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愛徳学園中学校

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スクール特集(愛徳学園中学校の特色のある教育 #2)

社会で活躍するために必要な「7つの力」を育む「Rainbow Program」

なりたい自分・やりたいことを実現させるための進路選択ができるように、中高6年間の学校生活のなかで総合的に学ぶ愛徳学園の「Rainbow Program」とは?

今年度から本格始動した「Rainbow Program」

「基礎学力」と「人間力」の育成を大切にしているという愛徳学園では、社会に出てから活躍するために必要な力を身につけられるよう、学校行事や校外学習など学園生活全体を通して学びを積み重ねていく、オリジナルライフキャリア教育プログラム「Rainbow Program」を昨年度よりスタートさせている。

これからの社会で活躍するためには、1.最後まであきらめず、やり抜く「体力・忍耐力」、2.幅広く、偏らず、物事を掘り下げて考え抜く「思考力」、3.積極的に他者とかかわっていける「コミュニケーション力」、4.活発に意見交換ができる「英語力」、5.的確な「問題発見・解決力」、6.多様性を受け入れて交流する「異文化理解力」、7.考えた意見を整理して分かりやすく伝える「プレゼンテーション力」の「7つの力」が必要だと定義。この「7つの力」を育むため、ホームルームや総合、宗教の一部の時間を使った「Rainbow Time」や普段の教科学習、校外学習を含むさまざまな学校行事など、中高6年間の学校生活のなかで総合的に学んでいこうというのが「Rainbow Program」だ。

ブラッシュアップして作成されたテキスト

教育企画推進部長 石井 美穂 先生 のお話

今年度は昨年度の振り返りから内容をさらにブラッシュアップして、全教員が思いを一つにするべく言葉の定義を明確にし、生徒たちが目標意識を持って各プログラムに向き合えるようテキストを作成。生徒にも分かりやすい内容にまとめて本格始動させた。
具体的にはどのような取り組みが行われているのか、教育企画推進部長の石井美穂先生にうかがった。

石井美穂先生:
『自ら考え、人に奉仕し、充実した人生を歩む女性』を育てるという教育ビジョンの実現を目指し、中学高校6か年を3つのステージに分けて発達段階に応じた目標を明確に設定し、基礎学力と人間力の育成に取り組んでいます。いまの時代、教えられたことだけができても社会で生き抜いていくのは大変です。想定外のことにも対応できる自己判断力を日々の学習や学校行事、人との関わりの中で学び取ってもらいたいと、このライフキャリアプログラムを導入しました。生徒たちには、グループによる協働学習やアクティブラーニングで、積極的に将来を考えるプログラムを早い段階から取り入れています。成績や学校名で進路を決めるのではなく、なりたい自分・やりたいことを実現させるための進路選択をしてほしいと考えています。

教育企画推進部長 石井 美穂 先生

グループによる協働学習やアクティブラーニング

「10年後の社会を考えよう」というグループワークからスタート

入学してすぐの中学1年生を対象にしたオリエンテーションでは「10年後の社会を考えよう」というグループワークを取り入れアクティブラーニングを行っている。愛徳学園での6年間を通した「Rainbow Program」による学びは、このプログラムからスタートする。

石井美穂先生:
愛徳学園ではプレゼンテーションなど人前で自分の意見を述べる機会がたくさんあります。またディスカッションやディベート、ブレーンストーミングなどを行う際には、そのやり方や目的を学んだ上で行うようにしています。それらの一つ一つの学びを通して6年後には知らずしらずのうちに人とコミュニケーションできる力や自分の考えを人前で話したり、わかりやすく伝える力などが身に付きます。これらの力を活用して、問題の発見、正解のない問いに対しての自分なりの解決策を見出していってほしいと願っています」。

計画・実行・確認・評価・改善のPDCAサイクルの振り返りがしやすいテキストファイルを導入

基礎学力の向上を目指す仕組みとして「シラバス」「授業」「講習」「テスト・評価」「面談」の5つを5BOXと呼び、日々の学習や行事・体験学習では計画→実行→確認・評価→改善のPDCAサイクルをしっかりと繰り返す取り組みを行っている愛徳学園。今年度からは、生徒たちがさらにわかりやすく振り返りができるようなテキストファイルを導入したそうだ。

石井美穂先生:
「それぞれの課題ではルーブリックによる自己評価システムを取り入れています。到達すべきゴールをイメージしやすいよう、行事ごとのねらいをよりわかりやすく示すことで目標意識を高く持って課題に取り組んでもらいたいと考えています。さまざまな体験を重ねていくことで、少しずつ生徒たちが思い描く未来予想図に近づいていってほしいとの思いから、今年度は計画・実行・確認・評価・改善のPDCAサイクルの振り返りがしやすいように、課題ごとに事前学習、前年度に体験した先輩たちのコメント、評価基準、事後学習などの内容をまとめた記述式のシートを使用しています。振り返りの時間を大切にすることで、その場限りで終わってしまわないように工夫しています。この新たな取り組みを始めてまだ数ヶ月ですが、生徒たちの取り組む様子や校内の様子に少し変化がでてきたように思います。目標がわかりやすくなったことで、教員も生徒も同じ目標に向かって取り組めていることを実感しています。

「5BOX」のテキストファイルを導入

ICT機器を取り入れた新たな参加型の授業展開

今年度は夏休みに無線LAN構築、Wi-Fi環境の整備を予定している愛徳学園。ICT機器を取り入れた新たな授業展開で、生徒自らが積極的に学び、活用できる能力を育むアクティブ・ラーニングも本格的に導入していくという。

石井美穂先生:
講義式ではない自ら考えさせる参加型の授業では、学習内容の定着率も高まります。実際にICT機器を活用した数学の授業について生徒からは『友人の解答を見て異なる解き方を発見できたのが良かった』という感想が聞けました。この授業を機に、『問題が解けた後もほかに解く方法はないかを考えるようになり、成績がアップした』といううれしい結果も出ています。ICT機器を上手に活用していくことで、生徒たちの集中力やモチベーションを高め、これまでにないさまざまな授業展開ができるようになっていくでしょう。教員の研修も行い、各教科の授業における協働学習などで積極的に取り入れて有効な活用方法を見出していく予定です。

新しい「Rainbow Program」の取り組みと繋げるグローバル教育

国際理解教育にも力を入れている愛徳学園だが、これまでも実施されている六甲イングリッシュキャンプや宿泊英語研修などでも、この新しい「Rainbow Program」の取り組みと繋げて、目標達成をしっかりと意識したプログラムを展開しているという。

石井美穂先生:
愛徳学園のグローバル教育の目的は、流暢な外国語を話せるようになることだけではありません。同校では自国の文化を知ったうえで、異文化に心を開き、国際人として国際社会で広く活躍できる高いコミュニケーション能力と視野を身につけることを、真の国際理解教育だと考えています。ベースはいままでと同じ考え方ですが、新しく定義付けした「Rainbow Program」と結びつけることで、目的をしっかりと理解したうえで研修に参加できるようになり、生徒たちの学びの吸収力も格段に上がっていると思います。

今年度からの新たな取り組みに向けて

今年度からの新たな取り組みによるメリットは、言葉の定義の明確化によって教員による指導方法のばらつきがなくなり、愛徳学園で学ぶ6年間で全ての生徒が必要なスキルを確実に身につけられるように工夫されたプログラムそのものにある。

石井美穂先生:
今後は体験学習の幅を広げ、地域社会(保護者や教員以外の大人の方)とつながることのできるコラボレーションプログラムなどの充実を図っていきたいと考えています。

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