スクール特集(ノートルダム女学院中学校の特色のある教育 #7)
輝くノートルダム女学院の生徒会長・副会長!未来へ突き進む卒業生!
現生徒会メンバーと、生徒会OGの卒業生にインタビュー。ノートルダム女学院での日常と、生徒会活動から得られる経験、教育実習生として教鞭を執る卒業生の進路などを聞いてみた。
現生徒会メンバーインタビュー
生徒会長:松田さん(高2)
コース:STE@M探究コース
部活動:テニス部
副会長:村上さん(高2)
コース:STE@M探究コース
部活動:放送局
▶︎写真左より:松田さん、村上さん
生徒会に入ったきっかけは?
「先輩たちの生徒会活動を見て憧れたのがきっかけです。本校には、生徒会主催の行事があり、自分達で企画実行をしたいと思い、立候補しました」(松田さん)
「例年、副会長は会長からの推薦で決まるのですが、生徒会長の松田さんの応援演説をしたことがきっかけで、松田さんの推薦により就任しました」(村上さん)
学校の魅力は?
「一般的に校長先生は厳格なイメージがあると思いますが、生徒会の事で困っていることがあれば気軽に校長室に訪ねて来てねとおっしゃってくださる雰囲気がとても好きです。また、校舎の至る所にあるステンドグラスの雰囲気もお気に入りで、特にブルーチャペル(聖堂)の青のステンドグラスが心落ち着く静けさがあり、とてもオススメです! 」(松田さん)
「先生との距離が近いところです。オープンスクールに来て頂けるとわかりますが、先生との距離が近く、テスト前にわからない問題や質問があれば、何でも優しく教えてもらえます。授業の前後、休み時間、放課後など、先生と気軽に接することができる関係性が魅力に感じています」(村上さん)
生徒会のやりがいは?
生徒会執行部は、会長・副会長・書記・会計など8名の下に、様々な委員会から成る中央委員(体育祭実行委員、文化祭実行委員など)が24名いる。中央委員も含めると大人数になるので、上手く連携を取ることが今後の課題。今もまだ改善途中だが、少しずつ話し合いを重ねることで前進していきたいと思っているそうだ。
また、オープンスクールの際に、小学生の可愛い未来の後輩達の前で、どうやったら学校の良い所を伝えられるのだろうと日々考えながら過ごしているそうだ。学校を違う目線で見ることが、自分達にとっても学校を知るよい機会になり、次のオープンスクールに活かす事が出来ていると話す。
学校生活について教えて下さい
部活動では放送局に所属している村上さん。大会への出場、オープンスクールの司会、お昼の放送などを行っており、オーケストラ部と並ぶ代表的なクラブだそうだ。
「部活動ではまず発声練習から始まり、活舌練習、実際の原稿を読む練習を行っています。中学では毎年全国大会に出場する生徒を輩出しています。私も中学3年生の大会で、アナウンス部門で京都大会1位となり、全国大会に出場しました!」と村上さん。アナウンス原稿も自分で取材をしたものを当日発表するスタイル。宇宙飛行士と無線で通信できるアリススクールコンタクトといった企画が校内にあり、その企画担当の先生にインタビューをした内容を原稿にまとめて大会に出場したそうだ。とても聞き取りやすい声で受け答えをしてくれた村上さん。直近でも大会に出場して優秀な成績を収めている。ぜひ学校のホームページをチェックして欲しい。
また、オープンスクールでは、生徒が司会をすることで場が引き締まり、参加者が憧れの存在として見てくれているとのこと。週3回あるお昼の放送では、全校生徒から届くリクエスト曲を流したり、お便りを読んだり、テーマを決めてフリートークをするなど様々な活動をしている。本当のラジオを聞いているような放送内容となっているそうで先生の間でも大好評とのこと。
一方で松田さんは、姉妹校である米国ミズーリ州セントルイスにあるノートルダム・ハイスクールの生徒が交換留学生として来訪された際のホストファミリーをしたそうだ。コロナ禍で一時中断していたが、4年に1度のチャンスなので自ら手を挙げ立候補したとのこと。様々な文化の違いを目の当たりにし、驚いた事もある。
「お客様なので一番風呂に入って頂きたいと思い促した所、出てきた時には湯船のお湯を全部抜いてしまったようでお湯が残っていませんでした。びっくりしましたが、これも文化の違いなのだなぁと改めて感じることができました。食文化の違いを感じる場面もあり、日本ではあまり知られていないペスカタリアン(肉は食べず、魚介その他の食品を食べるライフスタイル)だったので、食事の面で何を出したらいいのか家族も悩みました。普段日本で生活していると遭遇しなかったことを経験でき、短い期間でしたが貴重な体験でした!」と、とても明るく楽しそうに話してくれた松田さん。
また、松田さんは数あるノートルダム女学院の姉妹校のうち、ネパールの学校へも行った経験がある。
「ネパールの学校は自然豊かな場所に校舎があり、廊下からすぐ外に出られるような作りで景色がとてもきれいでした。何より現地の方の性格が明るく、心の温かさを感じることができました」と教えてくれた。海外の人と様々な体験ができるのもノートルダム女学院の特徴のひとつであると言えよう。
生徒会OG卒業生にインタビュー
▶︎山下さん
ノートルダム女学院時代の探究活動に、現在の研究に繋がるきっかけが!
「主に宇宙の観測を行っていて、ほうき星(彗星)の観測をしています。今年の秋に肉眼でも見えるような大きな明るい彗星が接近するので観測する予定です。高校の探究活動の授業で、ベツレヘムの星(クリスマスツリーの先端の星)の正体について調べたのがきっかけで、諸説ある中で私はベツレヘムの星は彗星ではないか?と思い、彗星についてもっと詳しく大学で研究がしたいと思いました」(山下さん)
小学生の頃から宇宙に興味があった。観測のためには機器や機材が必要になるので難しいのではないかなと感じていたが、現在の教頭先生である野々垣先生より、「機器がなくても文献を読むことで考えられる探究はどう?」といくつか本や文献を紹介してもらった中に、『ベツレヘムの星について』のトピックがあったそうだ。
「カトリックの学校でクリスマスツリーは何気なく目にしているものですが、星の正体について考えるのは面白いなと感じました。実際、聖書の中でそのような大きな星の存在が記されていて、自分でも興味を持ち、さらにみんながクリスマスツリーを見るたびに思い出すような探究は素敵だなと思ったのがきっかけです」(山下さん)
教育に携わりたいと思ったきっかけは?
中学・高校生活を過ごす中で、学校はすごく人に多くの影響を与えてくれる場所であり、生徒にとってとても大事な居場所だと感じたそうだ。中学生の時にクラスメイトが発した「宇宙がどこまで広がっているんやろうって考えていたら、夜寝られへんかった!」と言った何気ない一言に、教室にいた先生や生徒がとても共感した瞬間があり、みんなが興味のある宇宙と教育が掛け合わせられないかと考えるようになったのが大学での活動にも影響している。またノートルダム女学院には尊敬できる先生がたくさんいらっしゃる。生徒との向き合い方、授業の進め方もそれぞれ個性があり、大学へ進学してからも「ノートルダムの先生のような人になりたい」と思ったと山下さんは語る。
生徒会長を経験して得られたものは?
「もともと私は人前に立つタイプではなく、クラス委員になりたいけど自分から手を挙げられないタイプでした。中学で友達の勧めもあり、生徒会長に立候補しました。
生徒会の活動では、受験生や保護者に向けて学校をアピールする内容や生徒に配付する手紙の文章を考えたりしていました。また、人前で立って話をする機会も多く、場数をこなし鍛えられました(笑)」(山下さん)
理系であっても論文を書く際には言語能力・文章力がとても重要であり、またスライドの作り方やプレゼンテーション能力が身についたのも生徒会活動の賜物だと話す。
「大学では、研究室を決めるのも自分、授業の選択も自分、研究室に入ってから何をするのかを考えるのも全て自分主体。中学・高校時代に教わった『わからなかったら聞く』の精神が基本! 大学でも自分で疑問を見つけて、考えてもわからなかったら友達や先輩、教授に聞きに行くことが気軽にできています!」と明るく話す。
『宇宙と教育を掛け合わせたい』という思いを実現すべく、大学で“ユニバーサンド(宇宙教育の団体)”を立ち上げる
「高校の時から宇宙と教育を掛け合わせたいと思っていました。そして、宇宙のおもしろさや宇宙を想像することの大切さを知って欲しいとの思いから、大学1年生の時に【UNIVERS&】という宇宙教育の団体を立ち上げました。主に小学校・中学校を訪問し、宇宙に関するワークショップを開催しています。」(山下さん)
4人から始めたプロジェクトが4年目となる現在は21人に増え、活動の幅が年々広がってきている。
「このプロジェクトの代表を大学の卒業と共に後輩へ引き継ごうと考えています。そしてこの先は絵本作りをしたいと考えています。読んだ人の好奇心をくすぐり、もっと学びたいと思う気持ちを引き起こす、そんなきっかけとなるような絵本を作れるよう現在シナリオを作成している所です」(山下さん)
教育実習期間の3週間はいがでしたか?
「初めは生徒達に受け入れてもらえないのではないかと不安に思い緊張していましたが、多くの先生方が支えてくださいました。生徒達はとにかく元気です。実習期間中にスポーツデーがありましたが、初めは乗り気でない生徒も最後は負けて悔し涙を流し、勝った生徒は全身で喜びを表していました。生徒たちは毎日全力で学校生活を楽しんでいるのだなあと、青春を間近で感じられ懐かしいと思う瞬間でした。また、生徒から積極的に話しかけにきてくれることが多かったです。私の歩んできた進路に興味を持ち、受験勉強はどうしていたのか聞きに来てくれる生徒もいました。中には『先生、もっと長くいて下さい』と言ってくれる生徒もいました。当初、そのような言葉は期待していなかったのでとても嬉しかったです。私の言葉一つで生徒が喜んでくれると思うととても責任の重いことですが、一方で生徒の人生に関わることができているなという充実感もありました。3週間が3日ぐらいに感じてしまうくらいあっと言う間の時間でした。もっとここにいたいと心から思っています。生徒がこうなりたいと思ってもらえるような存在になれたらと思いながら生徒に向き合い、多くの方に助けられながらの大変充実した3週間でした。」(山下さん)
【取材を終えて】
とても仲が良く、明るく、可愛らしい松田さんと村上さん。生徒会執行部としてみんなに働きかける楽しさと難しさに対峙しながらも、困った事があれば周りの人に教えて欲しい、助けて欲しいと素直に言える強さがある彼女たちはノートルダム教育の『尊ぶ』『共感する』『対話する』『行動する』をまさに実行している生徒さんだという印象を受けた。
凛とした姿が魅力的な山下さん。来年から大学院への進学が決まっており、宇宙の研究を続けるそうだ。首尾一貫して「宇宙の魅力を人々に広く知らせたい」という彼女の姿勢に圧倒された。ノートルダム教育をベースに、『世界のどこかで、私を必要としている人々の役に立つ人になること』を着実に実行している卒業生だと感じた。
今回、取材に協力してくれた3人に共通して思う事は、一人で全ての事をやり抜くのではなく、手伝って欲しい時は気軽に周りを頼り、協働する強さを持ち合わせている所に『人間らしさ』が現れており、これこそノートルダム教育の良さはではないかとインタビューを通して改めて感じた。