スクール特集
関西大倉中学校の進路指導
――貴校の考える理想の生徒像とはどのようなものですか?
本校では「知・徳・体」のバランスのとれた総合的な人格を備えた生徒の育成を目指しています。
六年一貫教育では、高校受験にとらわれることなく、勉強にクラブ活動に最大限の能力を発揮していただけるのが特徴。
本校では運動部、文化部ともに活動が盛んです。
授業はどのコースも一斉に終了できるカリキュラム編成で、クラブ活動をしながらでもしっかりと勉学に励める環境を整えています。
自ら学び、自ら考え、そして自らの可能性を切り拓いていけるよう、自主性を重んじ、メリハリのある学校生活を過ごしていただきたいですね。
6年間、文武両道を貫くことは社会に出てからも大きな自信となるでしょう。
何事にも思いっきりチャレンジできる力をしっかりと身につけてほしいと考えています。
中3・卒業研究で将来の夢を模索
――学び(授業・カリキュラム)の特徴について具体的に教えてください
中学1〜2年の2年間は難関大学進学に向けた高度な学習の土台となる基礎学力を養成します。
「自ら取り組み、自ら学ぶ」姿勢を習慣づけ、基礎学力を磨いていきます。
特に英語・数学・国語では標準時間数を上回る授業数を設けた独自のカリキュラムを組んでいます。
中学課程は、この2年間で終了する教科もあり、難関国公立大学に挑戦できる実力を無理なく養っていきます。
中学3年では将来の夢や目標を定めて、早期から大学受験に向けた勉強をスタート。
中学1〜2年で身につけた学習習慣をもとに、一部、高校の学習内容を含んだ発展的な学習で応用力をつけていきます。
高校課程をほぼ修了する高校2年次からは文系・理系コースに分かれ、より具体的な目標を見据えて学習を進めていきます。
高校3年では入試に的を絞った演習中心のカリキュラムで実践力を育成しています。
数学・理科・英語にみる教科指導の特徴
――進路指導・学力サポートについて教えてください
中学1・2年次では日々の理解度を確認する「鍛錬テスト」や「漢字テスト」を毎週実施し、必要に応じて再テストや補習を行う一方、テストのやり直しも宿題として習慣づけています。
また、少人数クラスによる習熟度別の授業を導入し、個々の生徒をしっかりとサポートできる細やかな指導を行っています。
さらに、平成24年度からは従来の45分×7コマ授業を55分×6コマ授業に変更することで、年間授業時間を4025分増やしました。
これによって実技、実験・実習も充実したより深みのある授業を実現させています。
また、中学3年次からは成績上位者を選抜し、東大・京大・阪大・神大を目指す「Sクラス」を編成。
現役合格を目指してよりハイレベルな教育を実施しています。
成績上位の希望者を対象に、3泊4日の合宿勉強会「サマースクール」を夏休みに開講しているほか、成績が伸び悩む生徒には、自学自習の習慣を定着させる「SLS(セルフ・ラーニング・サポート)」を実施しています。
定期考査前の2週間、担任と教科担当がタッグを組み学習をサポート、学習計画表の作成や最適な学習方法、教材を指導していきます。
そして、高校に入ると放課後に授業+αの内容を盛り込んだ「学習会」をほぼ毎日開催しています。
年間約40〜50の講座が用意されており、生徒自身の勉強の進度や目的に合う講座を選択して参加することができます。
また、主要大学ごとの「学習会」を開催し、志望大学合格に向けた万全の受験対策も実施。
これらの「学習会」はもともと、生徒から「やりたい」という声が上がり、始まった講座です。
目標に向かって自主的に学びたいと願う思いこそ、受験を乗り切る重要な要素だと考えています。
教員は生徒の受験に対するモチベーションを高めていける精神的なサポートも日頃から心掛けています。
さまざまな選択肢に気づき、夢を持ち、モチベーションを高めて、自らの進路を発見してもらう機会として、毎年、多くの大学教授を招き、
実際の大学での講義をしていただく「学問体感」や「学部学科説明会」を開催しています。
また、「卒業生に聞こう!!」と題し、難関校を突破した先輩たちに直接いろいろな話が聞ける場も設けています。
数学・理科・英語にみる教科指導の特徴
――人間教育について具体的に教えてください
「徳育」を教育の土台とする本校では、社会への幅広い興味や関心をしっかりと育んでほしいという思いから、さまざまなシチュエーションでたくさんの人と出会う社会体験の場を多く設けています。
中学1・2年次には「社会見学」を実施。さまざまな企業を訪問し、訪問前後の事前学習、事後学習をしっかりと行うことで、社会や産業、職業に対する意識を深めています。
中学3年次には「職業体験」を実施しています。
50を超えるさまざまなジャンルの企業の協力のもと、実際の職場で業務体験をします。
体験したい業種選びから、企業への申し込み、打ち合わせなども生徒自らが行います。
「働くこと」の意味を考えて真剣に取り組むことで、将来の職業観、キャリア意識を養っています。
興味の幅を拡げ、可能性の機会に触れることで将来の目標が明確になります。
そして、その職業に就くためにはどんな勉強が必要なのか自ら気づくことが、日々の学習に対する意欲へと繋がると確信しています。
また、中学1年次では、本物の文化・芸術に触れる「校外学習」も実施し、豊かな人間性の基礎となる幅広い興味や関心を育んでいます。
さらに、一般社会で必要なマナーや基本的な生活態度が身につくよう、地域清掃活動も行っています。
毎日利用する駅前の清掃など、身近な社会に役立つ喜びを知ることで、自ら積極的に奉仕・貢献できる温かな心を養っています。
そのほかにも、さまざまなものごとを論理的に考え、自らの言葉で表現する能力を養える弁論大会を毎年秋に実施しています。
また、毎年「夢、実現へのメッセージ」というテーマでさまざまな分野で活躍する著名人を招き、講演をお願いしています。
第一線で活躍する方々のお話は、がんばること、諦めないことの大切さを学べる良い機会となっているようです。
このような学校行事を通して、コミュニケーション能力や表現力、人間力を養える機会をたくさん設けています。
6年間で多様に活動する進路指導
――受験生やご家庭にメッセージをお願いします
中学課程では基本学習と人間形成に重点を置いて指導しています。
高校課程でも文武両道で、最後までやり抜く力を身につけてほしいと、両立できる環境を整えています。
失敗しても大丈夫。失敗した経験を糧に、チャレンジすることを恐れないでほしいです。
簡単に目標を下げずに粘り強く、高い目標を持ってがんばる生徒たちをサポートするのが、教員の使命だと思っています。
「伸びる子」を育てるために、手を掛けすぎず、自主性を引き出すような仕掛けづくりを用意していきたいと考えています。
実践的な学習サポートだけでなく、自ら学ぼうとする気持ちのサポートをしっかりと行いながら、最終的には国公立大学への進学を目指せるように導いていきます。