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2020/1/21(火)
[速報]2020年1月20日(月)灘中学校合格者発表レポート
令和2年度灘中学校入試が、1月18日(土)、19日(日)の2日間に渡って実施されました。翌20日(月)10時30分より、同校において行われました合格者発表についてレポートします。
[速報]2020年1月20日(月)灘中学校合格者発表レポート
例年、合格者発表は校舎横の体育館にて掲示のみで実施されます。発表予定時刻は10時30分でしたが、9時半頃から受験生や保護者の方、塾関係者やマスコミ取材者が集まり始め、10時頃には発表を待つ方の列は通用門を出て、敷地外まで伸びていました。
予定時刻の10時30分頃に体育館の扉が開かれ、入場された方は合格者受験番号が記された掲示板から、ご自分の番号を落ち着いた様子で探されていました。受験生と思われるお子さんが一緒のご家族は全体の1~2割程度。関西では他中学校の入試が引き続き実施されている日でもあるため、大半はお母様やご夫婦、祖父母の方が来場されている様子でした。目的の受験番号を探された後、スマートフォンのカメラやビデオで掲示板を撮影される姿が、そこかしこで見られました。
自分の受験番号が書かれた掲示板を背景に、記念撮影をされているお子様とご家族の姿も多く見られました。受験者番号を発見し、歓声を上げられる方はおらず、皆さん、それぞれに合格の喜びとうれしさをかみしめている、控えめな雰囲気が印象的でした。
掲示板で結果を確認した後、合格者は後方に用意されたコーナーで入学手続書類を受け取ります。通われていた塾の先生から、ねぎらいの言葉をかけてもらってから退出される方の姿も多かったです。
11時すぎには、館内の人もまばらになりましたが、同日の他校受験終了後、合格発表を見に来られる方もいらっしゃるようです。
2020年度入試を振り返って
すでに灘中学校のホームページでは、2020年度入試に関する資料が公表されています。募集人員180名に対して、志願者数775名、受験者数762名と、過去最高となりました。実質倍率も2.98と、ここ5年ではもっとも高くなっています。試験は国算理3科目500点で実施され、合格最高点は428点、合格最低点は320点でした。昨年は難化したといわれた算数が比較的やさしく、一方で理科が難化したと分析されているようです。
またホームページでは志願者、合格者の地域表も公開されています。志願者数は関西2府4県で約400名。東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏は、志願者数の3分の1近くとなる215名、ついで愛知が44名、福岡が40名となっています。関西圏以外からの志願者が増加していることも今年の特徴といえるでしょう。
教頭・海保雅一先生のインタビュー
合格発表を静かに見守られていた灘中学校教頭の海保雅一先生にひと言お話いただきました。
「今年度は地元はもちろんですが、おかげさまで関東圏からの志願者が増え、過去最高の受験者数となりました。本校は入試問題に受験生へのすべてのメッセージが込められています。昨年は入試問題が難化したとも言われましたが、入試説明会でも申し上げましたとおり、問題の作成は人間が手掛けるものですので、その年その年の特徴があって、収まるべきところに収まると思っています。今回は例年どおりに落ち着いたように感じています」
合格された方のインタビュー
名古屋から受験され、合格された受験生とお母様にお話を伺いました。
受験生ご本人は「合格できてうれしいです。4年生から入塾し、5年生から本格的に受験勉強を始めました。塾では同じ灘コースの友達と刺激しあいながら、がんばってきました。灘中学校には6年生のゴールデンウィークの時、旅行も兼ねて、母と学校見学に来たことで、受験への思いが強くなりました。自由な校風で賢い人が全国から集まっている学校で学んでみたいと思いました。受験当日は緊張したのですが、とにかく集中して乗り切りました。算数の試験前には、気に入っていつも食べていたリンゴ味のパウチタイプのゼリーを食べて気持ちを整えました。5年生からは勉強に集中してあまり運動ができなかったので、中学ではバスケ部に入りたいなと思っています」と元気に話してくれました。
お母さまは「お世話になっていた塾で灘コースに入っておりましたし、本人が受験したいという思いが強かったので、サポートをがんばってきました。とくに5年生からは塾からの課題がとても増えたこともあって、やるべきところがもれなく取り組めるようにプランニングしてスケジュールを管理。子どもが学校に行っている間に、その日やるべきことを整理して明確にしました。家に帰ってきたらすぐに課題に取り掛かれるよう毎日準備しました。勉強をするのは本人、教えてもらうのは塾ですから、できるだけ効率よく勉強できるようにサポートしました」。幼い頃から算数が得意だったというお子さんの第一希望合格を叶えることができ、ホッとした穏やかな表情で話してくださいました。
もうひと方、お話をうかがった方は北海道のご出身です。
地元の塾に通われていたそうですが、5年生になって受験勉強が本格化した頃、灘中学校の過去問に手ごたえを感じたことで受験を意識するようになったとのこと。
受験生ご本人は「6年生になって7月くらいに灘中学校を目標として心を決めて勉強に取り組みました。受験当日は緊張はしましたが、いつもどおりを心がけました。1日目の算数が思ったよりできたため、2日目の試験は自信を持って取り組めたと思います。地元の北海道で進学すると思いますが、灘中学校ならディベート部やクイズ研究会に興味があります」とにこやかにお話してくださいました。
お母さまは「地元の塾には専門のコースがありませんでしたので、灘中に照準を定めてからは、子どもに一番適切な教材を与えられるようインターネットなども使って問題集を入手してサポートしました。また勉強を教えることはできませんが、ケアレスミスなどを細やかにチェックして子どもにクセや傾向を伝えるように尽力しましたね。生活面では意識して気晴らしや息抜きを取り入れました。ゲームは禁止というご家庭も多いと聞きますが、うちの子はゲームが好きなので1週間に1度は思い切りゲームタイムを設け、ストレスが溜まらないようにケアしました」とお話してくださいました。
合格者の方は2人ともハキハキとご自分の受験について話をしてくれました。どちらのお母さまもお子様の性格や特徴にあった方法でサポートをされていた姿が印象に残りました。