学校詳細
建学の精神、教育理念
「ひと創り」の精神で、世界に通用する紳士たれ
甲南中学・高等学校では、6年間の中で、豊かな心を持ち他人を思いやる精神を育む「徳育」、健やかな身体とたくましく生きるための「体育」、自ら考えて意欲を持って学ぶ力を養う「知育」の3つのバランスを重んじ、創立者・平生釟三郎が願う「世界に通用する紳士」を育てる。甲南の教育目標は、時を経ても変わらない「ひと創り」の精神。甲南学園は、明治・大正時代の教育に見られた知識偏重の画一教育に対し、「ひと創り」という本来の教育に立ち返る目的のもと創立。社会で活躍できる人物の育成を目指し、勉学だけでなく人格形成や身体づくりも重視し、徳・体・知のバランスがとれた学びを実践することで、一人ひとりの有能な個性を伸ばしてきた。創立以来、ぶれることなくこの教育理念を堅持。目指す生徒像は豊かな心をもち、他人を思いやる生徒、すこやかな身体とたくましく生きる生徒、自ら考え、意欲を持って学ぶ生徒。教育の本質を実現するために、徳・体・知のいずれにも偏らずバランスのとれた人物を育成することを目標としている。
教育の特色
サイエンス、グローバルをキーワードに「甲南フロントランナー構想」を始動
2つのコースを設置している。フロントランナー・コースは、「国際社会の様々な分野に進出し、第一線で活躍できる人物の育成」を目的に設置。高校1年生までの間、理系科目にウェイトを置いたカリキュラムで学び、難関国公立・私立大学医歯薬理工系・文系への進学を目指す。また、「サイエンス・ラボ」「グローバル・ラボ」といったプログラムでは、様々な実験・実習・ワークショップなどを通じて、グローバル社会で必要とされる理系の素養や多様な文化や価値観のあふれる社会で活躍する力を養う。アドバンスト・コースは、「教室から社会へ、教室から世界へ」をキーワードに、社会の様々な分野で個性や才能を発揮できる人物を育てることを目標としている。甲南大学のほか、海外大学・国公立大学・難関私立大学など、多様な進路に対応するカリキュラムで学ぶ。海外留学を柱とする「グローバル・スタディ」の学びは、アドバンストコースで進めていくことができる。どちらのコースについても、甲南大学への推薦資格を持ったまま他大学受験ができる「留保受験制度」がある。甲南大学へ内部推薦で進学する場合は、「甲南大学進学願」を、12月末に提出することとなっている。進学願を提出するまでは、国公立大学・私立大学に限らず推薦入試を自由に受験可能。国公立大学に関しては、進学願提出後も留保受験をすることができる。一方、私立大学の受験に関しては、甲南大学にない学部に限って留保受験が可能。
中学校3年間のカリキュラムは、両コースともに主要5教科について十分な時間数を配当し、高い学力を身につける。特に英語については、グローバル人材の育成の目標に向かってどちらのコースも週7時間を配当し、3年間では21時間と学習指導要領の2倍に近い時間数となっている。このうち週2時間はオーラルコミュニケーションの授業とし、クラスを半数分割し英語コミュニケーション能力の向上を図る。フロントランナー・コースでは英語・数学を中心に5教科をバランス良く強化していく。
フロントランナー・コースでは中学校2年生、アドバンスト・コースでは中学校3年生の2学期で中学校課程を修了し、高校の学習内容を中学校時代から学んでいく。
施設設備
徳・体・知をバランスよく育てる緑豊かな落ち着いた環境
六甲山麓を背景に、南に大阪湾を眺望するキャンパス。緑に囲まれた4つの校舎の大きな窓が、その緑と明るい光を建物の中に運ぶ。明るく伸びやかな環境も甲南での6年間の「ひと創り」を支えている。図書館はゆとりある空間の中で、読書センターそして学習情報センターとして生徒の知的活動を支援。蔵書は約8万冊。探している本が図書館になければ、甲南大学図書館や芦屋市立図書館などの協力を得て、生徒や教職員の要望に応じられるよう対応している。図書館には、ビデオテープやDVD、音楽CDなどの視聴覚資料・機器も完備しており、昼休憩や放課後にこれらの資料を視聴することができる。また、本校独自の総合学習である「情報活用」「E-Study」、様々な教科活動の中で、調べ学習の拠点として図書館が利用されており、館内でのノートパソコン貸出サービスも行っている。2015年春には、オープンテラスに面する食堂がある「新甲友会館」、地下アリーナのある「新体育館」が完成。新体育館は天井高10.5mのアリーナが地下に、1階に運動部室、2階にトレーニングルームが設けられ、甲南の新しい体育・運動の拠点となっている。
学校行事
全力で取り組んだことが一生の財産になる
年間を通じて「健全な心」や「強く生き抜く体力」を育む役割を担うさまざまな学校行事がある。懸命に取り組むなかで、豊かな人間性が養われる。また、姉妹校との間で長期留学・短期留学・クラブ間交流など留学や国際交流を経験する機会が多く設けられている。また、姉妹校の生徒も甲南を訪れます。現地でお世話になった友人をホスト・ファミリーとして迎え入れるなど、お互いの家族ぐるみの親交も深めていく。
中2〜高1の希望者を対象とした夏休み2週間の短期留学はオーストラリア、中2〜3の希望者を対象とした春休み2週間の短期留学はニュージーランドで実施。高校生対象とした1年間のイギリス・オーストラリア留学、3ヵ月間のニュージーランド留学のほか、クラブ間交流も盛んに行っており、近年では、サッカー部がイギリス遠征に、テニス部がオーストラリア遠征に、ブラスアンサンブル部がハワイ遠征に、ラグビー部がオーストラリア遠征に出掛けている。
部活動
熱中しながら成長できるクラブ活動
先輩を目標として成長し、後輩を指導することでリーダーシップを身につけていく。6年間にわたる人間関係の中で、甲南の理想とする「紳士」としての人格が育まれていく。テニス部は県高校総体団体優勝・全国中学総体団体優勝、ラグビー部は県中学新人戦団体優勝、馬術部は全日本高校馬術競技大会団体優勝、アーチェリー部は県高校総体団体優勝・近畿高校総体優勝、ホッケー部は県高校総体優勝、ゴルフ部は全国中学ゴルフ選手権団体準優勝、ブラスアンサンブル部はスチューデント・ジャズ・フェスティバル県知事賞(全国2位)、将棋部は全国中学生選抜選手権個人優勝・全国高校選手権個人優勝など、輝かしい成績を収めている。
進路指導
未来を切り開くヒントとチャンスを提供する
将来に向けての明確な目標は、学ぶ意欲を高めるうえで大きな原動力となる。たとえ途方もない夢であってもどうすれば実現できるかを生徒といっしょに考え、指導する。その話し合いの中から、本当にしたいことや将来像が明確化される。進路指導室は常に開放され、進路に関するさまざまな相談をすることができる。その場で「答え」が見つからない質問にも、時間をかけて丁寧に対処していく。進路説明会では、各学年に応じた進学に関する情報が提供される場で、基礎期間から応用期間ではコース選択に関する情報やアドバイスを、発展期間では具体的な大学入試に関する最新情報を得ることができる。高校生になると学習合宿を行う。高1では日頃の学習法などの見直しを試み、高2では大学受験を乗り切るための高い意識付けと効果的な学習スタイルの定着を目指して2泊3日で1日10時間を超える学習をする。
毎年卒業生の約半数が甲南大学に進学する一方、東京大、京都大、大阪大、神戸大をはじめとする国公立大学や関関同立、慶応、上智、国際基督教大、医歯薬系私立大学、海外大学などに進学している。
その他
一人ひとりの個性・才能・創造性を伸ばす甲南独自の人間教育
一人ひとりの個性・才能・創造性を伸ばすことで、社会に出てからも活躍できる人物の育成を図っている。教科学習に加えて、特色ある独自の学びを展開。興味・関心を引き出し、自発的な成長を実現している。中1・中2で実施している「中学・自学自修プロジェクト」では自ら学び、興味関心を追求。土曜日のゆとりある時間を生かし、生徒一人ひとりが興味・関心ある事柄を1年間に渡ってじっくり探究するのが自学自修プロジェクト。自分の意思で学んでいくことで、個性の伸長を図る。先輩の優秀作品も参考にしながら自分のテーマを決め、研究の成果をレポートなどにまとめて発表する。音楽や小説などの創作活動を行ったり、ボランティア体験をまとめたりする生徒もいる。中3では未来の自分を明確にするキャリアリサーチ「OBワークショップ」を実施。さまざまな分野の第一線で活躍するOBがおり、幅広いネットワークがある。年2回OBを招き、いくつかのグループに分けてワークショップを開催。仕事のことはもちろん、中高時代に学んだことで社会に出てから役立ったことや、OBの方の甲南時代が熱く語られる。実体験から来る話を耳にすることで、将来に向けての意識が高まっていく。