スクール特集(箕面自由学園中学校の特色のある教育 #2)
毎日がめっちゃ楽しい!先生・先輩とも仲良く過ごせるスクールライフ
近年、さまざまな改革を実施してきた箕面自由学園。大学合格実績も好調で、2023年度国公立大学合格者は、5年前の5倍に伸びた。高校の人気急上昇に伴い、注目を集める中学校を取材した。
阪急箕面線桜井駅を降りて約10分。ゆるやかな丘の上に立つ箕面自由学園中学校。同校では、1学年定員70名の少人数制のもと、深掘り学習や様々な体験・発表活動、生徒主体で取り組む行事などを通して「自分の人生を自分でデザインできる力」の育成を目指す。また中学全学年で活動する機会が多く、まるで「ひとつの大きな家族のよう」と評されるほど、先輩・後輩関係が良好なのも同校の特徴だ。「学校生活がめっちゃ楽しい」と話す3名の中1生に、1学期を過ごして見えてきた同校の魅力についてインタビューした。
▶︎写真左から:中野 由梨さん、坂本 佳莉那さん、山村 隼矢さん
中野 由梨さん グローバルコース
坂本 佳莉那さん 理数探究コース
山村 隼矢さん 理数探究コース
―箕面自由学園中学校(以下MJG)を受験した理由を教えてください
中野さん:私は父と叔母がMJGの出身で、2人から学校での楽しい思い出や今でもMJG時代の友達と仲良くしているとよく聞いていました。それがきっかけでMJGに興味を持つようになり、小学生対象の公開行事・サイエンスフェスタ&グローバルチャレンジ*(以下サイエンスフェスタ)に参加しました。そこで先輩方の笑顔いっぱいで過ごす姿や堂々と発表する姿を見て、私もそうなりたいと憧れてMJGを受験しました。
坂本さん:私は通学しやすく、楽しい毎日を送れる学校が良いと思って探していた時に、塾の先生から薦められてMJGを知りました。私もサイエンスフェスタに参加して、自分も楽しかったですし、先輩方もとても楽しそうにしていたのでMJGに行きたいと思うようになりました。
山村さん:僕は中学受験をすることにしたのが6年生になってからと遅く、そこから学校選びをする中で、MJGのオープンキャンパスに参加しました。シーズンスポーツクラブ(SSC)のクラブ体験に参加したらとても楽しいし、先輩方も優しかった。それが、MJGに来たいと思うようになったきっかけです。
*サイエンスフェスタ&グローバルチャレンジ:中学生がプレゼンターとなり、来校した一般の小学生に科学実験体験や工作、英語レッスンを提供するイベントのこと
-1学期を過ごした感想を教えてください
坂本さん:楽しい毎日で、期待通りの学校生活を送れています。特に4月に中学生全員で行った高校アメリカンフットボール部の試合観戦はとても楽しく、印象に残っています。
山村さん:アメフト観戦では中高チアリーダー部のパフォーマンスもありました。とてもすごかったです。また、アメフト部のベンチに座っているメンバーも一生懸命応援していて、練習も応援も本当に頑張っているからこそ日本一になっているんだなと感じました。
中野さん:入学後すぐのまだ周りの子ともあまり馴染めていない時期に、アメフト観戦はあったのですが、先輩方のプレイやチアの皆さんの頑張る姿を見てクラスメイトとも盛り上がり、とても仲良くなれました。
坂本さん:サイエンスフェスタでも良い経験ができたなと思います。私は「ESCAPE FROM MJG」という英語版脱出ゲームを担当しました。中には英語が全然分からない子もいたので、ヒントをあげたりして脱出のお手伝いをしました。自分自身も楽しかったですし、参加してくれた子もとても楽しんでくれていたので、満足感があるイベントでした。
中野さん:私もサイエンスフェスタは良い思い出です。私の担当は英語のお仕事体験「Plant Grow Bloom」。ピザを注文できるようになろうというテーマで、参加してくれた子に英語を教えました。小学生に教えるという新しい経験ができて、とても楽しかったです。また、中学校全学年が縦割りで動くイベントなので、先輩方とも仲良くなれました。
山村さん:僕はサイエンスフェスタでは「プログラミングドローンを体験しよう」を担当しました。これはスクラッチのようなソフトを使って実際にドローンを動かし、途中の障害物をよけたり、穴をくぐり抜けたりして点数を稼ぎながらゴールを目指すゲームです。僕は以前からプログラミングが好きだったのでこのプログラムの担当に立候補しました。これをきっかけにプログラミングに興味を持ってくれた子もいて、とてもうれしかったです。
-予想外に楽しかったことはありますか?
中野さん:クラブ活動です。MJGには珍しいクラブもいくつかあって、その中のひとつの「社会探究・ボランティア同好会」に入部しました。この同好会では、さまざまなテーマのもとに遠足を企画し、参加者を募って実施します。6月の日曜日には「国際都市大阪で異文化体験」をテーマに、鶴橋のコリアンタウンを訪れました。当日、私は女子チームのリーダーとして皆を案内しました。実際に皆で遠足に行くのも、同好会の他のメンバーと打ち合わせするのも楽しかったですね。
坂本さん:スタディキャンプです。私は入学して初めてスタディキャンプの存在を知りました。めっちゃ勉強をするのかと思ったら、勉強だけではなく、NTTドコモのラグビー場で遊ばせてもらったり、施設見学をしたり、NEQLIAS(ネクリアス)という会社の方から、クラスの結束を強くするための方法などの研修を受けたりしました。また普段、理数探究コースでやっている「雑誌会」にも取り組みました。全学年が縦割りで班に分かれて、「AIのメリットとデメリット」について調べ、スライドを作り発表しました。中3の先輩主導のもと、調べたり話し合ったりするのは楽しかったし、良い経験になりました。
山村さん:僕も「雑誌会」は思っていた以上に楽しかったです。やる前は人前で発表するのが好きじゃないので、「雑誌会」はやりたくないなと思いつつスライドを作っていたのですが、実際やってみると結構楽しかったです。MJGの知っている人の前での発表だと、皆の率直な意見が聞けてとても勉強になります。それを次に活かしていきたいと思いましたし、「発表→人の意見を聞く→次に活かす」というサイクルをうまく回すことは社会に出てからも役に立つのではと感じました。
-普段の学習について教えてください
坂本さん:朝礼後に朝テストの時間があり、社会以外の4教科の復習に取り組みます。私は理科が苦手で、自分から復習をしようという気持ちにあまりなれないので、朝テストで復習の機会があるのは助かっています。定期テスト前にはテスト対策の課題が出されます。自習室も開けてもらえるので、利用している子も多いです。
山村さん:授業の復習用に、iワークという演習問題アプリがあります。定期テストもものすごく難しい問題などは出ず、そのワークをきちんとやっていれば平均点以上は取れるようになっています。
ちょうど夏休みの課題をもらったところなんですが、やはり小学校の頃とは比較にならないぐらい多いので、自分で予定を立てて取り組んでいます。
中野さん:先生方がいつも笑顔で話しかけやすい雰囲気を作ってくれているので、皆分からないところがあれば、気軽に質問しに行っています。
山村さん:ほかにも、Jタイムという講習が7時間目にあります。月曜日から金曜日まで開講されていて、木曜日以外は国語や数学などの教科の講習で、木曜日のみ選択制で、さまざまな講座が開かれています。今年はプログラミングや、モルックというスポーツが開講されています。
坂本さん:私は韓国語・中国語の講座を取っています。2学期から本格的に始まるので、楽しみです。
-これからの学校生活で楽しみにしていることは?
中野さん:私は動画編集が趣味で、自治会(生徒会)のお手伝いができたらと学校のPR動画を作る会を友達と立ち上げました。今はスタディキャンプでどんなことをやったかをまとめる動画を作ろうと計画中です。MJGではひとつ気になったことがあればトコトン取り組む「深掘り」を大切にしています。学校の魅力を深掘りして、PR動画を作っていくのが楽しみです。
坂本さん:私はMJGフェスタ(文化祭)や自治会主催のクリスマス会です。MJGフェスタでは、希望者がステージでライブをしたり、漫才をしたりすると聞いています。クリスマス会では全学年で拍手をつなげていくゲームなどをするそうで、どちらのイベントもとても楽しみです。
山村さん:クラブ活動とテストです。クラブはオープンキャンパスでも体験したSSCに入部しました。SSCでは、フラッグフットボールや野球、サッカーなど学期ごとにやるスポーツが変わります。この夏は暑く、またグラウンドを人工芝に工事中のため、あまり活動できていないので2学期が楽しみです。
-最後にMJGを目指している小学生にメッセージをお願いします
中野さん:MJGは先輩と交流したり、協力して取り組んだりする機会がとても多い学校です。だから、困ったことがあったら先輩方が助けてくれるので、気軽に話しかけてみてください。
坂本さん:校則が厳しくないのでとても過ごしやすいです。また明るい先生が多くて、生徒が話しかけやすい関係を積極的に作ってくれるので、学校にも早くなじめるんじゃないかなと思います。授業も落ち着いて受けられる環境が整っています。
山村さん:私立校なので勉強の課題が多いと思うこともあるかもしれません。でも、僕はそれが勉強をがんばろうと思うきっかけになりました。先生方も優しくてすぐに質問もできます。勉強だけじゃなく、僕はクラブ活動もとても楽しいので、MJGに興味を持ってくれたなら迷わずに入ってきてください。
<取材を終えて>
取材中、終始にこやかに、そしてはつらつとMJGの魅力について語ってくれた3名。こちらの質問に対する答えは、どれも理路整然として分かりやすかった。中1生とは思えないスキルは、この3か月で多くの発表の機会を得て磨かれた一面もあるだろう。
また、3名の話からは、クラスメイト・先生・先輩とも非常に仲が良く、お互いを尊重しあう雰囲気が醸成されていることが伝わってきた。その雰囲気があるからこそ、苦手だった人前で話すことにも前向きに取り組めるのだとも感じた。MJGは、多感な中学生時代を過ごすのに、またとない環境を提供していると感じさせてくれる取材だった。