なだ
灘中学校
学校説明会レポート 2015年度入試
説明会名称 | 入試説明会 |
---|---|
説明会開催日時 | 2014/10/3(金) 10:00~11:30 |
会場 | 灘中学校・灘高等学校講堂 |
参加状況 | |
配布資料 | 平成27年度、学校案内、説明会資料、学校概要、見学案内レター、校章入りせんべい |
<当日のプログラム>
■校長先生のお話
■学校の紹介(スライドショーによる説明)
■入試要項説明
■校長 和田 孫博先生のお話
27年度入試に向けた全3回の説明会のうち、今回が1回目の説明会にあたる。
本校は1927年(昭和2年)10月24日に創立され、今年で87年目になる。
この会場のある本館は、その当時からあり登録有形文化財に指定されているが、
その他の建物も含めだいぶ古くなってきたため、校舎の増改築工事を
進めてきたが、昨年春すべて完成した。
2つのグランドは人工芝となり、外観だけ見ると
まるで新設の学校のような印象をお持ちになるかもしれない。
人工芝になった野球グランド
耐震補強工事が完了した校舎と天然芝の広場
大正時代からこの近辺は教育熱が非常に高かった。
そのため旧制公立中学を目指す受験熱も高く、すべてを公立だけで受け入れることができず
私立中学をこの近辺でつくることになった。
このエリアご出身で当時東京高等師範学校(現筑波大学)校長
兼 講道館館長であった加納 治五郎先生に学校創設の顧問をお願いした。
昔からこの近辺は酒造りで有名で、加納先生の親戚筋にあたる酒蔵にも創設時ご援助を頂いた。
今でも本校は菊正宗、白鶴、桜正宗の3つの酒造会社が本校の母体であり、現在の本校理事長は
菊正宗の社長である。
私立の学校には必ず建学の精神が存在するが、
本校の建学の精神は、講道館柔道の精神である「精力善用」「自他共栄」を校是として採用している。
「精力善用」とは、自分の力を見極めて、最大限に利用すること。
「自他共栄」は字のごとく、自分だけでなく他の人と共に幸せになること。
生んでくれ育ててくれたご両親や学校の先生、切磋琢磨した友人などまわりの人があっての自分。
スポーツの世界でもなんでも、成功を収めた人は必ず、お世話になった人々への感謝の気持ちを
忘れない。
東日本大震災で大変な思いをしている人が未だにたくさんいるが、そういう時ほど
「精力善用」「自他共栄」の精神をもって助け合うことだ重要だ。
この2つの精神を持ち、自由と自主の校風を守りながら中高6年の一貫教育を目指してきた。
中高一貫教育のメリットは、
中学高校の枠を取っ払い、自由に教育の内容を設定できる点にある。
文科省の要項では、
小学校は初等教育、中学校は中等教育であるが
高等学校は高等教育ではなく高等教育とは大学教育を指す。
高等学校は中等教育の中に存在する。
つまり、中等教育とは中学校と高等学校の6年間が中等教育である。
それが今の制度では中学校3年、高等学校3年と分けてしまっている。
本来中高6年教育のほうが効率もよく、意味がある。
その6年を見通したカリキュラムの中で、本校は各教科の教員7~8名で担任団を作り、
中学1年生から高校3年生までの6年間ずっと持ち上がっていく
「担任持ち上がり制」をとって完全中高6年一貫教育をおこなっている。
教科指導においては、各学年の教科の先生は自分のやり易い方法で工夫をしながら
授業を進められるメリットがある。
生活指導面においても、
たとえば思春期、反抗期を迎えて悩みを抱え勉強が手につかなくなった生徒の
変化に気づきやすいというメリットがある。
また、担任が一対一の場合は、先生と生徒の相性が合わないとスムーズな対応ができないが、
先生が7~8名のチームで生徒ひとりひとりを見ているのでその心配もない。
本校は個性のある、尖った生徒が多数入学してくるが、
担任持ち上がり制によって、生徒同士がお互いの個性を尊重しあうようになり
やがて先生も含めて学年が一つの家族のようになる。これが「担任持ち上がり制」の
最大のメリットである。
「担任持ち上がり制」によって横のつながりは強くなるが、
縦のつながりは、部活動や委員会活動に属して先輩後輩の間柄で暮らしていくことで
強固なものとなる。
6年一貫の話をしてきたが、本校では高校から約40名の新たな血を導入することで
中学から高校に上がる中だるみ時期に中入生が刺激を受け、
また高校からの新入生とお互いが刺激を与え合う、まさに「自他共栄」を実現している。
高校からの入学者に対しては、数学に関しては全授業中入生とは別授業で行う。
国語は、古文・漢文について別授業を行う。同じように理科の一部の科目や
体育の柔道の授業などは別授業を行うので高校からの生徒も心配ない。
高校2年生からは文系、理系に分かれるが、ここからは中入生に交じっての授業となる。
クラブ活動に関しても、高校生からでも体育部、文化部に所属することができるので
心配はいらない。
本校のカリキュラムは土曜日に正規の授業はない。月曜から金曜日の32時間、
週2回7時間の授業がある。土曜日は様々な行事や定期試験、年に数回の土曜講座がある。
土曜講座は本校のOBを中心にして、OBが取り組んでいる最先端の話やどうして今の職業を
選択したかについて、聞くだけの講演会ではなく授業形式で講座を行っている。
いくつかの講座を同じ時間帯に設け、生徒たちが興味のある講座を選択して受講し、
レポートを書いたりして総合学習を行っている。
生徒が主体的に講座に取り組んでいる。
最近話題に出るグローバル人材の育成に関しては、
英語を話せるだけではだめで、日本人としての素養を持つことが大事。
英語教育に関しては、本校はネイティブの先生が2人いて中学1年生から中学3年生までの授業を担当している。
最後に、
先ほど自由と自主の話をしたが、自由だからといって何してもいいわけではない。
自由を守るっていくには、自分たちで枠を守っていく、つまり自立心が必要になってくる。
例えば、本校は制服などないが、電車に乗って通学して勉強しにくるわけだから
それに相応しい服装をする必要がある。制服があれば毎日同じ制服を着てくればいいが、
私服は季節に合っているかどうか、色合わなど自分で考えないといけない。
保護者の方にお願いしているが
お父さん、お母さんが夜寝る前に衣服を揃えてはお子さんの自立心が育たない。
服装を自分で考えることも自立心を育てる意味で大切である。
校舎を新しくしたが、すべて新しくした訳ではなく
昔からの良き伝統を残しつつ、新しい時代に適した教育環境を考えた。
これから入学する生徒たちはその素晴らしい環境を
十分に享受できるので、その日を楽しみにあと少し頑張ってほしい。
中学校 教室
緑豊かな中庭
■学校の紹介(スライドショーによる説明) 教頭 大森 秀治先生
中学は1クラス45名、高校になると新たに40名入学して1クラス55人の
1学年4クラスに設定している。
クラス数をあまり多くしてしまうと、担任持ち上がり制の学年団が機能しなくなる。
それぞれの教科担当の先生が独自の深度、教材で授業を行い、
学年の責任を持っている。最近はクラスの少人数化が進んできており
1クラスの人数が多いように思えるが、一人の先生がすべて面倒をみるわけでなく、学
年の先生7,8名全体が面倒を見るので手厚い人間関係が構築できる。
講堂のある建物は登録有形文化財に指定されている。ご子息が入学された場合に
はこの講堂で入学式が行われる。中学棟は1号館で耐震補強されている。図書館の
上は屋上庭園で、神戸市風致地区の協定で緑化されており敷地内は大変緑が多い。
加納 治五郎の像も新しく造られた。
その縁で本校は中1~高校1年まで柔道の授業は必須である。200畳敷きの広い柔道
場がある。
人工芝のグランドは野球仕様の第1グランド、サッカーラグビー仕様の第2グランド、
中学棟の1号館、高校棟の2号館、職員室のある3号館、視聴覚室等のある東館。
本校は自由な学校で校則はないが、これだけは守ってほしいルールがある。
髪の毛を染めてはいけない。ズボンは長ズボン、足元は靴、これは守ってほしい。
あと学校に駐輪場がなので、最寄駅までは自転車でもいいが、学校への自転車は禁
止している。
高校は1クラス55名だが、教室は十分広い空間になっている。
中学も高校も受験会場はこの高校棟の教室となる。
ただ、昨年は中学入試の受験生が690名と増えており、高校の教室12室に入りきれ
ず、史上初めて中学教室を使うことになった。
理科教室も新しくなった。もつもと理科には力をいれている学校である。ネイティブの英
語教員は2名おり、中学のあいだはクラスを半分にして少人数で教えている。高2、3
はネイティブと日本人教師がセットで英語を教える。
パソコン60台揃えたコンピュータールーム、図書館も新しくなった。
奨励しているわけではないが、通学エリアは非常に広い。
通学時間はだいたい1時間~1時間半の範囲だが、中には名古屋、岡山から新幹線
を利用して毎日通学している生徒もいる。
一番遠いところの生徒は、広島から毎日新幹線通学している。もちろん下宿して通学
することも可能。
生徒へのアンケートで、勉強で困ったときどうするか?
先生に聞くが14%、家族に聞く14%、友達に聞くが64%
灘校は受験校でお互いみなライバル、人間関係もギスギスしているのではと思う人もい
るかと思うが、実はそうではない。
これまでどんなに優秀な子も灘に入ると、自分には敵わないものを
持っている優秀な生徒がたくさんいる。聞かれても教えないとうことが小さなことに感じ
てしまう。自分が知らないことは周りから教えてもらい、知ってることは教えてあげるとい
う気持ちが芽生えるため、実はみんな仲が良い。
親御さんからの質問でよくあるのが、
灘に合格したのはいいが、下のほうの成績で入ってもついていけるのか心配だと。
中学入学時と高校卒業時の成績を記した分布図をみると、
トップで入ってトップで出る子もいるし、下位で入って下位で出る子もいるが、
分布は完全にばらけている。
ようは入学後にどういう生活を送るか、どういう心構えで勉強するか、それが大事であっ
て入試の成績は気にする必要はない。
行事については、 入学するとまず遠足がある。続いて
文化祭は毎年5月2日、3日で行っているが、是非お越しください。
見ると益々この学校に来たくなる。
ダンスあり、女装あり、大変盛り上がった。
灘甲南定期戦は半世紀以上の歴史がある。
高校1年生では、希望者のみであるが夏休みに3週間、英国研修がある。
体育祭は相撲競技などユニークな内容で大変盛り上がる行事である。
11月開催の学芸祭では、中学は合唱コンクール、高校は演劇コンクールを行う。
他にも遠足、スキー講習など行事は多数ある。
部活動も盛んで、生徒の90%以上が入部している。1/3の生徒は文化部、体育部を
兼務している。
文化部を3つ、4つ掛け持ちで入っている子もいる。
中学テニス部は2年に1度は全国大会に出場している。
科学オリンピックでは毎年いい成績をおさめているが、学校が無理やり尻を叩いて行か
せているわけではない。
生徒たちが自ら勉強し、自ら応募して、代表になり、メダルを取る。
最後に入試の話になるが、
小学校、中学校の先生にお書き頂く調査書について。
提出して頂く調査書で重視するのは、学校の出席日数である。
成績や先生の評価も見るが、あくまで参考程度。成績は入試の成績しか見ない。
欠席日数が1/4以上だと要注意。欠席日数が気になる生徒は欠席理由を
書いて頂いたほうがよい。また欠席日数1/4以上でもやむ得ない理由の場合は、
その旨、理由を書いてほしい。欠席20日くらいなら問題ない。
追加合格については、昨年は追加合格は出さなかった。
第1回の呼び出しの段階で定員に満たない場合は、追加合格を出す。同点の場合に
はその点数の受験生一律に連絡をする。最終の生徒呼び出しでまだ定員に満たない
場合にはその段階でもお声掛けする。
入試当日のお願いですが、最近受験生が増え
たこともあり、入試の混雑状況が激しい。そのため、小学4年、5年で入試の下見に来
られる方はご遠慮願いたい。また塾生の激励にために在校生を動員するのもご遠慮願
いたい。
■入試要項説明 入試総務部 大西先生
入試要項
入試日 中学 1月17日(土)・1月18日(日)
高校 2月10日(火)・2月11日(水)
出願期間 中学 平成26年12月24日(水)~平成27年1月6日(火)
高校 平成27年1月16日(金)~1月26日(月)
受付は郵送のみ(出願最終日の消印まで有効)
願書は楷書で丁寧にご記入ください。
受験票の顔写真については、裏に名前を書いてほしい。
調査書は、従来手書きだったが、HPからダウンロードしてパソコンから入力して提出
することもできるようになった。
受験票は入学手続きまで必要になるので、大事にお持ちください。
受験番号はコンピューターでランダムに発行するので、早く提出したからといって
若い番号がつくわけではありせん。
受験票と一緒に送付する受験当日の注意事項をよく読んでください。
その紙に携帯サイトのアドレスがあるので、登録ください。
受験当日、天候や交通事情で時間が変更になる場合にその情報をそのサイトにアップ
します。
試験日程は1月17日(土)国語・理科・算数、1月18日(日)算数・国語の500
点満点、高校は2月10日(火)数学・理科、2月11日(水)英語・国語で400点満点。
集合時間は8時45分 試験開始は9時20分の予定。試験終了は両日とも正午過ぎに
終了予定なので昼食は必要ない。
食べ物の持ち込みは禁止です。飲み物は水筒など持ち込みは可です。
保護者は校門から中には入れない。体育館で待機していただきたい。
受験会場の教室には時計、エアコンが設置してあります。
携帯電話の持ち込み禁止。
受験時は、机の上に出せるもととして、受験票、筆記用具、消しゴム、直定規、
コンパスのみ。
三角定規は禁止、筆箱も試験中はかばんにしまっておく。
当日の時間割は黒板にも掲示します。
体調が悪い場合は、別室で受験が可能なので当日申し出てください。
解答上の注意事項として、
解答用紙は受験番号のみ記入、名前は記入しません。
部分点については、算数、数学、国語の記述式の問題で
部分点を認めているので、最後まで解答が出せなくても
途中まで書いてください。
解答用紙および問題も含めてすべて回収します。
受験生は問題を持ち帰ることはできません。その代りに
各教科の終了後に体育館で問題を販売する。
過去問題は、解答付きで冊子にして学校事務室で販売している。
合否は、すべての科目の総合点のみで判定する。各教科ごとの足切り点は一切ない。
教科担当者のみによる厳正な採点をしています。
合格発表は、試験の翌日に本校体育館への張り出しのみになるので
電話等によるお問い合わせにはお答えできません。
試験前に、志願者数が決定した段階で志願者数を学校ホームページで発表します。
入試が終了した段階で、各科目の平均点、最高点などを掲載する予定です。
個人の成績は、合格発表の日に受験票を提示して頂ければお渡しすることができる。
郵送を希望する場合は、試験2日目終了後に受付してください。ただ、入学手続き
に間に合わない可能性が高いので要注意。
入試に関する注意点は以上になります。
■校長先生のお話
■学校の紹介(スライドショーによる説明)
■入試要項説明
■校長 和田 孫博先生のお話
27年度入試に向けた全3回の説明会のうち、今回が1回目の説明会にあたる。
本校は1927年(昭和2年)10月24日に創立され、今年で87年目になる。
この会場のある本館は、その当時からあり登録有形文化財に指定されているが、
その他の建物も含めだいぶ古くなってきたため、校舎の増改築工事を
進めてきたが、昨年春すべて完成した。
2つのグランドは人工芝となり、外観だけ見ると
まるで新設の学校のような印象をお持ちになるかもしれない。
人工芝になった野球グランド
耐震補強工事が完了した校舎と天然芝の広場
大正時代からこの近辺は教育熱が非常に高かった。
そのため旧制公立中学を目指す受験熱も高く、すべてを公立だけで受け入れることができず
私立中学をこの近辺でつくることになった。
このエリアご出身で当時東京高等師範学校(現筑波大学)校長
兼 講道館館長であった加納 治五郎先生に学校創設の顧問をお願いした。
昔からこの近辺は酒造りで有名で、加納先生の親戚筋にあたる酒蔵にも創設時ご援助を頂いた。
今でも本校は菊正宗、白鶴、桜正宗の3つの酒造会社が本校の母体であり、現在の本校理事長は
菊正宗の社長である。
私立の学校には必ず建学の精神が存在するが、
本校の建学の精神は、講道館柔道の精神である「精力善用」「自他共栄」を校是として採用している。
「精力善用」とは、自分の力を見極めて、最大限に利用すること。
「自他共栄」は字のごとく、自分だけでなく他の人と共に幸せになること。
生んでくれ育ててくれたご両親や学校の先生、切磋琢磨した友人などまわりの人があっての自分。
スポーツの世界でもなんでも、成功を収めた人は必ず、お世話になった人々への感謝の気持ちを
忘れない。
東日本大震災で大変な思いをしている人が未だにたくさんいるが、そういう時ほど
「精力善用」「自他共栄」の精神をもって助け合うことだ重要だ。
この2つの精神を持ち、自由と自主の校風を守りながら中高6年の一貫教育を目指してきた。
中高一貫教育のメリットは、
中学高校の枠を取っ払い、自由に教育の内容を設定できる点にある。
文科省の要項では、
小学校は初等教育、中学校は中等教育であるが
高等学校は高等教育ではなく高等教育とは大学教育を指す。
高等学校は中等教育の中に存在する。
つまり、中等教育とは中学校と高等学校の6年間が中等教育である。
それが今の制度では中学校3年、高等学校3年と分けてしまっている。
本来中高6年教育のほうが効率もよく、意味がある。
その6年を見通したカリキュラムの中で、本校は各教科の教員7~8名で担任団を作り、
中学1年生から高校3年生までの6年間ずっと持ち上がっていく
「担任持ち上がり制」をとって完全中高6年一貫教育をおこなっている。
教科指導においては、各学年の教科の先生は自分のやり易い方法で工夫をしながら
授業を進められるメリットがある。
生活指導面においても、
たとえば思春期、反抗期を迎えて悩みを抱え勉強が手につかなくなった生徒の
変化に気づきやすいというメリットがある。
また、担任が一対一の場合は、先生と生徒の相性が合わないとスムーズな対応ができないが、
先生が7~8名のチームで生徒ひとりひとりを見ているのでその心配もない。
本校は個性のある、尖った生徒が多数入学してくるが、
担任持ち上がり制によって、生徒同士がお互いの個性を尊重しあうようになり
やがて先生も含めて学年が一つの家族のようになる。これが「担任持ち上がり制」の
最大のメリットである。
「担任持ち上がり制」によって横のつながりは強くなるが、
縦のつながりは、部活動や委員会活動に属して先輩後輩の間柄で暮らしていくことで
強固なものとなる。
6年一貫の話をしてきたが、本校では高校から約40名の新たな血を導入することで
中学から高校に上がる中だるみ時期に中入生が刺激を受け、
また高校からの新入生とお互いが刺激を与え合う、まさに「自他共栄」を実現している。
高校からの入学者に対しては、数学に関しては全授業中入生とは別授業で行う。
国語は、古文・漢文について別授業を行う。同じように理科の一部の科目や
体育の柔道の授業などは別授業を行うので高校からの生徒も心配ない。
高校2年生からは文系、理系に分かれるが、ここからは中入生に交じっての授業となる。
クラブ活動に関しても、高校生からでも体育部、文化部に所属することができるので
心配はいらない。
本校のカリキュラムは土曜日に正規の授業はない。月曜から金曜日の32時間、
週2回7時間の授業がある。土曜日は様々な行事や定期試験、年に数回の土曜講座がある。
土曜講座は本校のOBを中心にして、OBが取り組んでいる最先端の話やどうして今の職業を
選択したかについて、聞くだけの講演会ではなく授業形式で講座を行っている。
いくつかの講座を同じ時間帯に設け、生徒たちが興味のある講座を選択して受講し、
レポートを書いたりして総合学習を行っている。
生徒が主体的に講座に取り組んでいる。
最近話題に出るグローバル人材の育成に関しては、
英語を話せるだけではだめで、日本人としての素養を持つことが大事。
英語教育に関しては、本校はネイティブの先生が2人いて中学1年生から中学3年生までの授業を担当している。
最後に、
先ほど自由と自主の話をしたが、自由だからといって何してもいいわけではない。
自由を守るっていくには、自分たちで枠を守っていく、つまり自立心が必要になってくる。
例えば、本校は制服などないが、電車に乗って通学して勉強しにくるわけだから
それに相応しい服装をする必要がある。制服があれば毎日同じ制服を着てくればいいが、
私服は季節に合っているかどうか、色合わなど自分で考えないといけない。
保護者の方にお願いしているが
お父さん、お母さんが夜寝る前に衣服を揃えてはお子さんの自立心が育たない。
服装を自分で考えることも自立心を育てる意味で大切である。
校舎を新しくしたが、すべて新しくした訳ではなく
昔からの良き伝統を残しつつ、新しい時代に適した教育環境を考えた。
これから入学する生徒たちはその素晴らしい環境を
十分に享受できるので、その日を楽しみにあと少し頑張ってほしい。
中学校 教室
緑豊かな中庭
■学校の紹介(スライドショーによる説明) 教頭 大森 秀治先生
中学は1クラス45名、高校になると新たに40名入学して1クラス55人の
1学年4クラスに設定している。
クラス数をあまり多くしてしまうと、担任持ち上がり制の学年団が機能しなくなる。
それぞれの教科担当の先生が独自の深度、教材で授業を行い、
学年の責任を持っている。最近はクラスの少人数化が進んできており
1クラスの人数が多いように思えるが、一人の先生がすべて面倒をみるわけでなく、学
年の先生7,8名全体が面倒を見るので手厚い人間関係が構築できる。
講堂のある建物は登録有形文化財に指定されている。ご子息が入学された場合に
はこの講堂で入学式が行われる。中学棟は1号館で耐震補強されている。図書館の
上は屋上庭園で、神戸市風致地区の協定で緑化されており敷地内は大変緑が多い。
加納 治五郎の像も新しく造られた。
その縁で本校は中1~高校1年まで柔道の授業は必須である。200畳敷きの広い柔道
場がある。
人工芝のグランドは野球仕様の第1グランド、サッカーラグビー仕様の第2グランド、
中学棟の1号館、高校棟の2号館、職員室のある3号館、視聴覚室等のある東館。
本校は自由な学校で校則はないが、これだけは守ってほしいルールがある。
髪の毛を染めてはいけない。ズボンは長ズボン、足元は靴、これは守ってほしい。
あと学校に駐輪場がなので、最寄駅までは自転車でもいいが、学校への自転車は禁
止している。
高校は1クラス55名だが、教室は十分広い空間になっている。
中学も高校も受験会場はこの高校棟の教室となる。
ただ、昨年は中学入試の受験生が690名と増えており、高校の教室12室に入りきれ
ず、史上初めて中学教室を使うことになった。
理科教室も新しくなった。もつもと理科には力をいれている学校である。ネイティブの英
語教員は2名おり、中学のあいだはクラスを半分にして少人数で教えている。高2、3
はネイティブと日本人教師がセットで英語を教える。
パソコン60台揃えたコンピュータールーム、図書館も新しくなった。
奨励しているわけではないが、通学エリアは非常に広い。
通学時間はだいたい1時間~1時間半の範囲だが、中には名古屋、岡山から新幹線
を利用して毎日通学している生徒もいる。
一番遠いところの生徒は、広島から毎日新幹線通学している。もちろん下宿して通学
することも可能。
生徒へのアンケートで、勉強で困ったときどうするか?
先生に聞くが14%、家族に聞く14%、友達に聞くが64%
灘校は受験校でお互いみなライバル、人間関係もギスギスしているのではと思う人もい
るかと思うが、実はそうではない。
これまでどんなに優秀な子も灘に入ると、自分には敵わないものを
持っている優秀な生徒がたくさんいる。聞かれても教えないとうことが小さなことに感じ
てしまう。自分が知らないことは周りから教えてもらい、知ってることは教えてあげるとい
う気持ちが芽生えるため、実はみんな仲が良い。
親御さんからの質問でよくあるのが、
灘に合格したのはいいが、下のほうの成績で入ってもついていけるのか心配だと。
中学入学時と高校卒業時の成績を記した分布図をみると、
トップで入ってトップで出る子もいるし、下位で入って下位で出る子もいるが、
分布は完全にばらけている。
ようは入学後にどういう生活を送るか、どういう心構えで勉強するか、それが大事であっ
て入試の成績は気にする必要はない。
行事については、 入学するとまず遠足がある。続いて
文化祭は毎年5月2日、3日で行っているが、是非お越しください。
見ると益々この学校に来たくなる。
ダンスあり、女装あり、大変盛り上がった。
灘甲南定期戦は半世紀以上の歴史がある。
高校1年生では、希望者のみであるが夏休みに3週間、英国研修がある。
体育祭は相撲競技などユニークな内容で大変盛り上がる行事である。
11月開催の学芸祭では、中学は合唱コンクール、高校は演劇コンクールを行う。
他にも遠足、スキー講習など行事は多数ある。
部活動も盛んで、生徒の90%以上が入部している。1/3の生徒は文化部、体育部を
兼務している。
文化部を3つ、4つ掛け持ちで入っている子もいる。
中学テニス部は2年に1度は全国大会に出場している。
科学オリンピックでは毎年いい成績をおさめているが、学校が無理やり尻を叩いて行か
せているわけではない。
生徒たちが自ら勉強し、自ら応募して、代表になり、メダルを取る。
最後に入試の話になるが、
小学校、中学校の先生にお書き頂く調査書について。
提出して頂く調査書で重視するのは、学校の出席日数である。
成績や先生の評価も見るが、あくまで参考程度。成績は入試の成績しか見ない。
欠席日数が1/4以上だと要注意。欠席日数が気になる生徒は欠席理由を
書いて頂いたほうがよい。また欠席日数1/4以上でもやむ得ない理由の場合は、
その旨、理由を書いてほしい。欠席20日くらいなら問題ない。
追加合格については、昨年は追加合格は出さなかった。
第1回の呼び出しの段階で定員に満たない場合は、追加合格を出す。同点の場合に
はその点数の受験生一律に連絡をする。最終の生徒呼び出しでまだ定員に満たない
場合にはその段階でもお声掛けする。
入試当日のお願いですが、最近受験生が増え
たこともあり、入試の混雑状況が激しい。そのため、小学4年、5年で入試の下見に来
られる方はご遠慮願いたい。また塾生の激励にために在校生を動員するのもご遠慮願
いたい。
■入試要項説明 入試総務部 大西先生
入試要項
入試日 中学 1月17日(土)・1月18日(日)
高校 2月10日(火)・2月11日(水)
出願期間 中学 平成26年12月24日(水)~平成27年1月6日(火)
高校 平成27年1月16日(金)~1月26日(月)
受付は郵送のみ(出願最終日の消印まで有効)
願書は楷書で丁寧にご記入ください。
受験票の顔写真については、裏に名前を書いてほしい。
調査書は、従来手書きだったが、HPからダウンロードしてパソコンから入力して提出
することもできるようになった。
受験票は入学手続きまで必要になるので、大事にお持ちください。
受験番号はコンピューターでランダムに発行するので、早く提出したからといって
若い番号がつくわけではありせん。
受験票と一緒に送付する受験当日の注意事項をよく読んでください。
その紙に携帯サイトのアドレスがあるので、登録ください。
受験当日、天候や交通事情で時間が変更になる場合にその情報をそのサイトにアップ
します。
試験日程は1月17日(土)国語・理科・算数、1月18日(日)算数・国語の500
点満点、高校は2月10日(火)数学・理科、2月11日(水)英語・国語で400点満点。
集合時間は8時45分 試験開始は9時20分の予定。試験終了は両日とも正午過ぎに
終了予定なので昼食は必要ない。
食べ物の持ち込みは禁止です。飲み物は水筒など持ち込みは可です。
保護者は校門から中には入れない。体育館で待機していただきたい。
受験会場の教室には時計、エアコンが設置してあります。
携帯電話の持ち込み禁止。
受験時は、机の上に出せるもととして、受験票、筆記用具、消しゴム、直定規、
コンパスのみ。
三角定規は禁止、筆箱も試験中はかばんにしまっておく。
当日の時間割は黒板にも掲示します。
体調が悪い場合は、別室で受験が可能なので当日申し出てください。
解答上の注意事項として、
解答用紙は受験番号のみ記入、名前は記入しません。
部分点については、算数、数学、国語の記述式の問題で
部分点を認めているので、最後まで解答が出せなくても
途中まで書いてください。
解答用紙および問題も含めてすべて回収します。
受験生は問題を持ち帰ることはできません。その代りに
各教科の終了後に体育館で問題を販売する。
過去問題は、解答付きで冊子にして学校事務室で販売している。
合否は、すべての科目の総合点のみで判定する。各教科ごとの足切り点は一切ない。
教科担当者のみによる厳正な採点をしています。
合格発表は、試験の翌日に本校体育館への張り出しのみになるので
電話等によるお問い合わせにはお答えできません。
試験前に、志願者数が決定した段階で志願者数を学校ホームページで発表します。
入試が終了した段階で、各科目の平均点、最高点などを掲載する予定です。
個人の成績は、合格発表の日に受験票を提示して頂ければお渡しすることができる。
郵送を希望する場合は、試験2日目終了後に受付してください。ただ、入学手続き
に間に合わない可能性が高いので要注意。
入試に関する注意点は以上になります。