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2018/3/1(木)

偏差値だけに頼らない中学受験 生徒インタビューvol.5

工学院大学附属中学校 2年 Mさん

体操の全国大会に出場!6年生の12月まで練習

3歳から始めた器械体操。現在も週に1回、練習をしています。

3歳から器械体操を習い始めたというMさん。持ち前の粘り強さと向上心で、ぐんぐんと実力を伸ばし、4年生で全国体操小学生大会に出場。5年生の時には、東京都の予選大会を1位で通過し、2年連続で全国大会出場を果たしました(4年生の時は6位通過)。そんなMさんが、中学受験を考えたのは、6年生の12月中頃。週に6日のペースで練習をしていた体操を休止してからの決断でした。

「6年生になって、力の限界を感じたというか、体操をもっと極めたいという気持ちが薄れてきて…。それよりも好きなスポーツとして、細く長く続けられたらいいなぁと思い、一度、辞めることにしました。そして、中学に進学する前に、勉強をきちんとやっておこうと初めて塾に通いました」

「文章を書く」得意分野を活かして、思考力入試に挑戦

「プレゼンテーションなど、自分の考えを人に伝える授業が多いです。文章で伝えるのは得意ですが、発言するのは苦手で…。でも1年間で、だいぶ話せるようになりました」

その塾で、一般入試とは別に思考力テストがある工学院大学附属中学校の受験を勧められたというMさん。「学校が家の近くというのもあって、何度か科学教室や文化祭を見に行っていました。いい学校だなと思っていましたが、中学受験なんて考えてもいなかったし、そのための勉強も一切してこなかったので、無理だろうと…。そうしたら、思考力テストがあることがわかり、文章を書くのは好きだったから、チャレンジすることにしたのです」

Mさんは約1か月間、文章の書き方を中心に勉強をして、本番にのぞみました。「その時の問題は、自分で図書館にある本を選び、その本の紹介をするというもの。試験会場が図書館というのが面白かったし、正解のないテスト自体が楽しくて、自分の考えをスラスラ書くことができました」。本人も手ごたえがあったという思考力入試。見事合格を手にしました。

5月にはラート*の世界大会へ。勉強と両立をしています!

昨年12月に行われた全日本ラート競技選手権大会に出場し、ジュニア女子直転、ジュニア女子跳躍の両部門で2位に輝きました。

受験の準備期間は短かったMさんですが、小学校の学習はきちんとこなし、本もたくさん読んでいました。「思考力入試は、自分の得意分野を活かすことができ、私に合っていたと思います。でも、4教科の受験勉強をしてこなかったので、入学後、授業についていけるかが心配でした」。実際、最初の頃の成績は、あまり良くなかったそうで、「自分が行きたいと言って、私立の学校に行かせてもらっているのだから、がんばらなくては!」と、気持ちを引き締め、コツコツと勉強。現在は、上位一桁まで上がってきました。

さらにMさんは、部活動の卓球、そして中学から習い始めたラート*にも力を入れています。ラートの大会では、全国で第2位の成績を修め、今年5月、スイスで行われる世界大会に出場する予定です。「ラートの存在は、お母さんから教えてもらったんですが、体験した瞬間にはまりました。練習も楽しいし、世界大会も全力でがんばりたいです。でも、今の生活の優先順位は、やっぱり勉強だと考えています。将来は、リハビリなど医療系で人を助ける仕事に就くのが夢なので、そういう方面に進学できるよう、勉強をきちんとやっていきたいです」。まさに文武両道を貫くMさん。今後の活躍が楽しみです。

Mさんが見事合格した工学院大学附属中学校の思考力入試とは

*ラート…ドイツ発祥のスポーツで、2本の鉄の輪を平行につないだ器具を用いて、様々な体操を行う。競技には、2本の輪を使って回転する「直転」、1本の輪のみで回転する「斜転」、ラートを転がし、その輪の上を跳び越える「跳躍」がある。