スクール特集(園田学園中学校の特色のある教育 #6)
女子のためのやさしい新校舎が完成
2017年4月に新校舎が竣工し、2018年に80周年を迎える園田学園中学校。新しい時代に突入しようとしている同校の校長先生に新校舎の特徴をうかがいました。
園田学園中学校では、2017年4月に新校舎が竣工しました。コンセプトは「女子のためのやさしい校舎」。強靭な耐震構造、最新のICT設備、人にも環境にも配慮したエコで快適なハイテク校舎が、生徒の心身をやさしく、しっかりと守ります。学習環境も大きく向上し、21世紀に応じた新しい教育への期待が高まります。
新校舎の特長について、校長先生にお話をうかがいました。
園田学園中学校 校長 石井 稔先生
創立80周年に向けて新校舎建設
園田学園は来年度2018年に創立80周年を迎えます。社会はまさにグローバル化・情報化が急速に進展し、新しい時代に突入しようとしています。そうした時代の転換期と、学園の歴史の節目が重なり、新校舎建設が実現しました。
新校舎には三つの特長があります。第一に、「安心・安全」です。大震災に備えて堅牢な耐震構造の校舎を建設しました。材料も技術も最上で、美的にも優れています。校舎外壁のコンクリート部分は打ち放しにして、滑らかでとても美しい仕上がりとなりました。
また、本校の位置する尼崎市は大地震の津波被害が予測され、本校は運動場まで浸水すると想定されています。新校舎は6階建て・地上24メートル、この地域の制限ぎりぎりの高さです。3階以上に避難すれば津波から免れることができます。
校長 石井稔先生
「学習」「生活」ともに最良の環境
特長の第二は、「学習環境」です。各教室にプロジェクターとホワイトボードを設置し、視聴覚設備を整えました。また、全館無線LANを敷設し、ICT活用教育の環境も整えました。本校では、すでに生徒がタブレット端末を所有し、授業などで活用しています。ICT環境の整った新校舎で、21世紀社会に必要とされる思考力・判断力・表現力をさらに育んでいきます。
特長の第三は、「生活環境」です。採光や風通しに優れた設計です。そして、最新の材料とハイテクにより低コストの空調管理が実現し、エコで快適です。
校舎は広い中廊下を挟んで普通教室と特別教室が向かい合っています。普通教室は南側に配置し、一日中明るい日差しが降り注ぎます。紫外線カットの窓は断熱性に優れています。また、教室の廊下側の壁面にも窓をつけ、風通しがよく開放感があります。中廊下の両端もガラス張りにして、廊下も明るい。
階段の壁面にも大きな窓を設置しています。窓にはセンサーを取り付け、館内の温度や湿度、風雨を感知して窓上部が自動開閉します。この仕組みにより、温まった空気が1階から上階へと吹き抜け、館内の気温上昇を和らげることができます。
教室分の広さの豪華レストルーム
6階建ての校舎は、壁は白を基調として、床はフローリングです。清々しさとともに、温もりある木の質感を大切にしました。また、中学生のフロアは、廊下の柱の一部と教室のブラインドのカラーをピンクにして、アクセントをつけています。高校生はフロアごとに学年カラーであるグリーン、ブルー、イエローを取り入れました。こちらも廊下の柱の一部と教室のブラインドを学年カラーにしてアクセントをつけ、学年の目印となっています。
レストルームも自慢です。“女子にとっていちばん大事な空間”として、ほぼ教室分の広さを確保しました。洗面スペースはガラス張りで、眺めがよくて明るい。この自然光を大事にして間接照明にしました。関節照明は、顔色が美しく映えるといいます。広い空を眺めながら、ほっと一息つける空間となっています。
洗面台の鏡も大きい。姿見も設置しています。ここでゆっくりと身だしなみを整えることができます。洋式トイレは温水ウォッシュレット付きで、和式トイレも設置しています。
情報教室、茶室、和室、食堂
情報教室は2室、計76台のPCを設置し、情報教育やアクティブラーニングなど広く活用します。本校独自の教育「女性学」でも使用する茶室と和室は本格的なしつらいです。女性としての豊かな知性と教養、美しい品格を身につけるために、「女性学」としてさまざまな学びを行っています。茶道や華道、着付けなどの実技では、茶室や和室がぜひ必要です。
音楽室はピアノが3台あり、将来幼児教育や音楽大学を志望する生徒も練習できます。ギターや打楽器、和楽器も充実しています。校舎屋上は庭園をつくりました。遠くに六甲山を望む憩いの場です。
清明ホールは体育館、食堂、図書館などの施設が集合しています。図書館は蔵書4万冊、明るく広い自習スペースもあります。食堂は園田学園女子大学生協が運営し、栄養があっておいしいメニューが充実しています。アリーナはバレーボールのコートが4面とれるゆとりの広さで、観覧席も備えています。
全館竣工は2018年4月、グラウンドも拡大
新校舎の完成を全校生徒が心待ちにしていました。新校舎に初めて足を踏み入れた日、生徒たちから歓声が上がり、「すごいなあ、いいなあ!」「こんな環境なら、一生懸命勉強しなきゃ!」などの声が聞こえてきて、私たちも心から喜んでいます。
現在、敷地の東側に建物を建設中です。ダンス・剣道・卓球などの部活や授業で使用する小体育館、サブホールなどを建設し、南側の新校舎と渡り廊下でつなぎます。グラウンドも整備し、現在よりも広くなります。ソフトボール部やハンドボール部なども余裕をもって練習できるようになります。全館竣工は、2018年4月の予定で、グラウンドは同年秋に完成します。
生徒にとって居心地のいい校舎こそ、学習に集中でき、学ぶ意欲や積極性を育むことができます。本校の清々しく快適な校舎で、新しい時代に応じた教育を行い、生徒一人ひとりの夢を実現させていきます。
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