スクール特集(園田学園中学校の特色のある教育 #7)
2017年に竣工した新校舎の最新ICT環境で行われる少人数ならではの行き届いた教育
明るく開放的な教室や広いレストスペースなど、思春期の女の子が気持ちよく過ごせる設計に、最新のICT環境を備えた新校舎が竣工し早1年。新校舎での学園生活などについて、おふたりの生徒にお話を伺いました。
中学3年生のY・Iさん、M・Iさんに、新校舎で過ごした1年や園田学園での中学校生活についてのお話を伺いました。
▶写真:左 M・Iさん/右 Y・Iさん
生徒インタビュー
Q.新校舎になり、授業や教室の設備面で変化はありましたか?
Y・Iさん「黒板からホワイトボードに代わり、プロジェクターも設置されました。旧校舎の時も授業でプロジェクターを活用していましたが、教室の端にスクリーンが設置されていたので、座る場所によっては見えづらかったのですが、今はホワイトボードが教室の真ん中にあるので、どの席からでも見やすく、分かりやすいです」
M・Iさん「Wi-Fi環境が整備されたので、旧校舎の時に比べ、授業でタブレット端末を使うことが多くなりました。特に、数学の授業は、主にタブレット端末上でするんです。たとえば、ひとつの問題を各々のタブレット端末で解き、その解答をホワイトボードに一斉に映し出してそれぞれの解き方を比較してみたりもします」
Y・Iさん「英語の授業も変わりました。以前は先生が黒板に英文を書いて、それを私たちが書いてという流れだったのですが、今はホワイトボードとタブレット端末にも同時に映し出されるので待ち時間がなくなりました。ほかにも、以前は教科書やノートでかばんが重かったんですが、授業がタブレット端末中心になってから、かばんが軽くなりました」
M・Iさん「中学3年生は11月にニュージーランド研修があり、今は研修に向けてチームに分かれて事前学習をしています。その学習でも現地の文化を調べたり、発表するのにタブレット端末を使用しています」
Y・Iさん「あと、新校舎になって、音楽室が一番上の階になり、とても明るくて気持ちがいいんです。景色がよいので、合唱の声をあの山まで飛ばそう!と、コーラス大会前はクラス一丸で楽しみながら練習に励んでいます」
Q.生活面で変わったところはありますか?
M・Iさん「やっぱりトイレです。とても広くなって、前は和式が多かったけれど、今はほとんどが洋式です。鏡も増えたし、学年ごとにテーマカラーが設定されていて、ブラインドなどの色も違い、かわいいです。また、手をかわかせるハンドジェットがあるのもうれしいです。廊下も木の床になって、明るくなりました」
Y・Iさん「今は廊下を挟んで、教室と特別教室が並んでいます。近くに、色んな教室がそろうので、移動距離が短くなったのもうれしいですね。また以前は、中学生と高校生は別棟だったのですが、今は同じ校舎で、食堂やアリーナに行くのに高校の先輩方が中学の教室の前を通るので、高校の先輩方と話す機会も多く、距離が近くなったと感じています」
Q.おふたりは、なぜ園田学園を選ばれたのでしょうか?
M・Iさん「母の出身校なんです。一度、学校見学に来たら、母の学生時代の先生がまだいらっしゃって、『あなたの娘が入るなら面倒みてあげる』と(笑)。授業見学や部活動体験などを経て、部活が充実していて、勉強と部活を両立できる点が気に入り、園田学園に進学することを決めました。入学後は、ハンドボール部に入部しました。ハンドボール部は中高合同で練習していて、高校の卒業まで引退がないんです。先輩方とも仲がよく、勉強で分からない所があれば、高校の先輩が教えてくれたりもします」
Y・Iさん「私も部活体験で、生徒と先生の雰囲気がよく、明るく楽しそうに活動していた姿を見て、進学を決めました。バドミントン部に所属しています。バドミントン部は、基本的には中学だけで活動していて、部員数は22名です。部員数が多いですが、顧問の先生が一人ひとりをしっかり見て、声をかけてくださるので励みになります」
Q.園田学園の魅力について教えてください。
M・Iさん「ひとクラスの人数が少ないので、授業でも先生が分からない所を分かるまで、しっかりと教えてくださることです。通常授業終了後の7限には、自学自習するための部屋が設けられ、先生が常駐しているので、分からない所を先生に聞くことができます。また進路についても、先生と話し合って決めることができます」
Y・Iさん「同じく人数が少ないので、学校全体で行事などに一丸となって取り組む所が魅力です。たとえば、ファミリー活動といって全学年縦割りでチームを作り、体育祭などで競ったりします」
M・Iさん「1年生の時、体育祭のダンスが上手に踊れなかったときも、3年生が踊れるようになるまで練習に付き合ってくれたことを覚えています」
Y・Iさん「部活でも、1年生のときに分からないまま、自分の判断で色んなことを勝手にしていたんですが、先輩が『絶対見捨てないから。最後まで一緒に戦うよ』と言ってくれました。すっごくうれしかったし、分からないことはちゃんと聞こうと思いました。園田学園のポリシーが”自分らしさをひとりひとり見つけよう”なんです。自分らしさを見つけるとともに、人の良い所を見つけられる女性になりたいと思います」
次に、教頭の繁 明彦先生にも、教職員の立場から新校舎になって変わったことをお伺いしました。
タブレット端末を効果的に利用し、家庭学習や生活環境までサポート
新校舎になって、生徒たちは教室が明るく、開放的になったことやレストルームが広くなったことを第一に言っていたかと思います。それはもちろんですが、教職員の立場からは各教室にホワイトボードとプロジェクターが設置され、全館Wi-Fi環境が整備されたことで、タブレット端末を最大限に利用して、効率的に授業を進めていけるようになったことが一番大きいですね。
たとえば、数学の授業であれば、従来の黒板形式の授業では複雑な作図に時間がかかり、先生の“板書待ち”がありましたが、今はタブレット端末のボタンをひとつ押せば、ホワイトボードに作図されます。英語なら教科書の英文を、即時にホワイトボードに表示させることが可能です。そういったことの積み重ねで生まれる“隙間時間”を利用し、生徒たちに発表させたり、タブレット端末で調べさせたりすることで、思考力・判断力・表現力を身につけさせるための効果的な授業を展開できるようになりました。
授業で使用するほか、タブレット端末には個々の生徒の学習状況に応じた家庭学習を支援する課題なども、担任から配信しています。課題はタブレット端末上で担任に提出する形ですので、課題の取り組み状況も一目瞭然です。タブレット端末上の各自のデータは蓄積され、大学入試の際のポートフォリオとしても活用できるように進めています。
また、タブレット端末に毎日の家庭学習・生活状況を入力する取り組みも行っています。何時に寝て、起きて、英語は○時間勉強して…とタブレット端末のスケジュールに自分で入力するスタイルで、それを毎朝担任がチェックします。学校での様子だけでなく、家庭での学習・生活状況を把握することで、担任と生徒とのつながりがより密接になったと感じています。
進路指導とは、どこの大学に行くかだけに留まらず、生徒の将来の生き方や考え方を、一緒に考えること。生き方や考え方とは、生活を基盤に育まれるものですから、勉強だけでなく、生活スタイルにもしっかり目をくばって指導しています。
もちろん、タブレット端末上のデータは保護者も見ることができます。保護者向けの学級通信を毎日配信する担任もいます。かねてより家庭とのつながりを重視し、全家庭訪問を行ってきましたが、タブレット端末を通じて保護者との連携をより強め、生徒をサポートしていきます。
「生徒にとことん付き合う」をモットーに、安心して生徒を任せていただける環境が、新校舎になり、より充実したと考えています。
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