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とうきょうでんきだいがく

東京電機大学中学校 

スクール特集(東京電機大学中学校の特色のある教育 #1)

自立心を育て、3年間の総まとめとなる卒業研究発表会

自らの体験を通して、自分らしく!1年間かけて取り組んだ、東京電機大学中学校の卒業研究発表会とは?

東京電機大学中学校の卒業研究

東京電機大学中学校では「人間らしく生きる」を校訓に、自らの夢を育み、向上心を持ち続け、積極的に生きる人間の育成に力を注いでいます。
中学校の教育方針は次の3つ――
・少人数制を生かした指導
・個性と適性を引き出す
・進路を見つめ、豊かな心を育む
この教育方針のもと、中学3年生は各自でテーマを設定し、1年間かけて卒業研究に取り組みます。

研究結果は、中学1・2年の総合学習および中学3年の技術家庭での情報教育で習得したスキルを活用して、卒業論文(ワード文書)とプレゼンテーション資料(パワーポイント)にまとめます。生徒2~3人に対し、教員一人が担当し指導。中学3年間の締めくくり、そして高校1年生に進むための節目となる学習活動です。論文は全員のものを1冊の冊子にまとめ、印刷製本します。

研究はクラスでの発表、クラス代表による学年発表を経て、最後に学年代表による卒業研究代表者発表会を開催します。
代表者発表会が開かれるのは、卒業式の日。学年代表に選ばれた生徒たちが舞台に立ち、保護者、全校生徒、教員に向けて研究の成果を発表します。

今回、卒業研究代表者発表会を取材しました。

校舎入り口には校訓「人間らしく生きる」と書かれている

車椅子バスケットを通して障害者について考える

最初の発表者は、男子生徒のH.Hさん(以下Hさん)。
研究テーマは「車椅子バスケットを通して障害者について考える」

Hさんははじめにテーマの動機を述べます。父親が義肢装具士であり、幼いころから障害者と接する機会があったこと、また自分がバスケットを続けてきたことを動機として挙げました。
次に、車椅子バスケットという、一般の人にはあまり知られていない障害者スポーツについて説明します。その歴史、日本での普及の経緯、競技用車椅子の製作、試合ルールなど、車椅子バスケットについて広い視点に立ち、要点をつかんで紹介。
車椅子バスケットの歴史として、イギリスでリハビリの一環として1945年に始められたこと、日本に紹介されたのは1960年、続いて64年の東京オリンピック・パラリンピックで車椅子バスケットが競技種目となったのをきっかけに普及が進み、現在では盛んに行われていることを紹介します。
競技用車椅子の製作について、選手一人ひとりに合わせたオーダーメイドであることを紹介しました。

研究テーマ「車椅子バスケットを通して障害者について考える」発表の様子

さらにHさんは、埼玉県唯一の車椅子バスケットチームで、全国強豪チームの一つでもある埼玉ライオンズを取材。自分も車椅子に乗り、選手たちと実際にプレーをさせてもらった体験からわかったことを話します。車椅子を操るのはとても難しい。シュートはなかなか届かない。ディフェンスもすぐに抜かれてしまった……。
Hさんは健常者で車椅子バスケットをする人もいることを知り、話を聞いてみると、「健常者がやってもおもしろいスポーツ」という言葉が返ってきました。

この研究を通して、Hさんは「車椅子バスケットは障害者・健常者を問わず一つの競技として成立している」とし、「障害者である以前に、みんな同じ人間。障害者の人たちは、自分の障害を受け止めて力強く生きていることを知った。障害者であることが社会的弱者なのではないというのが私の考え」と述べ、同じ人間として、どうすれば障害者が生きやすい社会になるかを考えることが必要であること、そのためにはみんなが障害を理解し、障害者と向き合うことが大切であると述べ、発表を締めくくりました。

身近なユニバーサルデザイン(UD)の工夫

次の発表者は、女子生徒のS.Cさん(以下Sさん)。
研究テーマは「身近なユニバーサルデザイン(UD)の工夫」。

Sさんは「私は参加型の発表をします」と客席に向かって質問することから始めました。「みなさんはユニバーサルデザインの意味を知っていますか?」
自身で撮影してきた電車内の写真を舞台スクリーンに示し、客席の生徒たちとやりとりしながらUDについて紹介。UDとは「文化や言語、老若男女、性別などに関係なく利用できるもの」。障害者を対象とする「バリアフリー」とは異なり、「障害者とか高齢者とか区別せず、みんなが利用しやすいデザインとして考えられたものがUD」であると基本の説明をします。

研究テーマ「身近なユニバーサルデザイン(UD)の工夫」発表の様子

次にフィールドワークとして、街頭調査と利用者調査について発表。街頭調査として、三鷹駅と東京駅構内・ホーム、羽田空港を調べ、トイレやホームのUDとしてどのようなものがあるかを確かめました。空港のトイレは日本語のほか韓国語、中国語、英語の表記があり、よりさまざまな人に使いやすくなっていることなど、調査からわかったことを発表します。

利用者調査として、UDのはさみ、ノート、カッターなどを、10代、40代、60代と年代別に使ってもらい、使用感を調べます。調査は家族に協力してもらいました。すると、実際は年代によって使用感が異なり、使いやすいものや、使いにくいものがあることがわかりました。

この研究を通して、Sさんは「UDはたくさん製品化されているのに、自分はあまり知らないことがわかった。でも実際には市場に多く出回っていないため、価格が高い。もっと市場に出回ってほしいと思う」と述べ、さらに利用者調査から、「必ずしもだれもが使いやすいものではないことがわかった。この先改良が必要。UDについて、みんなに知ってほしい」と締めくくりました。

納豆のネバネバとおいしさ

最後の発表者は、女子生徒のT.Yさん(以下Tさん)。
研究テーマは「納豆のネバネバとおいしさ」。

テーマの動機として「私は納豆が大好き。納豆はかき混ぜるとおいしくなるとテレビで知り、ネバネバとどう関係があるのか、不思議に思った」と述べます。
Tさんはまず納豆の製造方法を調べることに。炭を使って納豆を発酵させる炭火造りの製法を用いている2つの工場を取材します。製造方法を確認したところで、次に納豆の粘りについて調査。「ネバネバの成分はポリグルタミン酸。これはグルタミン酸が鎖のようにつながったもので、かき混ぜることで鎖が切れ、噛むごとに何度もうまみを味わえるということがわかりました」
Tさんはこれを検証してみることに。しかし、1回目の実験でははっきりした結果が得られませんでした。そこで東京農業大学に問い合わせ、実験について相談。アドバイスをもらって再度実験方法を変えて挑戦します。「10分かき混ぜたもの、30分かき混ぜたもの、1度もかき混ぜないもの、3つの条件で実験した結果、納豆はかき混ぜればかき混ぜるほどおいしいという反応が得られました」
Tさんは実験で、小粒納豆、ひきわり納豆など種類も変えて実験。ひきわりのほうがよりおいしいということもわかりました。

この研究を通して、Tさんは「実験が失敗したとき、卒業研究なんてもうやめたいと思いました」と素直な感想を述べ、「納豆はかき混ぜればおいしいことはわかったが、でも好み自体は人それぞれ。今後はどんな調味料が合うかなども調べてみたい」と発表を締めくくりました。

研究テーマ「納豆のネバネバとおいしさ」発表の様子

3人とも独自性のあるテーマで、一生懸命取り組んだことが発表から伝わってきました。
また、自らの興味・関心や疑問をもとに、フィールドワークも模索しながら自主的に行動し、そこから考えたことを自分の言葉で表現していることがよくわかりました。その言葉には実感がこもり、説得力がありました。
パワーポイントのまとめ方は視覚的でわかりやすく、話し方も落ち着きがあって聞き取りやすく、上手でした。
観客となった全校生徒はじっと耳を傾け、発表者の問いかけに積極的に応じるなど、発表者を応援する気持ちや協力する態度が伝わってきました。保護者や教員たちも見守るなか、温かく和やかな雰囲気の発表会となりました。

卒業研究を経験して~卒業研究の代表者3人に話を聞きました

「車椅子バスケットを通して障害者について考える」をテーマに研究した男子生徒のH.Hさん

ぼくの家は技肢装具をつくる工場で、父も祖父母も義肢装具士です。だから幼いころから障害者は身近な存在でした。
卒業研究でたいへんだったのは、調べたことをいかにまとめるかということ。構成を自分で考え、担当の先生からアドバイスをもらいながら書きました。原稿用紙にすると20枚くらいです。パワーポイントは技術の授業などで習ったので、それをもとにプレゼン用の資料をつくりました。
発表の練習はクラス代表に選ばれたとき何回か練習したけれど、すでにクラス発表、学年発表と2回やっているから、3回目のときはもう覚えてましたね。

学年代表に選ばれてチョットうれしいです。オレでもできる!って表せたかなと思います。

H.Hさん

「身近なユニバーサルデザイン(UD)の工夫」をテーマに研究した女子生徒のS.Cさん

UDのことを知ったのは、中2の歴史の授業です。そのとき調べ学習で、私はUDについてレポートを書きました。
年代別にUDの使い勝手を調べようと思いついたのは、60代の祖母が以前、ピーラーを使わないと言っていたから。それで年齢によって、使用感に違いがあるのではと思ったんです。
フィールドワークは夏休みにやりましたが、そこから先が難しかった。いろいろ考えていると、なにをどうまとめたらいいかわからなくなって。いったいどういう研究論文になるのか、自分でも先が見えませんでした。UDについては情報も多いわけではなく、参考文献や製品を集めるのも大変でした。

担当の先生と話し合いながら結論を出しましたが、やはり自分で調べたからこそここまでたどり着けたんだなと思います。UDがすべての人に使いやすくなっていないことがわかったのは、自分なりのやりかたで実際に調べたからです。UDはこれからまだまだ進化すると思います。

S.Cさん

「納豆のネバネバとおいしさ」をテーマに研究した女子生徒のT.Yさん

この研究で難しかったのは実験です。実験のやり方はインターネットで調べたり、理科の先生に質問したりしながら夏休み中にやってみました。でも、うまくいかなかった。それで納豆組合や醸造関係の食品会社のサイトなどを調べ、問い合わせてみたところ、実験は無理ではと言われてしまいました。困ってしまって担当の先生に相談すると、では東京農業大学に相談してみたらと。で、また自分で問い合わせて実験のことをよく説明しました。すると、とてもよく教えてくれて、小粒納豆やひきわり納豆など種類を変えて実験してみるのもいいのではというアドバイスももらったので、それもやってみました。2回目の実験は修学旅行直前になってしまったので、うまくいってよかったです。

初めはとにかく早く研究を終わらせたいと思ってました。でも、やってみるとうまくいかないし、本も難しくてわからない。どうして最後までやり遂げることができたのか……それは私が負けず嫌いだからです(笑)。理科も好き。担当の先生も「大丈夫だよ!」って励ましてくれました。今はあきらめなくてよかったと思います。

T.Yさん

入試・広報担当 阿部 裕之 先生のお話

3年間の総まとめとなる卒業研究は、本校の大切な活動です。現在は他校でも行われていますが、本校では中学募集開始時より取り組んできました。緊張感をもって高校へ進むためにも、意義ある活動です。

テーマ設定や研究のしかたは自由で、すべて生徒自身が決めることになっていますが、必ずフィールドワークか実験観察を行うことが条件です。本校は体験学習が充実しています。学校では「学問知」「経験知」「実践知」という3つの言葉をつくって学習活動の重点を表しており、机上の学びと体験を結びつけるようにしています。卒業研究でも、自らの体験を通して考えることが大切です。

卒業研究でもう一つ大切にしていることは、自分らしくやることです。内容が高度でなくてもいい。自分の興味あることをテーマに取り上げ、総合的な学習の時間や夏休みなどに各自研究を進めます。
卒業研究は生徒2~3人に一人の教員が担当します。中学・高校のすべての教員、そして校長も、全校挙げて指導にあたる。生徒は自分がどの教員につくか、緊張して発表を待ちます。部活の高校の先輩から「あの先生はキビしいよ!」なんて聞いたりしているものだから(笑)。担当教員は毎月生徒と会い、対話します。そうするなかで、自分がどう研究を進めるのか、フィールドワークや実験からどんなことを考えたのか、生徒自身に気づき、行動できるようにうながします。答えは生徒のなかにある。フィールドワーク先へのアポイントメントの取り方なども卒業研究によって学ぶことができますね。

中学3年間は、少しずつ自立する時期。遠足は中1から現地集合、現地解散。行き方も自分で調べる。奈良・京都の修学旅行も自主研修がメインです。25キロを歩く強歩大会も本校は当初より行っていますが、これも自立心につながります。
卒業研究も、やはり自立の一歩なのです。教員がお膳立てするのではなく、生徒が自分で進めていく。そして自分で考え、疑問を発見し、自分で動く。勉強や部活とも並行させていかなくてはならないから、スケジュール管理も自分でやる。
こうした訓練は、ふだんの勉強や大学受験にも役立ちます。勉強の進め方を考え、スケジュール管理も自分でする必要があるからです。これは社会に出てからもとても重要なことです。もちろん卒業研究そのものが大学での研究やレポート、卒論の練習にもなります。

本校は今後もさらに生徒の自立と学習の向上、体験の充実をめざします。この新学期より自習室を新たに設置する予定です。ほかにもさまざまなアイデアを出し合い、改革しながら学校全体の教育力を高めていきます。

全員の論文を1冊にまとめた「卒業研究レポート集」

2014年 大学合格速報

東京大学1名 東京工業大学1名 現役合格!

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