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スクール特集(滝川中学校の特色のある教育 #2)

「変化」から「シン化」へシフトチェンジ。3つの新コース制が始動!

医学部進学・語学留学・探究と、学びの軸によってコースを大きく改編し、加速する時代の流れの中で生き抜く力を養成する滝川中学校・高等学校。2022年度には、新コース制が始動した。

2022年度の新コース制に関して、個別のオンライン相談会なども含め、積極的に情報発信した滝川中学校。保護者や生徒からの手応えもよく、想定以上の新入生とともに一歩を踏み出した。大学進学時のゴールと、コースの特徴が明確になり、医学部進学、語学留学、探究を目的とした3コースを設置。制服も詰襟から、グレーのジャケットへ。コースが、制服が、そして教育プログラムが変わった新生滝川中学校・高等学校について下川清一校長、入試広報室室長 秋山良秀先生に話を伺った。

▶︎校長 下川清一 先生

医学部進学に向かって団結した6年間を過ごす「医進選抜コース」

「医進選抜コース」は、6年間を通して、強い使命感と倫理観を備えた医療者としての人間性を育み、医学部進学を目指す。従来より「医学部進学に強い」滝川の特徴を十分に引き継いだコースだ。中高6年間を4つのステージにわけた学習計画が立てられており、日々、高いレベルで「学びの質と量」を確保するプログラムが用意されている。

毎日の積み重ねとしては「滝川メディカルゼミ」と題して実施する放課後18時半までの勉強会が特徴的だ。2つのグレードに分け、習熟度にあわせて丁寧に指導する。担当するのは京大・阪大・神大等の現役医学部生だ。生徒は将来の目標となる存在を身近に感じることができ、心強いサポートを受けられるだろう。

下川校長先生はこのコースをクラブ活動に例えて話をする。「このコースの生徒は勉強の量が多く質も高いこともあって、部活動への参加はできません。その点について保護者からの理解を得ることには苦心しましたが、私たちはこのコース自体がひとつのクラブだと考えています。部活動が人間形成に欠かせないものという考えは、充分に理解していますが、目標に向かって全員で努力を積むなかで人間関係を学び、医療人としての人間形成が可能だと考えています」と自信を見せた。

またクラブ的な取り組みとしては、医療に関する課外活動が充実していることもあげられる。現役医師による講演会や体験学習、医学部見学など、幅広い経験を積んで医療人としての軸を育み、医学部受験突破を一丸となって目指す。

補足になるが、最近、このコースには、獣医学部への進学志望の生徒が入学可能かと、質問を受けるそうだ。下川校長先生は「たとえば感染症を突き詰めると動物の病気が関係します。そういった意味では獣医学部志望のまま、本コースを選択してもらってかまいません。獣医学部受験時に必要な勉強は、本コースで充分です。感染症で苦労した時代のお子さんだからこそ、興味を持ってくれているとしたら、むしろ心意気がうれしいですし、頼もしい傾向ですね」と話してくれた。

探究型の深い学びを追求して未来を創る人材へ「ミライ探究一貫コース」

どこの中学・高校でも探究活動がスタンダードになってきた今、「ミライ探究一貫コース」では滝川学園らしさを大切にしている。このコースでは生活の中で運用できる語学力と自ら主体的に動ける実践力を軸に、社会的な知性・行動力のある人材を育む。「探究」の授業は、基本を育む中学校で週2時間、実践に移す高校で週3時間をあてる。高校で週3時間をあてる学校は少なく、自分の興味ある活動に没頭できるぜいたくな授業数と言える。

入試広報室室長の秋山先生は「中学校に入学した時点では、自分の興味やテーマがあいまいな場合がほとんどです。好きなことが際立っている生徒もいますが、それが自身の能力や強みと合っているかはわかりません。そのため、中学では探究活動の基礎基本を身につける期間としています。級友とともに学び、さまざまな体験を通して自分自身を知り、方向性を定めてほしいと思います。高校ではたっぷり週3時間です。自らのテーマを妥協せず、本気で取り組めます」と話す。探究活動の成果が、実際に大学進学へつながる生徒の増加をイメージしている。

滝川へ赴任して2年が経った下川校長先生は、このコースには脈々と受け継がれる滝川精神を感じるという。というのも、高校3年生で指定校推薦のための面談をする時など「将来は起業したい」とコメントする生徒が多いのだそう。瀧川学園を創設した瀧川辨三氏は、神戸市を代表する実業家として知られる名士。日本のマッチ王として知られる人物だ。今までに他校での勤務経験が豊富な下川校長先生が感じるのだから興味深い。起業への思いを口に出すことが大切で、そんな生徒たちを頼もしく感じるそうだ。「起業はひとつの例だが、それぞれに新しい世界へチャレンジできる実力と心意気、人間性を育めるコース」と入試広報室長の秋山先生がまとめてくれた。

ターム留学を軸に国際社会に貢献できる人材へ「Science Global一貫コース」

高い英語力と好奇心・向上心を育み、国際社会で活躍できる人材を目指す「Science Global一貫コース」は、中学3年生3学期にニュージーランド・オークランドへ全員がターム留学する。中学校では3カ月の留学を目標に、基本的な英語学習に、オンライン英会話や英語で学ぶイマージョン教育などを取り入れ、留学前からアウトプットを強化。ニュージーランド現地では、生徒はすべて現地ファミリーでのホームステイで生活する。まずは語学学校で2週間、グレード別集中研修を受けてから現地校へ。19~20校へ分けて配属され、約3カ月を過ごす。帰国後からスタートする高校生活では、留学経験を活用してさらに運用力を高める英語教育を実践するのがコースの特徴だ。

一方でコース名に「Science Global」と掲げていることからもわかるように、理科教育にも力を入れている。授業数も多く、生徒一人ひとりが自分で見て、触れて、考えられるよう実験を重視して展開する。

この春からの新コース制では、とくにScience Global一貫コース希望者が多く、当初は1クラスの予定が、2クラスでのスタートとなった。新型コロナウイルスの影響による閉塞感も影響したのか、ターム留学への期待感、海外への意欲の高まりが感じられるそうだ。ターム留学自体は、以前のコースから取り組んでいるため実績がある。慣れ親しんだ生活では得られないコミュニケーション力、チャレンジする力を身につけて帰国する生徒が多く、帰国後は大学受験に向けてやりぬく力を発揮できると秋山先生は話してくれた。

下川校長先生は「今、関東では海外進学を目指す高校生が増えてきています。本校でもとくにScience Global一貫コースは、将来的に海外進学も視野に入れてほしい。一流大学といわれる海外の大学は、さまざまな方法で入学が可能です。学校としても情報を収集して、そういったニーズを掘り起こし、サポートできる態勢を整えていきます。神戸市は国際都市。遠慮なく海外へチャレンジしてほしいですね」と期待を語る。

自らが成長を求めて積極的に動く下川校長先生の本気

取材の中では、下川校長先生自身が、刺激や成長を求めて起業家と交流していることを話してくれた。20代、30代で事業を成功している若い実業家の勉強会に参加し、時代を変える新しい発想やエネルギーを体感しているそうだ。価値観や考え方の違いなどに驚かされながらも、交流の中で見えてきたのは、成功するの実業家には「ビジョン」があること。世の中を変えたいというビジョンがある人は、苦労をしても成功できるそうだ。

また成功する人は、必ず人脈があるとも話す。自分ですべてのことができなくても、人脈があれば、得意な人と協力しながら事業を進めることができる。そのためには自分にも提供できるスキルが必要になるため、一生懸命勉強する必要があると感じるそうだ。

起業家との交流から、滝川学園の教育へのヒントやアイデアも生まれるという下川校長先生。ビジョンや人脈を得るためにも、多感な10代のうちに様々な経験を持ち、友達や先生などとの人間関係を築くことが必要だと考える。

「変わる」と掲げてスタートを切った新コース制は、これからも「進化」を目指す。教育プログラムは時代の中で変わるもの。柔軟な姿勢で積極的に動く学校の姿勢には、変化の激しい時代へ立ち向かおうという気概が感じられる。成績でコースを分けるのではなく、特色でコースを編成し、リーダーシップ教育に伝統のある滝川らしい、多彩な分野で活躍できる人材の輩出を目指す。

【取材を終えて】
下川校長先生の赴任とともに、大きくコース編成が変わった滝川。昨年、取材に伺った際には、新コースの概要と方針を熱く話してくださったのが印象的だった。今回の取材では、新コースで初めてとなる中学入試を経て、想像以上の新入生を迎えることとなり、期待感に満ちた出発を話してくださった。滝川中学校ではZoomを使ったオンライン個別相談会も活用できる。ぜひ直接、話を聞くことをおすすめする。子どもの特性を活かせる教育プログラムを提案してくださるはずだ。

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