりしていれば、将来、自分がどのような業界で、どのポジションで活躍する人材になるかが見えるのではないかと。そのためには、目的意識がはっきりしたプログラムで育てていくことが必要だということになり、特進クラスに着手し『医学・難関大コース』として、2021年4月からスタートさせたのです」。

下平校長先生は、東海大学菅生高等学校中等部、東海大学菅生高等学校だけでなく、系列の小学校である菅生学園初等学校の校長先生も務めている。先生の構想としては、初等学校から高等学校まで小中高12年一貫教育も視野に入れているそうだ。
「これまで、初等学校の6年生や中等部の3年生が、外部受験という進路を選ぶこともありました。せっかく東海大学進学の道もあるのに全うする生徒が少なかったのです。でもそれはもったいないと思い、初等学校の生徒を中等部でも継続してしっかり教育できるプログラムの構築を目指しました。初等学校の児童が、中等部の医学難関大コースへ繋がり、高等学校へと続いていくという、将来の目標や夢の実現のための学習を本校で継続してできるようにと考えています」と下平校長先生。

▶︎下平 孝富校長先生

医学部推薦は付属生およそ5000人のうち100番以内!

特進クラスを医学・難関大コースへ改変したのは、東海大学に医学部があることに加え、中等部には医大や獣医大を目標にする生徒が存在するため、そのような生徒たちの目標を受け止められるコースであることを明確にしたかったそうだ。
「東海大学の提携校*なので、本校は東海大学の医学部入学の可能性が一般受験よりも高いのです。東海大学の付属や提携校は全国にありますが、付属校推薦制度を利用し、およそ5000名のうち100番以内には入れば、医学部合格の可能性は大きく前進します。そのためにも本校は中高6年間きちんと指導をしていきたい。もちろん医大じゃなくてもいい、いろんな道があっていいと思います。難関大とつけたのは、幅広くいろんな道を目指してほしいからです。やりたいことがある、行きたい大学がある。でも力が足りない……。本校の生徒には、そんな風に諦めたりしてほしくないのです」(下平校長先生)
*2022年4月から準付属という名称で統一される予定

一流の研究者の遠隔授業でITの最新学習を受講する

入試には総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜(旧公募推薦、指定校推薦)もあるが、同校の医学・難関大コースは一般受験と総合型選抜、両方に備えたプログラムだ。医学だから理系だけに注力しているわけではなく文理、両方で深い学びを行い、大学入学共通テスト(旧共通一次テスト)にチャレンジできる学力を養えるプログラムを設定している。その中でも特徴的なのが「e-kagaku遠隔講座」と「英語学習」と放課後学習をサポートする「sugao20」だ。

「e-kagaku遠隔講座」は、学校にいながら一流の研究者による実験講座やプログラミング学習を受講するシステム。ニュース時事能力検定に取り組み、地球が抱える課題についてSDGs論文を発表するなど、今の時代を捉え、かつ、IT教育を実践する最新の学習だ。
「21世紀に必須となる力は、情報技術、IT能力です。これからの時代、生き残るためにはコンピューターのスキルと抽出したデータを分析する能力が絶対に必要になります。それを踏まえて、本校では一流の研究者、有識者の先生の授業を遠隔で受講する『e-kagaku遠隔講座』を医学・難関大コースで始めました。もちろん何もかもひとりでやるわけではなく、課題に対してチームで試行錯誤を重ねて実行し、発表していくプログラムなので、コミュニケーション能力も育成されます。まだ4月から始めたばかりなので、先生に学校に来ていただいて対面で行うこともありますが、通常授業とは違い、コンピューターを駆使して、頭と手を動かす講座なので、生徒たちは楽しそうですよ」(下平校長先生)

ケンブリッジ英検で対話型の英語を学び、ネイティブ並みの英語力を!

英語学習は、ネイティブ教師1名と日本人教師1名の2名体制で進めている。同校の英語の授業はケンブリッジ英検に沿った授業を展開し、オンライン英会話も活用しているそうだ。
「ケンブリッジ英検の資格試験に向けた取り組みをしているのですが、ケンブリッジ英検の面白いところは、対話形式がメインであるところです。将来的には日本語を話すのと同じように生徒たちも英語を話していけるようにならないといけない時代ですから、それに即した英語学習をしていきます。これはいずれ総合進学クラスにも取り入れていきたいと考えています」(下平校長先生)。

もともと菅生学園初等学校は英語教育が充実していて、オンライン英会話を始めており、夏休みにはイングリッシュキャンプも行っている。初等学校の児童が中等部に入学したときのことも考え、中等部、高等学校の英語学習にも力を入れ、ケンブリッジ英検の合格とネイティブのように会話ができるレベルに英語力を上げていく。

学校完結型の放課後学習「sugao20」

「sugao20」は、放課後の学習時間を20時まで保証(1~3年生は19:30 4~6年生は20:00まで)し、部活動が終わってからでも復習や予習を学校で行う学習サポート。
「生徒たちの学習を学校完結型にしたいのです。復習、予習、課題、やるべきことはすべて学校で終わらせて、帰宅したら家族と食事したり、ゆっくり入浴したり、好きなことしたりする日常にしてあげたい。家で勉強すると口ではいっても、なかなかできないのが実情です。本校の『sugao20』は、放課後も学校に残り、定められた教室で課題や復習に取り組みます。教室には、生徒たちの学習を見てくれたり、アドバイスをしてくれるチューターが常におり、生徒の学習進度を教員と情報共有しています。また、学習アプリ『すらら』を導入しているので、これを生徒各自が持つタブレットで活用し、自分のレベルに合った自習を行います。加えて、わからない問題などを大学生チューターが教えてくれる『manabo』も活用。全国4000名余の大学生等が登録しており、問題を送ると、遠隔操作で教えてくれるというリモートチューターのようなシステムです。こういった学習アプリも使いながら、生徒たちの『わからない』をなくし、学校で勉強を完結できるように指導をしています」(下平校長先生)

「sugao20」のような仕組みは、これまで補習という形で行ってきたが、学習アプリを導入したこのプログラムは、まさに進化した補習システムと言えるだろう。今は「医学・難関大コース」のみだが、いずれ「sugao20」を同校全体のしくみにしたいそうだ。

授業レポート「e-kagaku遠隔講座」

「e-kagaku遠隔講座」の授業は3回目。まずコンピューターに慣れて、プログラミングの基礎を学ぶために、この日は対面授業。担当はe-kagaku国際科学教育協会代表理事の北原達正先生。各自パソコンと車輪付きのミニロボットを持ち、まずはパソコンをログイン。パソコンでロボットの動きをプログラミングするのが今回の授業だ。

課題は各自がプログラミングしたロボットを床に張られた大きな白紙に描かれた黒い道でピタリと止まるようにプログラミングすること。パソコンでエクセルを開いて、北原先生に教えてもらった条件を計算して記入。しかし、小さな計算ミスや設定ミスで、ロボットはなかなか黒線で止まってくれない。何度もやり直し、何がよくなかったかとチームメイトと話し合いながら進めていく。失敗を繰り返しながらも、生徒たちはみんな楽しそうだ。しかし、北原先生からは「車は設計の計算ミスひとつで人の命を奪ってしまう。だからミスは許されない」と厳しい言葉も飛ぶ。また「5分以内で」など、時間指定もあり、スピードと正確性が求められていることがわかる。

基礎を学んでいる今だからこそ、プログラミングにおいて重要なことを北原先生は生徒に叩き込み、プログラミングの楽しさと同時に仕事における厳しさも伝えていた。

放課後レポート「sugao20」

「sugao20」は「医学・難関大コース」の生徒が一つの教室で各自がタブレットや教科書やノートを広げながら学習を進めていた。取材日、生徒の学習進度を管理するチューターは3名。教室のチューターは学習の進め方のアドバイスをしたり、ときどき学習内容に関する質問にも答えているようだ。基本は勉強の場だが、授業中のようにシーンと静かというわけではなく、リラックスしながらマイペースで勉強している。

この日は4時間授業日だったので、昼食後13時40分から始まり、各自、宿題と学習アプリ「すらら」を使って勉強。中には郊外学習の下調べをしている生徒も。教室後方にはタブレットが4台あり、このタブレットは「manabo」用だ。生徒の中には、部活で抜けたり、部活終了後に入室する生徒もおり、フレキシブルに対応しているので堅苦しさはない。このように学校内で勉強する場所を提供し、チューターが見守る中で自習できるのは実にいいシステム。保護者もきっと安心だろう。

「幸せ探しの中高6年間」の学習で得られるものとは?

下平校長先生は生徒たちに「中高の6年間は幸せ探しの旅」と語っている。この6年間は、将来、どのような分野で活躍し、社会に貢献していくのかを見つける6年間だからだ。充実した人生を歩めるのか否かは、中高6年間の過ごし方、学び方が大きな影響を与える。人生において大切な時間を、練られたプログラムで同校は全力でサポートしている。

(取材を終えて)
「医学・難関大コース」設立の背景から、生徒が未来で羽ばたけるようなプログラム作りまで、下平校長先生のお話には1本筋が通っており、目指す教育が実にわかりやすいと感じた。学習プログラムは、今の時代に絶対必要な要素をしっかり取り入れており、IT関連と英語力の学習に注力することで、生徒も将来必要な力とは何かを知ることができるだろう。放課後の時間の使い方も理想的。学校で学習をすべて終わらせるシステムは、生活にメリハリをつけることができる。規則正しい学習姿勢は健康にもいい影響を与えそうだ。「医学・難関大コース」の生徒の成果が見られるのは6年後だが、その前に、東海大学菅生高等学校中等部の人気が急カーブを描いて上昇するのではないだろうか。

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