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女子校

おばやしせいしんじょしがくいん

小林聖心女子学院中学校

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デジタルパンフレット

スクール特集(小林聖心女子学院中学校の特色のある教育 #8)

東大・京大に進学したOGに聞く!小林聖心の日々、教えと魅力

小林聖心女子学院の生徒は、自らの志に従って進路を決めるため、進学先は様々だ。今回は東大・京大へ進学したOGに、充実した学院生活の中で自分と向き合い、第一志望合格を叶えた話を聞いた。

毎年、様々な分野に進学した卒業生にインタビューを行ってきたが、それぞれに学校行事や好きなことを通して充実した学院生活を送り、自分らしい進路への気づきを経て進学している姿が印象に残っている。小学校からの12年間一貫教育の中で、教師や友達との深い信愛が育まれていることも特徴だ。今回、紹介するのは2024年春に東大・京大へ進学したOG。小学生から仲良しという2人が切磋琢磨しながら、現役で最難関国公立大合格を勝ち得た様子を聞いた。

●卒業生の紹介
児島舞香さん/東京大学文科三類1年 (以下児島さん)
三好英絵さん/京都大学文学部1年(以下三好さん)

▶︎写真左より:児島舞香さん、三好英絵さん

現在の進学先への志望理由を教えてください。

児島さん…中学生の頃、クイズで活躍している東大生による知識集団Quiz Knockの影響で、東京大学に漠然とした憧れがありました。また高1の最初の模試で、当時、唯一知っていた東大を第一志望にして、その後も模試のたびに書き続けていたら、いつの間にか志望校になっていた感じです。

「1番上の大学を目指せば、どこでも行けるだろう」と考え、高2の冬まではとりあえず東大を目指すことに。最高学府で学びを得られる環境や、1年と2年の成績で3年生からの進学先を決められる進学選択制度、レベルの高い仲間に出会えることが魅力的に感じ、本格的に東大受験を決意しました。

三好さん…高校1年生の頃は指定校推薦での大学進学を考えていたため、京大を目指すことはおろか、大学受験に挑戦することすら考えていませんでした。しかしそんな私に、児島さんは「大学受験に挑戦しないのはもったいない。一緒にチャレンジしよう」と、ずっと声をかけてくれていて。不思議なもので大学受験への意欲が芽生え、高2の夏、挑戦への思いを無視し続けるのは性に合わないと、受験を決意しました。

指定校推薦でも、大学は京都に進学したいと考えていました。志望校を下げるのは簡単だから、とにかく一番上を目指して頑張ろうと京大を志望校に。次第に京大の自由な校風に惹かれ、「志望校を下げたくない、京大に絶対行きたい」という思いが強くなりました。

受験期の一番のモチベーションになったのは、京都大学が出題する受験問題への憧れです。ほかの大学で出題されるものとは少し違う、ひらめきがあれば瞬時に答えが導ける一方で論理的思考を積み重ねることでも解ける味わい深さが、ものすごくかっこいいと感じました。「この問題を解けるようになりたい!」という思いが、私の中でとても大きかったです。

大学進学について、合格までの経緯やエピソードを教えてください。

児島さん…高1の時から模試は割と高い頻度で受けていました。とはいえ高2までは、ほとんどE判定でした。また塾にも通っていましたが、復習もあまりしておらず、人に言えるほどの勉強はしていなかったと思います。一方で学校のテストは、毎回きちんと取り組んでいました。高3の時も定期テストの勉強を受験勉強の一環として捉えていました。

高3の受験期も毎日自習室に22時くらいまではいたものの、他の受験生に比べて努力量は圧倒的に少なかったと思います。夏も秋もやりたい勉強が上手く回らず、模試もCとかDが多かったです。共通テスト前は共通テスト対策に全力を傾けしました。1月以降は過去問を中心に取り組み、2月は私立の対策を1週間して私立受験をしました。

実は東大受験が終わった時も、どう考えても受かった手応えがなかったので、合格発表を見るまで、絶対落ちたと思ったくらいです。

受験期を振り返ると、ずっと「受かる気がしない〜」と言いながら過ごしていましたが、「やりたいことは全部やる」精神で、学校行事などへの参加や、友達・家族との時間を大切にすること、息抜きもすること、睡眠・食事時間をたっぷり取ることを最後までやめなかったため、メンタルを大きく崩すことがないまま受験を終えることができました。

三好さん…指定校推薦での大学進学を考えていたこともあり、高2の夏からの受験勉強スタートは京大を目指す志望者の中では遅い方で、本当に不安でいっぱいでした。初めて予備校へ通いだしたこともあって、その頃は焦りが大きかったのを覚えています。

ストレスからか、朝起きられなくなってしまい、学校にいけない日が増えました。たくさん先生方にご心配をおかけしました。高3になってからの一年間は、本当に学校の先生方の支えが大きかったと思っています。

共通テストでしか使わない科目に勉強時間が割けない中、学校での教科書ベースの授業は本当にありがたかったです。また夏休みなどの休暇中の講座や、模試のフィードバック、政経や日本史などの受験生向けのバックアップなど、たくさん支えていただき、感謝しています。

私はとくに倫政の点数が伸び悩んでいたのですが、先生方のサポートのおかげで直前模試では30点アップし、本番も85点という自己最高点をとることができました。受験の天王山と呼ばれる高3の夏は、周りとの差に焦ることもありましたが、とにかくやるべきことを全部やろうと、質×量を意識していました。

今から振り返ってみると、この夏の頑張りが後々の自分を支えてくれたなと思います。共通テストまではとにかく共通テストの科目と、二次試験でも使用する科目の基礎固めに注力していました。共通テスト明けからは受験生は自主学習となるため、学校に行かず、塾の自習室で毎日勉強していました。ほかの受験生と比べると遅いかもしれませんが、本格的に京大の過去問を解き始めたのは、共通テストが終わってからです。

学校に行かない時期も友人と連絡を取り合い、お互いに励まし合っていました。受験期はとにかく、後悔することがないように、起きているすべての時間を勉強に充てることを意識していましたね。

小林聖心女子学院はどんな学校でしたか?

三好さん…私は中学受験を考えていた小学校4年生の時、いろいろな学校を考えていました。一方で母は小林聖心に行ってほしいという思いが強くあったようでした。そんな中、中学受験を待たずとも、小学校転入ができると聞き、私自身もおもしろそうな学校だなと感じていたので小学4年生で転入しました。

児島さん…私は小学校1年生から小林聖心でした。三好さんが転入してきた時、クラスは違ったのですが、「なんでもできる三好さん」とうわさになっていたんです。勉強もできて字もきれいでおもしろくて…みたいな感じで(笑)。その後、児童会の役員を一緒にするようになってすごく仲よくなりました。

三好さん…転入後すぐに友達もできましたし、児島さんとは一緒にカルタ同好会を作って、熱中していた時期もありました。小学4年生から高校3年生までの9年間を小林聖心女子学院で過ごしてきた中で、印象に残っていることはたくさんあるのですが、全体的な雰囲気で一番記憶に残っているのは「生徒の主体性」です。

小林聖心女子学院の生徒は自分から行動できる人がとても多く、元々主体的に動くのが苦手だった私も、周りの雰囲気につられて、次第に自分から動けるようになりました。

児島さん…体育祭や学院祭での運営での生徒のリーダーシップや、ボランティア精神は小林聖心の誇れる部分だと感じます。私自身、学院祭の副実行委員長や体育祭の審判ヘッドなど、様々な行事に積極的に参加して、多くの経験を得られたと感じています。

三好さん…小林聖心の生徒の主体性を感じたのは、模擬国連の活動で他校に伺った時です。会場の片付けの指示を出されたときに、小林聖心の生徒が一番にさっと動き始めたのを今でもよく覚えています。

児島さん…そうですよね。特に学外に出た時に、初めて主体性やキリスト教に基づく奉仕の精神が自然に身についていたことを実感します。また伝統や歴史に裏付けされた洗練された空気を持つ学校だとも感じています。

三好さん…小林聖心で出会った同学年の友人、先生方の存在はとても大きいです。私たちの学年は、とにかく何事にも一生懸命全力で取り組む学年で、一つ一つの行事が今でも鮮明に思い出せるくらい記憶に残っています。そして何より学年全体の温かさに受験期にたくさん救われました。

高校生になったばかりの時、指定校推薦で進路を決める友人が多く、一般入試で進学する受験生には酷な環境だとうわさに聞いたことがあったのですが、実際自分が受験生を体験してみて、まったくそんなことはありませんでした。むしろ受験期、直前期、そして本番中と支えてもらえたなと実感しています。小林聖心で出会えた仲間は、本当に人生の宝物ですね。

児島さん…12年ないし6年を同じ学校で過ごすため、学年ごとの絆や一人ひとりとの関係、先生方への信頼が深まる学校だと感じます。学年の人数も他校に比べて少ないため、お互いのことを本当に理解し合える環境だと思います。

小林聖心女子学院での学びや教えについて、振り返ってください。

児島さん…まず「自分を振り返る習慣」が身についています。小林聖心では行事のたびに振り返りを書いて、自分を見つめる機会があります。どんなことに対しても感想や意見が書ける文章力と、白紙があれば当たり前のように最後まで埋める感覚があります。自分を振り返る習慣があることで、よりよい次につなげることが可能です。おそらく多くの卒業生が、小林聖心で身についた役に立つ力だと感じていると思いますね。

また祈りや沈黙を日常から大切にしている学校です。カトリック学校ならではの厳かで洗練された空気に触れる機会が多く、それに心地よさを感じ、心を落ち着かせる習慣ができたように思います。加えて、小林聖心では椅子を並べる、重い机を運ぶなどの仕事でも、自分たちでやることが当たり前でした。奉仕への価値観も自然に身につけられていると思います。

三好さん…小林聖心での学校生活で学んだことの一番は、自分との向き合い方です。受験生活を振り返ってみても、受験を勝ち抜く秘訣は「自分を理解すること」と思います。小林聖心では、日頃の振り返りはもちろん、黙想会やプラクティスなど、自分と対話をする機会がたくさんあります。そのたびに自分がなぜ不安なのか、悲しいのか、嬉しいのか、幸せだと感じたのか、その感情の理由に向き合う時間があったことで、元々は自分の感情を理解するのが苦手だった私でも、自分の中での解決策を見つけることができるようになりました。

中学受験にチャレンジする小学生、保護者の方に、小林聖心女子学院をおすすめするポイントを教えてください。

児島さん…小林聖心で中高6年間を過ごすことで、本当に信頼できる一生の友達に何人も出会えること、勉強だけを大切にするのではなく、人として大事なことをたくさん身につけることができると思います!

正直なことを言いますと、女子校ということもあってキラキラな恋愛や青春には距離がありますが、自分が成長する中高の時期に異性の目を気にせず、のびのびと好きなように過ごせる環境は魅力的です。

三好さん…「生涯の友人に出会える・主体性を身につけることができる・自分を客観的に見ることができる・人間として成長できる」学校です。いわゆる進学校じゃないことに大学受験への不安を覚えたとしても、学年全体がガチガチの受験生じゃないからこそ、先生方のサポートが一人ひとりに特化していて手厚く、むしろ安心してもらえるポイントだと思います。

児島さん…受験に関してはまったく同感です。進学校でない分、本当に一人ひとりの進路に真剣に向き合ってもらえます。進学校の受験生の話を聞いていると、「私立を受けさせてくれない」「とにかく東大を勧められる」ような学校もあるようですが、小林聖心では成績がいいから国公立にと強要されるようなことはまったくありません。目指す進路に必要なことがあれば、少人数に対しても丁寧に指導してくれたり、情報を集めてくれたりします。国公立だけでなく、専門学校や美大、音大に進んだ同級生もいて、いわゆる難関校を受験しないといけないという圧がないのは中高一貫では珍しいのかもしれないなと思います。

今後の夢や目標を教えてください。

児島さん…正直なところ、今はまだこれといった夢や目標がなく、逆にいえば興味がある分野が多すぎて高3までに夢を見つけられなかったので、東大に行った部分もあります。大学で自分のしたいことを見つけつつ、世のため人のために自分ができることは何か考えたいと思います。

三好さん…せっかく研究者が多い京都大学に入学できたのだから、今まで持っていた幅広い興味の中から一番追求したいものを見つけたいと思います。もしかしたら大学院に進学するかもしれません。また今まで支えてくれた両親に恩返しするためにアルバイトを頑張ってお金も貯めたいです! 将来はメディア系やエンタメ系の職業に就きたいとも思っています。自分が今まで支えてもらったように、音楽や小説、言葉の持つ力を使って人の背中を押す仕事がしたいと思います。

<取材を終えて>
小学校から仲良しだったという2人。児島さんは、小学4年生で転入してきた「何でもできる」三好さんの可能性や才能をそばで感じていたからこそ、大学受験期には指定校推薦希望だった彼女にチャレンジを猛プッシュしたという。そして2人とも見事に合格し、三好さんの人生は大きく変わった。なかなかレアな大学受験のケースだ。

小林聖心OGの話には、腹心の友がよく出てくる。長い時間をかけて学院生活を送ることで、いいところもダメなところも全部を含めてお互いを認め合えるようになるのだという。取材の少し前にも、三好さんは、東京に暮らす児島さんを訪ねていた。きっとこれからも関係性は続いていくのだろう。小林聖心女子学院が育む絆のすばらしさを改めて感じた取材となった。

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