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スクール特集(園田学園中学校の特色のある教育 #8)

タブレットを活用したPDCAサイクル 自分の言葉で伝えることを学ぶ学修発表会

一年間の活動を振り返って自己評価をし、今後の目標設定と具体的な取り組みを計画するための学修発表会が高校1年生の全クラスで実施された。今回はその取り組みについてレポートしよう。

見える評価でより高い次元への意欲を見出すルーブリック評価を導入

国際化、情報化の急速な進展により社会構造が変化している中で、これからは主体的に新たな価値を創造していく力が必要となってくる。生徒が自ら進んで勉学に取り組み、学ぶ姿勢を身につけてほしいという思いから、園田学園では5年前よりICT推進委員会を立ち上げ、ICTを活用したPDCAサイクルを生徒自身で回していくという仕組みを作ってきた。

「学習活動、学校生活、部活動、資格・検定、校外活動など、生徒それぞれが自身の1年間の取り組みについて、ルーブリック評価を行い、支給しているタブレットを用いてポートフォリオとして残してきたものを参考にしながら、ロイロノートで1年間のまとめと次年度の目標を設定します。それを1人3〜5分でクラス全員の前で発表する機会を設けました。発表資料の作成や思いを言葉にすることで、自分の今の状態をしっかりと認識し、いま何をすべきなのかを考え、自ら積極的に学ぶ姿勢を身につけることを目的としています。『学修発表会』としているのは、この一連の取り組みが『人から習う』のではなく『自ら学びを修める』という意味を持っているためです」と教頭の繁明彦先生。

▶︎教頭 繁明彦先生

個性あふれるプレゼン資料と前向きで活き活きとした生徒の言葉

一年間を振り返って頑張ったこと、反省すべきこと、今後の目標をクラスに向けて自分の言葉で語るのを目的としている今回の学修発表会。7クラスすべてを回り、発表を見せていただいたが、作成された資料は実に多彩で個性的。園田学園では今回が初めての学修発表会ということだったが、手元の資料をただ読むだけでなく、クラスメイトの方を見ながら伝える姿勢ができている生徒も見受けられ、その立派な姿に感心した。また、感情や状況をイラストで表現するなど、文字をほとんど使わずに印象的なプレゼン資料を作成している生徒や、シンプルな言葉で簡潔に表現することで一番言いたいことをわかりやすく伝える効果的な資料作りができている生徒もいた。将来なりたい自分像、就きたい職業を視野に、2年生になってから、そして卒業する頃の自分という少し先の未来を見据えた具体的な目標を設定できている生徒もいたほか、振り返りの中で、うまくいかなかった時の心情を素直に表現し、どのように乗り越えてきたか、そして今後もし同じような状況に陥ったときにどう立ち向かっていくかの決意表明を熱く語る生徒もいて、まっすぐ前に進んでいく力強さと頼もしさも感じさせてもらった。

「今回はうまい、下手ではなく、クラス全員に自分の気持ちを伝えることを大切にしてほしいと生徒には伝えました。また、持ち時間内に発表資料を作って発表することも目標として設定し、前日に2人1組で本番に備えたロールプレイングの時間を設けました。ロールプレイングではお互いに良いところを褒めあって、伸ばしていく方法を取りました。このロールプレイングのお陰で多くの生徒が本番前に再度自分の発表内容を見つめ直し、より良い発表内容にブラッシュアップすることができたのではないでしょうか。ただ、手元の資料を読んでしまっている生徒が多かったので、今後は原稿なしで自分の思いをもっとわかりやすく伝えられるように、プレゼン能力を身につけていってほしいと思っています」と高校1年生の担任であり、ICT推進委員も務める山根侑起先生。

▶︎高校1年担任 ICT推進委員 山根侑起先生 

大学入試改革にも自信を持って対応できるプレゼン能力を身につけてほしい

今回の学修発表会の基盤となる「ルーブリック」は学習指導要領に沿った内容でショーケース化し、園田学園でオリジナル作成され、学期末に評価するサイクルで振り返りを行っているもの。今後はこのルーブリック評価の内容の見直しも随時行い、より良いものに進化させていきたいとのこと。

山根先生と同じく、高校1年生の担任であり、ICT推進委員も務める樫原篤志先生は、「中学から本校に通う現高校1年生は、中学2年生からタブレットを個人持ちしてさまざまな授業で活用してきました。興味を持ったことなどを探究の授業で発表する機会を設けるなど、タブレットを使用した発表経験がありますが、本校では高校からの進学者がクラスの大半を占めます。今回の学修発表会を振り返ってみて、高校からの進学者もこの1年でタブレットを上手に使いこなし、うまく活用できるようになってきたと感じています」と話す。

「園田学園では自分の起床時間、就寝時間、勉強時間を入れ、生活習慣を自分自身で把握して、日々を振り返れるようClassiを活用しています。園田学園のICT推進委員会は5年前から活動していますが、生徒たちの学びの姿勢にも変化が見て取れるようになってきました。生活スタイルだけでなく、授業のデータを手元にきちんと記録して残していけるというメリットがあり、進度をしっかりと把握できるので、振り返りもしやすいんです。従来型の授業では板書に気を取られ過ぎて集中できていなかったり、学習時間が足りなくなっていた生徒も、タブレットを活用することで授業に集中しやすくなったように感じています」と山根先生。

『知識・技能』『思考力・判断力・表現力』『主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性・協働性)』という学力3要素を図る新しい受験システムに向けて、園田学園の教育施設・学習環境は十分に整ってきているようだ。

樫原先生は今後について、こう語る。「今後も学校として、ICTの活用に積極的に取り組み、進路実現につなげていきたいです」

▶︎高校1年担任 ICT推進委員 樫原篤志先生 

〈取材を終えて〉
「振り返りをして目標設定をすることはできても、それを言葉にしてわかりやすくみんなに向けて発表する形にしていく作業はとても難しいこと。複数のテーマを箇所書きにして資料を作成してしまったので、話が繋げにくくなった。もう少しわかりやすく伝えられるようになりたい」と語った生徒の言葉が大変印象的だった。この学修発表会での経験は、きっと今後の入試に役立つ学びとなるだろう。発表するという場を持ち、クラスメイトの考えなどを知ることで刺激を受け合え、入試の時にも堂々と自分の思いを伝えられるようになっていくように感じた。

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