私立中学

女子校

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とうきょうじょがっかん

東京女学館中学校 

スクール特集(東京女学館中学校の特色のある教育 #1)

実験・観察を重視し、生徒たちの能力・意欲を高める理科教育

充実した理科施設や、実験・観察の授業のもとで、生徒に「なぜ?」と疑問を持たせるところから、理科に対する興味・関心を高めていく東京女学館中学校の理科教育とは?

東京女学館中学校の理科教育

「高い品性を備え、人と社会に貢献する女性の育成」を教育目標に掲げる東京女学館中学校。創立120余年の伝統を守りながら、常に時代の先端をゆく教育を行い、21世紀を生きる女性にふさわしい人間力と学力を豊かに養っています。

生徒の志は高く、例年、東大、一橋大、東工大、東京藝術大など国公立難関大に進学しています。理系・医歯薬系も多く、近年さらに志望者が増えています。2015年度は早稲田大学、慶応義塾大学、東京理科大、東京慈恵医科大、順天堂大、日本医科大、東京医科大、東京女子医科大、聖マリアンナ医科大、日本歯科大、北里大、昭和大、星薬科大、東京薬科大、明治薬科大、日本赤十字看護大などに合格しています。

こうした背景には、理科教育の充実が挙げられます。中学から実験・観察を多く行い、理科への興味・関心を育んでいます。
今回、東京女学館中学校の理科教育についてお話をうかがい、中学の理科の実験・観察授業を取材しました。

理科教諭 飯田 祐 先生のお話

中1の理科は、教室での座学の授業と実験・観察を交互に行っていて、ほぼ2回に1回は実験です。授業で得た知識を、実験によって確認し、理解を定着させます。今日の「光の反射・屈折」の実験も、前時の授業で学んだ「光」の性質について、実際に確かめることがねらいです。

中1の生徒はまだ実験に慣れていないので、プリントを工夫して、わかりやすく、丁寧に教えます。生徒たちは実験結果や考察をプリントに書き込み、教員に提出します。みんなで班ごとに助け合いながら、実験・観察に取り組んでいますよ。

中学は各学年で、生徒各自が1分野・2分野それぞれの専用ファイルを用いて、学習に役立てています。授業で使ったプリントをすべてファイリングし、いつでも振り返れるようにしているのです。ファイルは折々に提出させ、教員が点検します。分野ごとに年間で2冊のファイル、3年間で6冊となり、理科学習の記録となります。実験・観察を重視するとともに、生徒自身が学びの足跡を確認できるようにしていることも、本校の理科教育の特徴です。

理科教諭 飯田 祐 先生

理科教諭 河野 あづみ 先生のお話

本校は、女子校のなかでも理科施設が充実している学校です。実験・観察用の特別教室は5教室あります。また、理科に限らずどの教科でも、実際に経験することを大切にしています。中2の理科は、ほぼ毎週実験・観察の授業があります。高校では2時間続きの実験も行います。文系・理系どちらの生徒も、みんな実験に夢中になって取り組みます。

中学の理科の大きなねらいは、基礎知識をしっかりと身につけることです。まず理科という教科を身近に感じてほしい。ヒトの身体や、身近な自然現象が学びの対象なのだから。そして、身のまわりで起こるあたり前の現象に対して「疑問」を抱いてほしいと思います。授業では生徒に「なぜ?」と疑問を持たせるよう心がけています。

今日の観察の授業では、ブタの眼の解剖を行います。手袋は使わず、あえて素手で解剖します。もちろん実験用にきちんと処理したものを用いていますが、なかには、じかに触ることに抵抗を感じる生徒もいることでしょう。でも、生徒たちは将来、肉や魚を素手で扱えなくては困ります。多くの実験・観察を体験するなかで、理科に関する学びだけでなく、さまざまなことを身につけていってほしいと思います。

理科教諭 河野 あづみ 先生

理科主任 鈴木 龍馬 先生のお話

本校は、もとから理系志望者が多い学校で、医歯薬系にも例年多くの生徒が進学します。理系志望者はさらに増える傾向にあります。以前は高校の理系クラスは1クラス半だったのが、現在は2クラス。全体の4割が理系志望で、うち約半数が医歯薬・看護系を志望しています。
これはやはり社会状況と関係があるでしょう。家庭でも、わが子が社会のなかで、キャリアを持ってしっかりと生きてほしいと願うようになっています。

実験・観察の授業が充実していることも、理科への興味・関心を育てるうえでプラスになっていると思います。また、本校では将来の道を考えるキャリア教育を系統的に行っていることも関係しているのではないでしょうか。

中3ではロータリークラブの人を招いての職業講演会を開きます。高1の箱根研修旅行では、進路を考えるための講演会やクラス集会、自分の将来をテーマとしたスピーチに取り組みます。各自の夢や悩みなどを、心を開いて互いに語り合い、意欲を養うとても貴重な機会となっています。高2から文系・理系に分かれるため、高1では大学オープンキャンパスにも参加したりして、早い時期からじっくりと自分と向き合い、目的意識を高めます。

本校の生徒はとても素直で真面目です。授業やキャリア学習、行事など、6年間何事にも一生懸命取り組みます。なかでも優秀な生徒は、クラスのみんなを引っ張っていく力があります。一人ががんばると、みんなががんばります。そうした環境が、大学合格にも結びついていると思います。

きめ細かい指導も本校の特徴です。中学の理科では授業の最後に10分間のワーク学習に取り組み授業のまとめを行ったり、家庭学習用のワークシートを授業翌日に提出させるなど様々な工夫をしています。数学や英語などのノート指導も伝統です。教員が一人ひとりに丁寧に、徹底してノート指導を行います。職員室の前には質問コーナーが設置されていて、毎日のように個別指導を行っています。

カリキュラムは、どの分野の大学進学にも対応できるよう編成しています。さらに長期休暇中は、医学部・理工学部など、それぞれの志望向けの講座を充実させています。
生徒一人ひとりの進路実現は何より大切です。特に医歯薬系はじめ、狭き門の大学への進学をしっかりと支えていく必要があります。そのためには、準備は高校からでは遅い。中学から学ぶ習慣をしっかりとつけさせ、自分の頭で考える生徒を育てていくことが大切です。

理科主任 鈴木 龍馬 先生

現在は、2020年から始まる大学新入試を視野に入れながら、学習指導のあり方を考えているところです。さらにプラスアルファの教育が必要であり、本校では放課後や試験休み中に、理科や英語などで体験学習中心の課外授業も行っています。理科の課外授業ではカエルの解剖など、いろいろな実験・観察に取り組みます。生徒たちの参加意欲は高いですね。今後も、学校として生徒の能力・意欲の育成に積極的に取り組んでいきます。

(左)河野 あづみ 先生 (中)飯田 祐 先生 (右)鈴木 龍馬 先生

授業取材

飯田 祐先生 担当 中1・第1分野の実験授業 実験テーマ「光の反射・屈折」

実験は4人1組の班に分かれて行います。教室の明かりを消し、遮光カーテンを閉めて、暗くした状態で、生徒たちは実験を開始しました。

鏡、台形ガラスを用いて、それぞれ光の反射・屈折のようすを調べる。次に、厚いガラス板の前に鉛筆を立てて置き、ガラス板を通して鉛筆を見る。そのときの鉛筆の見え方を調べる。最後に、乳鉢にコインを入れ、少しずつ水を注ぎ入れたときの、コインの見え方を調べる。――

生徒たちは、4つの実験に真面目に取り組んでいます。実験からわかることを友だちと話し合っている生徒もいます。乳鉢に水を注いだとき、コインが水面に映って見えるのを調べながら「光の屈折によって見えるんじゃない?」……みんなで何度も実験を繰り返し、光が水と空気との境界面で屈折するようすを確かめています。プリントの考察欄に、自分の考えをくわしく書き込む生徒の姿も見られます。

授業の最後に、先生が実験結果を各班に質問しながら、光の性質についてまとめました。
中1の生徒たちは、先生に細かく指示されなくても、自らメモを取ったり、考察を書き込んだりしていて、学ぶ意欲が伝わってきました。友だちと協力して取り組むようすも見られ、実験はスムーズに進んでいました。

4人1組の班で実験を開始

河野 あづみ 先生担当 中2・第2分野の観察授業 観察テーマ「ブタの眼の解剖」

ブタの眼を解剖し、その構造と働きを観察し、理解することがねらいです。
最初はバットに載せられたブタの眼球にちょっと興奮気味の生徒たち。おそらくみんな初めて見るものでしょう。なかにはノートを自分の顔の前に立て、目玉を見ないようにしている生徒も。その隣の生徒は、自らハサミを持って解剖に取りかかります。ほかの生徒も、ピンセットを手に目玉を抑え、友だちといっしょに解剖します。実験が進むうちに慣れてきて、みんなで協力して取り組むようすが見られました。

ガラス体、レンズとなる水晶体、網膜、視神経など、それぞれ観察し、スケッチ。レンズの形や硬さをチェックし、そのレンズを使って前方の景色を見たり、文字を見たりしてみる……生徒たちはじかにレンズに触れ、「プルプルしてる!」、そしてレンズをかざし「見える、見える!」……景色が上下左右反転してレンズに映ることを確認。

熱心にスケッチしていた生徒は、プリントにくわしく感想も書き込んでいます。「実際にさわったり、切ったりすることで、硬さや形、網膜を見ることができました。眼を切ると、ひとみがしぼんでいました。……」その生徒に今日の授業の感想を聞いてみると「新たな発見がありました。角膜など初めて見るものばかりでした。理科は好きです」――実感がこもり生き生きとした言葉が返ってきました。

中2の観察の授業でも、生徒たちが真面目に学んでいる姿を見ることができました。実験の準備や片付けもテキパキと行っていてけじめがあり、積極性や学ぶ姿勢が身についていることがよく伝わってきました。

協力して実験に取り組むの生徒たち

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